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こだわり抜いたパーツ構成と組み立てが魅力の「G-Master Hydro X470A」をチェック

Ryzen 7のポテンシャルを存分に、デュアル水冷のゲーミングPCは性能も中身もステキ

2018年07月12日 07時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

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「G-Master Hydro X470A」

 コードネーム「Pinnacle Ridge」として知られていた第2世代Ryzen。14nmから12nmLPへとプロセスをシュリンクし、従来よりも高クロック化され性能がアップしているのが特徴だ。さらに、「Precision Boost 2」や「XFR2」の採用により、多くのシーンで高クロックが維持できるようになっている。

第2世代となるRyzen 7 2700X。高クロック化により、前世代より性能が大きく高められている

 サイコムの「G-Master Hydro X470A」では、この第2世代Ryzenのうち最上位となる「Ryzen 7 2700X」を搭載。TDPは95Wから105Wへと上昇しているものの、水冷クーラーの採用で安定してRyzen 7 2700X本来の性能を引き出せるよう工夫されているモデルだ。ビデオカードはGeForce GTX 1070 Ti搭載品を採用しているため、ゲームシーンにおいてもしっかりとした性能を叩き出してくれる。しかも、GPUも水冷化されているため、高負荷時でも静かに力強く動作してくれる。

 今回試用した構成は、標準からマザーボードを「ASUS ROG STRIX X470-F GAMING」、メモリーを16GB、ケースを黒から白に変更したモデルとなる。スペックだけでなく、製品型番まで細かく指定してカスタマイズできるのが、サイコムのBTOパソコンの特徴だ。

試用機の主なスペック
機種名 G-Master Hydro X470A
CPU Ryzen 7 2700X
グラフィックス GeForce GTX 1070 Ti(8GB GDDR5)
メモリー 16GB
ストレージ 500GB SSD
マザーボード ASUS ROG STRIX X470-F GAMING
OS Windows 10 Home(64bit)

まずはCPU性能をチェック
「CINEBENCH R15」で堂々の1800cb越え!

 Ryzen 7 2700Xの実力を知るため、まずは定番の「CINEBENCH R15」でのベンチ結果からみていこう。CINEBENCH R15は、CGレンダリング速度からCPU性能を測るので、CPUの最大性能を比較するのに適している。マルチスレッド処理が得意となる分野だけに、多コア化がトレンドの最近のCPU性能を比較するにはもってこいのベンチマークソフトとなっている。

マルチスレッドの結果となる「CPU」では1808cbと、かなり高いスコアを叩き出していた

 結果はマルチスレッドの「CPU」で1808cbという、8コア16スレッドCPUらしい高いスコアとなっていた。この数値だけでは高いか低いかわかりにくいため、手元にある過去データからいくつか例を出すと、4コア8スレッドのCore i7-7700Kで967cb、6コア12スレッドのCore i7-8700Kで1444cb、8コア16スレッドのCore i7-7820Xで1774cbとなっていた。インテルのCPUと比較するのであれば、Core Xシリーズでなければ太刀打ちできないほどの実力があるわけだ。

 CPU性能の高さは、マシンの性能、とくに重たい処理を実施する場合の快適さに直結する。CINEBENCH R15のようなCGレンダリングはもちろんだが、動画や画像編集を含めたクリエイティブ用途、科学計算、ゲームなど多くの分野で活躍してくれるだろう。

気になるケースの中身をチェック
すっきりとしたデュアル水冷ユニットが魅力

 CPUもGPUも水冷化されているため、安定性でも静音面でも有利となるが、実際のパソコン内部はどうなっているのだろうか。外観から中身まで、チェックしていこう。

 G-Master Hydro X470Aが採用しているケースは、自作PCパーツとしても人気のあるFractal Designの「Define R5」。拡張性の高いミドルタワーケースで、静音性に優れているほか、シンプルなデザインも魅力だ。冷却性を考え通気性を重視したケースでは、フロント部がメッシュになっている製品が多いが、このケースはフロント全面を覆うカバーがあり、フロントファンからの騒音が直接耳に届かないよう工夫されている。カバーの内側には吸音材が貼りつけられており、音の反射や透過を防ぐという凝りようだ。

