このページの本文へ

ベンチマークで性能をチェック、CPUはCore i5だが前世代Core i7を上回る性能

長時間駆動&狭額ベゼルでモバイルにも、性能上がった15.6型ノートPC

2018年07月22日 10時00分更新

文● 山口優 編集●八尋/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

デルの「New XPS 15」

 超狭額縁デザインの採用により、15.6型ディスプレーを搭載しながら14型相当のコンパクトなボディーを実現したデルの「New XPS 15」。前モデルから、CPUやメモリーなどの基本性能が強化されたが、パフォーマンスはどのくらい向上しているのだろうか。今回は、第8世代インテルCore i5-8300Hを採用した「プレミアム」モデルを使用して各種ベンチマークテストを実施し、性能をチェックしてみた。

Core i5でも前世代のCore i7を上回る性能

CPUは4コア8スレッドの第8世代インテルCore i5-8300Hが搭載されている

 New XPS 15は、搭載するCPUやメモリー、ディスプレー、ストレージなどの構成の違いによって「プレミアム」、「プラチナ」、「プラチナ・4Kタッチパネル」、「プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD」の4モデルに分かれている。各モデルのおもなスペックは次のとおり。

New XPS 15の主なスペック
モデル名 プレミアム プラチナ プラチナ・4Kタッチパネル プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD
CPU Core i5-8300H(4コア8スレッド) Core i7-8750H(6コア12スレッド) Core i7-8750H(6コア12スレッド) Core i7-8750H(6コア12スレッド)
グラフィックス インテル UHD グラフィックス 630 GeForce GTX 1050 Ti GeForce GTX 1050 Ti GeForce GTX 1050 Ti
メモリー 8GB 8GB 16GB 32GB
ストレージ 1TB SSHD 256GB SSD 512GB SSD 1TB SSD
バッテリー 56WHr、3セル 56WHr、3セル 97WHr、6セル 97WHr、6セル

 今回はそのうち第8世代インテルCore i5-8300Hと、CPU内蔵GPUのインテル UHD グラフィックス 630を採用したプレミアムモデルを試している。ちなみに、前モデルは「プレミアム」に相当するモデルがなく、CPUに第7世代 Core i7-7700HQ(4コア8スレッド)、GPUにGeForce GTX 1050を採用した「プラチナ」および「プラチナ・4Kタッチパネル」の2モデルがラインナップされていた。第8世代Core i5は、プロセッサーの性能面で全モデルにどこまで迫れるのだろうか。

 そこで、ここでは前モデルと同じ第7世代 Core i7-7700HQを搭載し、「プレミアム」モデルの構成に近いパソコンと比較してみた。

スペック比
機種名 New XPS 15 プレミアム 比較機
プロセッサー 第8世代 Core i5-8300H(4コア8スレッド) 第7世代 Core i7-7700HQ(4コア8スレッド)
グラフィックス インテルUHDグラフィックス630 インテルHDグラフィックス630
メモリー 8GB(DDR4-2666MHz) 8GB(DDR4-2400MHz)
ストレージ 1TB SSHD(5,400回転/分) 3TB HDD(5,400回転/分)

 まず、「CINEBENCH R15」を実行してCPUの性能をチェックしてみたところ、次の通りになった(なお、比較機は計測時のWindows 10のバージョンが異なり、マルチコアのみの計測なので、あくまでも参考程度にみてほしい)。

CINEBENCH R15の結果
機種名 New XPS 15 プレミアム 比較機
CPU(シングルコア) 172cb
CPU(マルチコア) 778cb 733cb

CINEBENCH R15の結果

 Hシリーズの中ではエントリークラスのCore i5-8300Hでも、前世代のハイエンド向けCPUを上回る性能を持っているのがわかる。

 次にマシンの総合的なパフォーマンスを測るため「PCMark 10」を実行してみたところ次のようになった。

PCMark 10の結果
機種名 New XPS 15 プレミアム 比較機
PCMARK 10 スコア 3790 3326
Essentials 8080 6009
Productivity 6174 5603
Digital Content Creation 2962 2967

PCMark 10の結果

 マシンの基本性能を示す「Essensials」が、かなり高めのスコアになっている。これをみても、第7世代 Core i7-7700HQより性能が向上していると推測できる。

 それでは、グラフィックス性能はどうだろうか? 内蔵グラフィックスは比較機のインテル HD グラフィックス 630から、インテル UHD グラフィックス 630に変わっているが、どれくらいの性能差があるのだろうか。そこでまず、3DMarkを実行してみたところ、次の結果になった。

GPUは、CPU内蔵のインテル UHD グラフィックス 630が搭載されている

3DMarkの結果
機種名 New XPS 15 プレミアム 比較機
Time Spy 377 399
Fire Strike 990 964
Sky Diver 4133 4454
Cloud Gate 8618 8502
Ice Storm Extreme 53433 49647
Ice Storm 85461 71472

