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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第562回

坂の町長崎で出会った、坂道の猫たち

2018年06月02日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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側溝を歩く猫やすれ違いざまに目が合う猫
長崎は面白い

 道路に戻ると、側溝をもこもこしたものが歩いてる。

 それが前ページの冒頭写真。

 この長毛キジトラは、この溝がお気に入りなようで、なかなか出てこない。

溝に潜伏中のキジトラハチワレ。人が歩いてきたのでちょっと警戒中(2018年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

溝に潜伏中のキジトラハチワレ。人が歩いてきたのでちょっと警戒中(2018年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 この溝は猫用歩道といっていいかもしれない。

 キジトラハチワレも気がつくとこの溝に入ってじっと道行く人を観察してるのだ。

 確かに猫は狭いとこが好きだし、この溝はほどよい深さで猫がけもの道的に使うにはちょうどよいわけで、たまらんですな。

 さて次はまた違う坂道。

 日差しがよくあたる斜面の細い道を上がっていくと、道路の端を歩いてくる猫とすれ違ったのである。

 道路の脇は崖下。猫的にはそんなことは問題ではないのであるが、人的には大変な問題なので落下しないよう手すりがついている。そんな狭い道だ。

振り返った私と振り返ったサバトラの目が合った瞬間(2018年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

振り返った私と振り返ったサバトラの目が合った瞬間(2018年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 互いにすれ違い、「あ、今の猫じゃん」とカメラを持って振り向くと、向こうも「あ、今の人じゃん」って感じで目が合った。

 なかなかキレイなサバトラである。グレーなとこがいい。

 しっぽは微妙に尾曲がりっぽい感じ。

 このサバトラ、逃げないようならもうちょっと近寄らせてもらおうかなと見ていると、身体ごとこちらを向き、この手すりを器用に使って……そうだな、ボクシング漫画で鉄棒を使ってウィービングの練習をするシーンを読んだことあるけど、あれのような感じでこっちへ進んでくるのだ。

頭を下げて下からごつん。頭をぶつけたというかこすりつけてるわけですな。この写真だと尾曲がりっぽい(2018年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

頭を下げて下からごつん。頭をぶつけたというかこすりつけてるわけですな。この写真だと尾曲がりっぽい(2018年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

続いて口元を横からごしごし。この身のこなしが猫っぽくていい(2018年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

続いて口元を横からごしごし。この身のこなしが猫っぽくていい(2018年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 手すりを左下右って感じでよけながら、いや猫だから避けてるんじゃなくて頭や顔をこすりつけながら。ああ、それをしたかったのか、と。

 この姿があまりに気持ちよさそうなのでその場で撮影。

 で、我々の横をそんなことしながら通り過ぎたら、こっちを向いて伸びー。

気持ちよさそうに伸びをするサバトラ。尾曲がりっぽい(2018年5月 カシオ EXILIM EX-ZR4000)

気持ちよさそうに伸びをするサバトラ。尾曲がりっぽい(2018年5月 カシオ EXILIM EX-ZR4000)

 気持ちよさそうで何よりでありました。

 という感じで、長崎は面白かったー。著名観光地はほとんど訪れなかったけど、坂の町の坂道になじんで自由に暮らしてる猫ってよいですな。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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