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最新端末を丸裸! スマートフォン定点観測 第207回

「MONO」「Qua phone」「Android One」、キャリアのミドルクラスのカメラをチェック

2018年04月30日 12時00分更新

文● 小林 誠 編集● ASCII編集部

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実写比較ではAndroid One S3が明るくキレイ!

 ここからは実際に撮影した画像を比較していく。被写体は同じ、設定も初期設定のままでオート撮影。基本的には筆者が主観的に判断する。

MONO

Qua phone QZ

Android One S3

 最も明るく撮れていたのはAndroid One S3。アヒルの人形はレモン色、造花は白っぽく現実とはかなり違うのだが、そのわりに違和感なくパッと見てキレイだと感じる。

 逆にリアルな色に見えたのはMONO。ただカラータイルの茶色っぽい汚れまでわかってしまい、全体的に暗め。現実に近い点では◎だが……。では、Qua phone QZが良いのか、というと惜しいことに背景のカーテンが緑っぽく、画像内で占める部分も大きいだけに、見た瞬間、3枚のなかで一番違和感がある。

インカメラ比較では3枚とも厳しい……

 続いて同じ被写体をインカメラで撮影した。アウトカメラと同じ被写体となっている。MONOのみ左右反転で撮影しているが、この部分は評価に含めない。

MONO

Qua phone QZ

Android One S3

 今回も明るいのはAndroid One S3だが、あまりにも色が濃い。アヒルの人形は黄色が強く、カラータイルはそれぞれの色が上塗りしたかのような濃さ。さらに背景のカーテンにも若干緑が入っている。

 逆にMONOとQua phone QZの色はスカスカ。特にQua phone QZは背景のカーテンやアヒルの人形が灰色っぽい。MONOはカーテンやアヒルの人形は現実に近い感じだが、それでも全体的に薄暗く、このテストでは3枚ともキレイとは言い難い。引き分けだ。

暗所撮影では再びAndroid One S3がキレイ!

 さらに暗所撮影。被写体の明るさを150ルクス程度に設定(オフィスの明るさとしては暗め)し、フラッシュやライトを使わずにオートで撮影、その画像を比べている。

MONO

Qua phone QZ

Android One S3

 暗所撮影は3機種とも明るめに撮れている。特に明るくキレイに感じるのはAndroid One S3だ。現実と比べれば明る過ぎるものの、それぞれの色もわかりやすく、アヒルの人形の汚れも感じにくい。

 逆にアヒルの人形の汚れを感じてしまうのがQua phone QZで、3枚のなかで一番暗め。ただ現実には近い。MONOはバランスが取れており、画面内で大きいスペースを占める背景や床が明るめに撮れているため明るい印象を強めている。ただアヒルの人形の明るさをより重視。Android One S3がリードしていると判断した。

インカメラで暗所撮影は3機種ともやや厳しめ……

 インカメラでも暗所撮影を行った。こちらはシーラカンスの人形を加えている。

MONO

Qua phone QZ

Android One S3

 引き続きMONOは左右反転だが、その点は評価から除く。そのMONOは明る過ぎて暗所とは思えない。被写体との距離もあるのだろうが、後光が差すように撮れてしまった。

 逆に暗いのは今回もQua phone QZで、シーラカンスの人形はエラの模様も潰れて見えない。暗所らしい1枚ではあるので雰囲気は出ているのだが。

 Android One S3はアヒルの人形の唇に強い違和感がある。オレンジ色が濃過ぎるのだ。他の部分はバランスとれてキレイなだけに惜しいが、インカメラは暗所撮影でも引き分けと判断した。

3機種とも機能少なめシンプルなカメラ

 最後に各機種のカメラにある独自機能や面白い機能を紹介したい……のだが、3機種とも機能はシンプル、あまり独自性は見られない。

 MONOは上級者向けにマニュアル撮影を用意、露出やピント位置をロングタッチで調整するUIで、独自性を感じられる。通常のエフェクトのほか、オーバーレイと呼ぶ独自の加工もあり、2枚の画像を重ねたように合成、さらに背景が選択できるので、撮り方によっては幻想的な1枚、面白い1枚が撮れるだろう。

 他にスローモーション、長時間露光、タイムラプス、美肌加工といった撮影モードがあり、3機種のなかでは若干機能が多い。

スマホ初心者がメインターゲットのMONOだが、マニュアルモードも用意。撮影モードも6つが用意されている

 Qua phone QZは画面内のアイコンや文字が大きく、わかりやすいUIだ。マニュアル撮影もあるが初心者でも扱いやすそう。また画面内のアイコンの位置といったレイアウト変更が可能だ。撮影モードはエフェクト、タイムラプス、夜景、スポーツ程度。

 とはいえ、カメラには長押しで連写できるほか、インカメラではシャッターボタンのワンタップでは3カウントのタイマー撮影、ダブルタップで通常撮影と一工夫がある。

大きなアイコンでわかりやすいUIが採用されている

 3機種で最もシンプルなのがAndroid One S3だ。通常のカメラ、動画、あとは設定くらい。その設定内も目立つ項目はHDRだけ。カメラ画面右側にスライドすると編集機能が起動し、そちらで画像の加工はできるものの、基本的にはPlayストアから他のカメラアプリをインストールすることが前提なのだろう。

エフェクトや編集機能など、ごく基本的な機能だけが用意されている


アプリ追加前提だがAndroid One S3の勝ち!

 今回は結果に割と差が出た。ただし、すべてのテストで圧倒する機種は無し。カメラのスピードならMONO。画像がキレイな機種はAndroid One S3、設定のわかりやすさではQua phone QZだ。

 筆者はAndroid One S3がリードと判断。機能、設定はシンプル過ぎるもののアプリ次第でなんとかなる(はず)。明るくキレイな1枚が撮れることを最も重視した。

 次回は最後のスタミナ比較。スペックだけではそれほど期待できないのだが、スタミナをアピールする機種もあるだけに意外な結果が出るか、お楽しみに。


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