7月14~16日まで韓国・ソウルでIoT関連の展示会「KITAS2018」(Korea Smart Device Trade Show)が開催されました。IoT関連の海外展示会へ行くと韓国ブースが必ず設置されており、多くの企業が出展しています。KITASは母国開催ということで選りすぐられた企業が約150社出展しました。その中からちょっと気になった展示物を紹介しましょう。
巨大! 32型のTV型タブレット
Better Life Togetherの「Tvlet」はTVとタブレットを融合したような製品です。ディスプレーサイズは32型フルHDとタブレットとしてはかなり大きく、TVとしてはやや小さい部類に入るサイズでしょう。
この手の製品としてはサムスン電子の「Galaxy View」がありましたが、Tvletよりも小型の18.4型でした。Tvletの本体サイズは448x841x33mm、重量は9.3Kgと小型TV並みですが、バッテリーを搭載し自宅の中の好きな場所に持ち運んで使うこともできます。バッテリー容量は1万8000mAhで4時間の利用が可能。自宅内ではACアダプターを接続して使うほうがよいでしょう。
SoCはMediaTekのMT8173、メモリー2GB、内蔵ストレージ16GBという構成です。カメラは搭載せず、30Wの大型スピーカーを4つ搭載しています。
OSはAndroid 7.0が動作し、独自のUIを搭載しています。ディスプレーはタッチ操作には非対応で、スマートフォンをWi-Fi接続してスマートフォンの画面をタッチパッドやキーボードとして使うことが可能です。ゲームをするときはゲームコントローラーなどを接続して使えます。Google Playも搭載しているので一般的なAndroidアプリを使うことも可能。
また、各IPTVのアプリがプリインストールされているため、ネットにつなぐだけですぐにストリーミング番組の視聴も可能。ここがTVでもある理由なわけです。価格は79万9000ウォン(約7万9400円)。
将来が楽しみなワイヤレスディスプレー技術
WiseJetの「V-Jet」はスマートフォンやタブレット、PCの画面を大型モニターに飛ばすワイヤレスディスプレーアダプタです。周波数は60GHzで非圧縮の独自プロトコルを使用、フルHDでの転送が可能(3Gbpsまで対応)。スマートフォンなどをHDMIで接続し、モニター側にはレシーバーを取り付けて利用します。10メートル転送可能なV-Jet 10と、30メートル転送可能なV-Jet 30の2製品があります。
WiseJetは韓国最高峰の国立理系大学、KAIST(旧称韓国科学技術院)でワイヤレスディスプレー技術関連の研究を行なっている教授などが設立した会社です。現行製品のV-Jetは市販のチップを使っていますが、より高速・高解像度に対応するチップセットの研究開発もしています。
現在の目標は転送レートを3Gbpsから10Gbpsに上げること。ゲーミングスマートフォン片手に大画面で3Dゲームのプレーを楽しむこともできるようになるわけで、将来の製品に期待が持てます。
スマホいらず! 顔や虹彩認証でドアロックを解除
IRISYSは生体認証技術を開発している企業で、顔認証と虹彩認証の研究を6年前から行なっています。ブースにはカメラを搭載したデバイスが展示されていました。
スマートドアロックはドアノブの上のカメラが顔を認識して登録した顔ならロックを解錠してくれます。60㎝程度離れた距離でも認識可能で、100人の目を登録できます。また正方形型のデバイスは企業の出退勤管理などに利用可能で、こちらは虹彩を認識します。登録人数は6000人まで対応し大企業での利用も可能とのこと。
一方、手のひらに収まる小型のデバイスは虹彩認証を搭載。光彩を登録しておき、Windows PCのログインや特定のファイルへのアクセスをコントロールすることも可能とのこと。今の製品サイズはキーホルダーのように外付けとして使う大きさですが、いずれはより小型化されてノートPCへの搭載やスマートフォンに内蔵できる大きさになるでしょう。銀行のATMでキャッシュカード利用時に暗証番号ではなく顔や光彩認証を使う応用展開も考えているとのことで、海外の銀行との交渉も進めているそうです。
指先に取り付ける小型マウスは子供や年配者にも配慮
アイディア勝負ともいえる製品が、Goalm Treeの指先マウスです。16gと軽量な本体に4つのボタンを備え、指先に装着してBluetoothマウスとして利用できます。15分の充電で5時間利用できるので、充電切れの心配もないでしょう。5メートルの距離まで届くので、ちょっと離れた位置にあるPCの操作も可能。さらにはレーザーポインターも内蔵されており、プレゼン時にも利用できます。
机の上でマウスが使えないシーンのみならず、マウスを握るのが難しい年配者や障害のある方、さらに子どもなどもターゲットにしているとのこと。スマートフォンと接続すれば画面をタッチせずにアプリの起動やスクロールもできるので、ハンズフリーでスマートフォンを利用することもできます。1つ持っているといろいろと便利に使えそうです。
首にかけて使うBluetoothスピーカー
EM-Techの首掛けBluetoothスピーカーはイヤホンタイプと違い、スピーカー部分がオープン構造のため耳への圧迫感がありません。首にかけて使うため邪魔にもならず、指向性の高いスピーカーを使っているため臨場感あふれる音の再生が可能とのこと。この手の製品はソニーなどがすでに製品化していますが、一人暮らしの部屋でホームシアター気分を味わうこともできそうです。
本体の先端部の左右には大きめの音楽コントロールボタンを備えます。指先で触れるだけでボタン形状がわかるのでスムースな操作ができそう。スピーカーは大きく内側を向いており小さな音もしっかりと聞くことができるでしょう。1回の充電で14時間利用可能。価格は11万9000ウォン、日本円で1万円ちょっとと手ごろです。
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