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麻倉怜士が、RETISSA Displayを体験

夢の「網膜投影」にギークはもちろんAVマニアも注目すべき理由

2018年05月30日 11時00分更新

文● 麻倉怜士、ASCII

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 網膜にレーザーで直接映像を照射する----そんなSF的な方法で、クリアーな映像を目に届ける次世代のアイウエアデバイスが、QDレーザの「RETISSA Display」だ。技術の未来を色濃く感じさせる製品である。

 RETISSA Displayが取り入れた網膜走査の技術は、VISIRIUM Technologyと名付けられている。

 「ビジュアル」や「ビジョン」といった言葉に、「プラネタリウム」や「アクアリウム」といった言葉を重ね、「目の中できらきらとした光が輝いているイメージ」を体現した造語。2018年1月にラスベガスで開催されたCESで試作機を公開した際、私は目撃し、その場で取材した。今回、詳細なテクノロジーと市場展望を、QDレーザ社に直接、訊くことができた。

 7月からアスキーストアをはじめとした一般向け販売も予定されている。

RETISSA Displayの先行販売が決定

※販売や予約方法の詳細は後日、ASCII.jpおよびアスキーストアで告知いたします。

夢の網膜ディスプレーが世界で初めて製品化

麻倉 網膜ディスプレーの技術については、以前から耳にしてきました。どのぐらい新しい技術なのでしょうか?

手嶋 この方式自体は1980年代から研究されています。国内では過去にブラザー工業が製品化にトライしていますね。

麻倉 「世界初」とのことですが。

手嶋 世界初の「製品化」と考えていただくのが適切だと思います。海外にも競合がいて、近いコンセプトの製品が存在します。しかしまだ製品化にはこぎつけていません。専門的な用語で説明すると、「マックスウエル視」という方法を使っています。一本の光を瞳孔の中心に通し、網膜に導いていくものです。

麻倉 1本のビームでRGB各色を表現するわけですね。

手嶋 RGB各色を発するレーザーモジュールがあり、このレーザーの配分で色を作ります。これをMEMSミラーで細かく振動させ、画を描いていく仕組みですね。こう説明すると、よく「DLPとの違い」を質問されるのですが、仕組みは異なります。二軸で振動する1枚のミラーによってラスタースキャンして映像を描いていくものとなります。

麻倉 つまり、場所(画素)ごとに異なる色が順番に照射されていく。ブラウン管の走査線のイメージに近いですね。

手嶋 おっしゃるとおりです! グラフィックコントローラーと色を作るための3色のレーザーは、今のところ文鎮のような大きさの外付けモジュールに収めています。これを小型化していくのが今後のチャレンジです。現状ではまだ大きいですが、この箱を小型化していくことは比較的容易です。携帯電話はかつてショルダーフォンでしたが、いまではポケットに入るサイズまで小型化しました。最終的にはメガネの中に内蔵したり、コントローラーだけを外に分けたりすることを目指しています。

麻倉 確かに昔の携帯電話は大げさなものでした(笑)

QDレーザはどんな会社か

 QDレーザは2006年の設立。もともと富士通の研究所にいた量子(クアンタム)ドットレーザの研究者が、スピンアウトして作ったベンチャーだ。クアンタムドットレーザの優れた特性を活かし、通信への応用を目的としていた。

 設立から12年が経った現在は浜川崎に拠点を構え、約60名の従業員が働いている。コーポレートメッセージは「光で世界は進化する。」

 タンポポの綿毛のようなロゴは放射状に広がったレーザーを示しており、よく見ると縁の部分が「Q」をイメージした形になっている。ひとことで言えば「レーザー推し」の会社だ。光をキーワードに技術開発をするファブレス企業である。

 アイウェア型デバイスである、RETISSA Displayの事業は3年ほど前に立ち上がった。コアであるレーザーモジュール事業が黒字化したので、次のチャレンジとなる新規事業として企画されたものだという。

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