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女性用スーツ販売絶好調、30~50代で需要急増の理由

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レディーススーツの売り上げが好調の理由は?
百貨店のようなAOKI渋谷宮益坂店のレディース売り場。特に「アラ管」にはエレガントなデザインが売れている Photo by Rumi Souma

 オフィスカジュアルの煽りを受け、売り上げ減にあえぐ紳士服メーカーに光明が差している。レディーススーツの売り上げが好調なのだ。

 今年5月19日、AOKIホールディングスは、旗艦店のAOKI渋谷宮益坂店をフルリニューアルし、レディース売り場を大幅に拡張した。百貨店のような売り場のレイアウトは同社初の試みで、20代の新規客を中心に、オープン1週間の売り上げは、前年同期比144%と好調。今後都市部を中心にレディースフロアの改装を進める方針だ。

 業界トップの青山商事では、レディーススーツへの肩入れはそれ以上だ。今年2月に発表した中期経営計画では、2021年3月期にレディース部門で、連結売上高の約12%に当たる350億円の売上高を目標に掲げる。山本龍典執行役員は、「13年までは女性用はリクルートスーツなど新卒向けの売り上げが100%だったが、最近はフォーマルやキャリアファッションが伸び、構成比がそれぞれ30%強となった」と語る。

 スーツ作りは難易度が高く製造できる工場も限られているため、一般のアパレルメーカーと比べて紳士服メーカーに一日の長がある。「『品質の割に安い』というところで勝負する」(山本執行役員)と鼻息は荒い。

女性活躍推進が追い風に

 レディーススーツ好調の背景には、女性活躍推進法の影響で、管理職昇進前後の30代後半から50代までのいわゆる「アラ管(アラウンド管理職)」世代に一気に需要が生まれたことがある。

 コナカの「SUIT SELECT」でも、レディーススーツの主な購入者は20~30代前半だったのが、30代後半~40代へと少しずつ年齢層が広がっている。また、「女性の場合、管理職になると『下の世代と同じものは着られない』と、より良く見えるものを購入する傾向がある」(安部公政・コナカ執行役員)ことも、紳士服メーカーにとって追い風となった。

 他のチャネルも手をこまねいているわけではない。高島屋は2店舗で、働く女性向けの売り場に「スーツクローゼット」というコーナーを設置。購入者は高級志向のアラ管世代が多く、売り場全体の1人当たり平均客単価2万1000円と比べ、スーツクローゼットは3万4000円と高めだ。EC市場も同様で、ZOZOTOWNは「17年度の女性向けスーツの合計売上高は、前年度比で約2倍」(スタートトゥデイ広報)という。

 さらに、都心以外にも動きがある。SUIT SELECTの地方店舗では、子育て後に復職する女性のスーツ購入が急増。青山商事は、郊外店の女性客獲得のため、今月より各ブロックに教育マネジャーを置き、営業力アップを急ぐ。女性客獲得レースはすでに始まっている。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 相馬留美)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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