今回のことば
「最もモダンなアプリを、最高のレベルでサポートする。これが、デジタル時代の新たなサポートの仕組みであり、今後のSaaSの標準になる」(米オラクルのマーク・ハードCEO)
オラクルは、Oracle Platinum-Level Supportを2018年夏から提供を開始すると発表した。
米オラクルのマーク・ハードCEOは、「競合他社と比較してもトップレベルのサポートを、追加料金なしで提供することができる。最もモダンなアプリを最高レベルでサポートし、これをオラクルの標準サポートとして提供することになる」と語り、「これが、デジタル時代の新たなサポートの仕組みであり、今後のSaaSの標準になる」と自信をみせた。
Oracle Platinum-Level Supportは、Oracle Fusion SaaSアプリケーションを対象に提供。24時間365日のテクニカルサポートとテクニカルモニタリング機能により、データやシステムが破壊されたり、重要な機能が動作しなくなったりするといった重大度1の問題に対しては、15分以内にテクニカルサポートからの回答を受けることができる。
また、Oracle SaaSアプリケーションの導入支援や、数多くの顧客事例の分析をもとにしたビジネスプロセス改善の推奨事項の提案、最新の機械学習技術を利用した技術的問題の診断および解決などが提供される。
さらに、ポータルを通じて、人事や営業などの職種にあわせた2000以上にのぼるトレーニングガイドを提供し、ノウハウをセルフサポートとしても活用できるという。
同時に用意したアドバンスドサービスでは、顧客ごとにエキスパートが対応。より深いレベルのサポートとカスタマイズされたサービスを利用できるという。「必要に応じてサービスを追加できるものであり、不要にバンドルされたサービスに課金されることがない」(米オラクル カスタマサクセス担当グループバイスプレジデントのキャサリン・ブラックモア氏)とする。
ハードCEOが、「デジタル時代の新たなサポートの仕組み」と定義する背景には、SaaSの広がりによって、顧客のアプリの活用方法が変化。サポートがより重視されるとともに、これが大きな差別化になると考えている点が見逃せない。
「さまざまな顧客がさまざまなアプリを低コストで、迅速に導入しはじめた。テクノロジーを活用するだけでなく、安定した環境で利用し、顧客のビジネスの成功を支援する体制が重視されるようになる。そのための新たなレベルのサービスが必要であった」とし、導入の敷居が下がる一方で、顧客をつなぎ止めておくにはサポートによる差別化が不可避であると判断したようだ。
「他社がプラチナやプレミアムとして、サポートをアドオンした際に有料化するのはおかしい。オラクルはそれとはまったく真逆のことを考えた」とする。 クラウド時代の戦略のひとつの切り札にする考えだ。
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