ドアのように開閉できるフロントカバー。その内側には吸音材が貼られている。また、広く取られた吸気口にはフィルターも装着されている

 吸気口にはフィルターがあり、パソコン内部へのホコリの侵入を最小限に食い止めてくれる。また、フィルターは簡単に着脱できるので掃除も簡単。掃除のためにマシンの電源を落とす必要も、分解する必要もない。

 続いて、マシンの中身をみてみよう。サイドパネルを開けてまず気づくのがケーブルの少なさだ。電源などのケーブルはすべて裏配線されており、ケース内に余分なケーブルがないのが美しい。もちろん通気性の面でもメリットがあるため、見た目だけでなく、冷却性能にも一役買っているのはいうまでもない。

無駄なケーブルがない美しい配線。組み立てにこだわりのあるサイコムらしさがわかる部分だ

 もっとも気になるのが、デュアル水冷になっているCPUとビデオカード周辺だ。1つの水冷ユニットでCPUとビデオカードを冷やしているのではなく、それぞれ12cmラジエーターを備えた簡易水冷キットを使った水冷化となっている。大きなラジエーターは利用できないものの、個別に冷やせるので騒音が小さくできるといったメリットがある。2つも水冷クーラーを搭載しているとなるとスペースがないように思ってしまうが、Define R5はケース内が広く、無理な取り回しをせずに装着できているのがうれしい。

天面のラジエーターがCPU、背面がビデオカードの水冷キットへと接続されている。間にあるのがケースファンで、ケース内にたまりがちな熱気の排出もしっかりと考慮されている

ビデオカードの固定具や電源にもコダワリあり!

 高性能なビデオカードになるほどクーラーが大きく重たくなりがちだが、GeForce GTX 1070 Tiも例外ではない。こういったビデオカードは輸送中の振動や長期間の利用で抜けてしまったり、拡張スロットへ負担をかけてしまい、マザーボードが故障するといった問題が起きかねない。これらを未然に防ぐため、G-Master Hydro X470Aではビデオカードの補助に「CARADKEEPER」が使われている。

重量級のビデオカードをしっかり支えてくれる「CARDKEEPER」。マザーボードへの負担を軽減してくれる

 ビデオカードのブラケット部分だけで固定するのではなく、奥までしっかりと支えることで、マザーボードの拡張スロット部への負担を軽減してくれる。こういった細かい部分まで配慮されているのが、長期間使う場合の信頼性へと繋がってくる。

 こだわりがあるのはこれだけではない。電源は高速CPUとビデオカードを余裕で動作できるSilverStoneの「SST-ST75F-GS V2」、750Wの製品を採用。単純に出力が大きいだけでなく、80PLUS GOLDの高効率品なため、発熱や無駄な電力消費が少ないのがメリットだ。電源のケーブルはモジュラー式。必要なものだけを装着するタイプなので、ケース内のシンプル化にも貢献している。

80PLUS Goldの高効率電源なので、無駄な電力をカットできる。こういったところも手を抜かないパーツ選びがされている

こだわり抜いたパーツ構成と組み立て、そして高性能が魅力

こだわり抜いたパーツ構成が魅力のG-Master Hydro X470A

 単純にスペックだけをみればどれも変わらないようにみえるBTOパソコンだが、美しい組み立てとパーツ選びのこだわり、そしてデュアル水冷というほかにはない特徴をそなえたBTOパソコンとなれば、サイコムくらいしか候補が残らない。

 中でもG-Master Hydro X470Aは、最新となるAMDの第2世代Ryzenを搭載したパソコンとして、CPU性能の高さが魅力となるモデル。クリエイティブやゲーム、実況配信など、高負荷な用途でもストレスなく使えるパソコンを探しているのであれば、候補の筆頭にあげたくなる製品だ。

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