「デジタルサイネージジャパン2018」に出展したシャープは、8KとIoTをテーマにデジタルサイネージをはじめとした最新のビジュアルソリューションを披露した。音声対話とLINE連動で顧客誘導を可能にするデジタルサイネージや美術作品をリアルに鑑賞できる8Kビューアなど、顧客体験の向上に寄与するソリューションが満載だった。
パルコアラとの会話でLINEクーポンがもらえるサイネージ
「AIoT」をキーワードにAIの技術をデバイスに組み込んだ製品展開を推進しているシャープ。デジタルサイネージジャパンの同社のブースでは、音声対話型のサイネージとLINEのチャットボットを組み合わせたデモが展示されていた。実証実験を行なうパルコとの共同展示で、デジタルサイネージに話しかけることで、画面の中にいるパルコのパルコアラが店や施設を案内してくれるという内容だ。
「お腹がすいた?」というパルコアラの質問に対して、「満腹」と答えると、カフェを案内し、さらにLINEのQRコードを表示してくれる。このQRコードをLINEで読み込めば、店からクーポンが送られてくるというデモだ。音声だけだと難しい顧客誘導をサイネージとLINEのチャットボットで実現している点がユニーク。シャープと共同開発したアイレットによると、構想から約3ヶ月で実現にまでこぎ着けたという。
圧倒的な解像度で美術作品を鑑賞できる8Kビューア
また、教育ソリューションとして、授業で美術作品を鑑賞することを想定した8Kコンテンツビューアを参考出品。NHKエデュケーショナルと共同で実現したもので、年表でレイアウト配置された美術作品をタブレットの操作で開くと、美術作品が70V型の8Kディスプレイに映し出される。人間の目の解像度を超える8Kでの美術作品の鑑賞は、まさに本物を目の前にしているのと同じ体験。約3318万画素という解像度はもちろん、色の階調も大幅に拡大されているので、恐ろしくリアルだ。
コンテンツ自体も16K以上の高解像度データを利用しているため、拡大表示することで、美術館では気がつかないような発見を楽しめるという。美術館、博物館、図書館などの施設や、高校・大学、美術大学、専門学校などの教育機関への展開を予定しているという。
サイネージ向けのコンテンツ配信製品「e-Signage S」も披露されている。コンテンツ更新、スケジューリング配信やGUIによるレイアウト、状態監視などさまざまな機能を提供し、事業者の悩みのタネであるコンテンツの配信・運用を効率的にサポートする。製品としてはUSBメモリに格納したコンテンツをPCから更新できるスタンドアロン版のほか、管理用PCを用いたネットワーク版、さらには複数のユーザーでの運用を想定したWebサーバー版などのほか、月額課金のクラウドサービスも提供されている。
その他、シャープブースでは8K・60P対応業務用カムコーダ、NFC入力部を埋め込んだディスプレイ、壁掛けできるデジタルサイネージポスター、超短焦点プロジェクタなど、意欲的な展示が数多く用意されている。デジタルサイネージジャパン2018は6月15日の金曜日まで行なわれている。