3DMarkでは、Cloud Gateで8618というスコアになった

 3DMarkの結果をみる限り、HD グラフィックス 630とUHD グラフィックス 630のパフォーマンスはあまり差はなかった。そこでゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.51」は次のようになった。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.51の結果(解像度:1280×720ドット)
機種名 New XPS 15 プレミアム 比較機
標準品質 9090(とても快適) 9092(とても快適)
ドラゴンクエストX ベンチマークソフトのスコア(解像度:1920×1080ドット)
機種名 New XPS 15 プレミアム 比較機
低品質 7280(とても快適) 5908(快適)
標準品質 5934(快適) 5004(快適)
最高品質 4721(普通) 3718(普通)

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの結果

 結果をみると、New XPS 15のほうが比較機よりもスコアが高めに出ているのがわかる。とくに解像度を上げると差が顕著になった。

 「FINAL FANTASY XIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」は次のようになった。

FINAL FANTASY XIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 スコア(解像度:1280×720ドット)
機種名 New XPS 15 プレミアム 比較機
標準品質(ノートPC) 6797(とても快適) 5845(とても快適)
FINAL FANTASY XIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 スコア(解像度:1920×1080ドット)
機種名 New XPS 15 プレミアム 比較機
標準品質(ノートPC) 3561(快適) 3022(やや快適)
高品質(ノートPC) 2239(普通) 1381(設定変更が必要)
最高品質 1562(設定変更を推奨) 1381(設定変更が必要)

FINAL FANTASY XIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編の結果

 結果を見ると、New XPS 15のほうが全体的にパフォーマンスが高めになっている。フルHDで快適にゲームをプレーするのはまだまだ厳しそうだが、着実に進化しているとはいえそうだ。

 参考までに、New XPS 15 プレミアムモデルの「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター)」のスコアも紹介しておこう。

FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者 ベンチマークの結果
解像度 品質 スコア 評価
1280×720ドット 標準品質(ノートPC) 4461 快適
1920×1080ドット 標準品質(ノートPC) 2365 普通
1920×1080ドット 高品質(ノートPC) 1558 設定変更を推奨
1920×1080ドット 最高品質 1025 設定変更が必要

FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター)の結果

バッテリーは7時間以上駆動可能

 今回試したNew XPS 15 プレミアムモデルには、ストレージとして1TBの2.5インチSSHDが搭載されていた。CrystalDiskMarkで性能をチェックしてみたところ、シーケンシャルリードが120MB/秒前後になった。同クラスのHDDとそれほど変わらない結果だが、キャッシュ用のフラッシュメモリーを搭載したSSHDだけあって、OSの起動などはHDDよりも高速だった。

内蔵SSHDはシーケンシャルリードが121MB/秒と標準的な速さ

 よりスピードを求めるなら、SSDを搭載したプラチナ以上のモデルを検討するとよいだろう。高速なPCIe SSDを採用しているため、本機以上にサクサク動作するはずだ。

 最後にバッテリー性能もチェックしておこう。本機には3セル/56WHrのバッテリーが搭載されているが、駆動時間は公表されていない。そこでバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使ってバッテリー駆動時間を計測してみた。なお、「Dell Power Manager」の「熱設定」を「最適化」に、BBenchは「60秒間隔でのウェブ巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている。

BBenchの結果
電源プラン 電源モード 画面の明るさ 駆動時間
デル(推奨) より良いバッテリー 50% 7時間21分

 結果、約7時間を超える駆動が可能だった。上位モデルの「プラチナ・4Kタッチパネル」や「プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD」は6セル、97WHrの大容量バッテリーが搭載されているので、4K液晶ディスプレーの消費電力を差し引いてもさらに長時間の駆動が可能だと思われるが、本機でも十分すぎる長さ。出先や移動時、長丁場の会議などでの使用に活躍しそうだ。

質感の高さとコストパフォーマンスのよさが魅力的

 洗練されたデザインの筐体に、ち第8世代インテルCore i5-8300Hを搭載したNew XPS 15 プレミアムモデルデルの直販サイトでは、通常、最小構成時に15万6578円という価格で販売されているが、13%オフクーポンの適用で13万6223円という価格になっていた(7月22日現在)。質感の高い筐体や基本性能の高さを考えると、コストパフォーマンスはかなり良いという印象だ。洗練されたノートパソコンを探している人には、ぜひ注目してほしい製品だ。

試用機の主なスペック
製品名 New XPS 15プレミアム
CPU Core i5-8300H(2.3GHz/最大4.0GHz、4コア8スレッド)
グラフィックス インテル UHDグラフィックス 630
メモリー 8GB(DDR4、2666MHz)
ストレージ 1TB SSHD
光学ドライブ なし
ディスプレー 15.6型ワイド(1920×1080ドット)
インターフェイス USB 3.1 Gen 1×2、HDMI 2.0、Thunderbolt 3(USB3.1 Gen 2 Type-C)、SDカードリーダー、ヘッドセットジャック、Nobleロックスロット
OS Windows 10 Home(64bit)

■関連サイト

ASCII.jpおすすめパック
製品ラインナップ
インテルバナー