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【役に立つ自作PC知識】APUは27ヵ月油に沈めておいても動作する

2018年04月23日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII編集部

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油にPCをまるごと浸けて冷却する
いわゆる液浸冷却を実践

 アスキー編集部には、2016年1月からキャノーラ油に浸かっているAPUがある。実際に長期間油没させた場合、どこにダメージが出るのかを見るためだ。

 これは単純に加速試験のやりようがないのと、そもそもやっているところが国立情報学研究所・鯉渕研究室やHPC方面くらいであり、しれっとASCII.jpの油没関連記事もITUジャーナルで先行事例扱いになっていたくらい、まだまだ事例は少なく、おもしろいから様子を見ようというわけだ。

 とはいえ、デモで液浸沸騰冷却が行なわれたりはしているので、何かしらで液体に沈んだPCを見た読者は多いハズだ。

アスキーの油没APU実験機2017年バージョン

 油に沈んでいるAPUはAMDの「A10-6800K」。2016年7月の第1期起動試験をクリアし、2017年1月の第2期起動試験で、どうもDDR3メモリーがダメであった可能性があり、仕切り直しとしてASRock製マザー「A88M-ITX/ac」を用意し、メモリーも新調し、ついでにプラスティディップでコーティングを施した

 それが2017年1月から2018年4月まで油のなかにあり、編集部の引っ越しのおり、「なんだっけ、これ?」と倉庫の奥から発掘されたので起動テストを実施した次第だ。

 なお、学術的に油没冷却は直接油冷に属し、この表記ルールで行くと、いわゆる自作PCにおける水冷クーラーは間接水冷になる。もっとも、筆者が担当する原稿内でしか機能していない住み分けだが。

発掘された油没実験機。14ヵ月前に油を注いだままの状態だ

2017年1月に注がれたキャノーラ油は10リットル

 結論からいえば、何事もなく起動した。油に浸かっていたのは、マザーボードとメモリーとAPU。後は水槽の外という仕様だ。よって、マザーモードとメモリーは1年程度であれば問題なく、またAPUに至っては27ヵ月ほど油の中にあってもOKという結果を得られた。APUが27ヵ月をクリアしていることを考えると、メモリーもマザーボードもクリアしそうではある。

これは2017年02月、油に沈める直前のASRock製マザー「A88M-ITX/ac」。プラスティディップというゴムコーティングでマザーを油から保護している

14ヵ月経った2018年4月に電源を入れてもあっさり起動した。オイルが劣化しているはずだが、冷却性能にさほど変化はなかった

 ただダメージは確認できた。CPUクーラーのファンが回転しなくなっていたのと、Wi-Fiの接続がひどく怪しくなっていたほか、プラスティディップのコーティングもだいぶ剥がれていた。しかし、動作したことからするとプラスティディップでコーティングする必要はないともいえる。

やっぱり剥がれていたプラスティディップ。底に沈んでいる黒いカスがそれだ

CPUクーラーは活動を停止。ピクリとも動かない

Wi-Fiの接続も不安定に。アンテナ内部に油が浸透して、初期時よりも減衰するようになったからだろうか(アンテナを外に出しておけばよかったような気もする)

 キャノーラ油の冷却性能は落ちておらず、OCCTを30分実行しても、54度前後をキープと良好なままだった。匂いが不安だったが、液体を動かさなければクサくなく、また毛細血管現象によってケーブルが油を吸い上げギトギトしてツライということもなかった。

直上に設置したのもあってか、ケーブル類に変化はなかった

OCCTを30分実行しても、APUの温度は54度前後をキープしていた

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