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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない-第124回

ハンヴィーのちょっと特殊な足廻りと駆動系をメンテナンスします

2018年04月22日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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撮影後に整備をしてもらえることになりました

 先日、ハンヴィーを1週間ほどメンテナンスに出しました。昨年末にオイルフィルターのアダプターにヒビが入って修理に出したばかりで、なんだかしょっちゅうメンテナンスしてる気がしないでもないですが、今回は特別。とある撮影に貸し出した際、撮影後に各部のチェックとオイル&フィルター交換をしていただけることになったのです。しかも、結構走らせるため、足廻りに関して不具合が出たときは修理してもらえるとのことでした。修理代があまりに高い場合は要相談となるでしょうけれど、基本の費用は安心の先方持ち! 断る理由なんて何ひとつありません。

 メンテナンスはいつものスカイオートにて。定期点検整備と同じチェックに加えて、ラジエーター耐圧テストとタイヤ空気圧点検をしてもらいました。定期点検の項目は以下のとおりです。

1.エンジン本体・エンジン付属品点検
2.ブレーキ廻り点検
3.ハンドル廻り点検
4.ミッション関係点検
5.サスペンションおよびボディー下廻り点検
6.ライト関係装置点検

 点検の結果、これはヤバい! というような致命的な故障はなかったので一安心です。

ハンヴィーの独特な足廻り

 チェックを無事切り抜けたら次はオイル交換です。ハンヴィーのブレーキは油圧式のディスクブレーキなので、まずはブレーキフルードから。

 オイルと言っておいていきなりフルードってなにそれ? と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、オイルはエンジンオイルのような滑りを良くするための潤滑油を指し、フルードは油圧で何かを動作させるための作動油という感じです。ブレーキフルードはブレーキオイルとも呼ばれますが、ワタシは潤滑油と区別するためフルードと呼んでいます。

 ちなみにハンヴィーのブレーキは付いている場所がちょっと変わっています。普通のクルマはタイヤホイールを外すとディスクが見えるのに、そこには何もありません。また、タイヤを回転させるドライブシャフトの取り付け位置も変わっていて、ど真ん中から上にズレています。

ホイールを外すと普通はブレーキのディスクローターがあるんですが、ハンヴィーにはありません
蛇腹のブーツがついているのがドライブシャフト。ホイールの真ん中よりだいぶ上に付いています

 このズレはハブリダクションという機構で、持ち上げられたドライブシャフトとホイールはギアでつながっています。普通よりシャフトが上にあるぶん車体を持ち上げて最低地上高を稼ぐことができ、さらにギア比を1:1から変更することで、この部分で減速&トルクアップを図ることが可能です。

 ハンヴィーのようなオフロードでの使用を前提としたクルマには向いているんですが、ここで問題になるのがブレーキの取り付け場所。ハブリダクションのギアボックスが邪魔になり、ブレーキを設置するスペースがありません。どうやって解決しているかというと、なんと車体の中央部分にあるデフのところにあるのです。

 端に付けられないなら真ん中に付ければいいじゃないということですね。これはインボードブレーキと呼ばれ、ハンドリングが向上したり大きいディスクローターが使えたり冷却効率が良かったりして昔はF1なんかでも採用されていたんですが、仕組みが複雑で整備性が悪く、コストもかかってしまうのですっかりマイナーな存在になってしまいました。

 ブレーキの機構自体は普通のディスクブレーキとまったく同じで、ブレーキペダルを踏むと油圧でピストンが動き、ドライブシャフトと一緒に回転しているディスクローターにブレーキパッドが押し付けられて制動がかかります。

車体中央のデフの両側にブレーキのディスクローターとキャリパーが見えます。機構は普通のディスクブレーキです

 ブレーキフルードはマニュアルでBrake Fluid Silicone (BFS)という指定がされています。これは主成分がシリコンのブレーキフルードという意味で、アメリカの規格で言えばDOT5というのがそれに当たります。DOTは現在3、4、5.1、5とあり、DOT5以外のブレーキフルードの主成分はグリコール。シリコン系とグリコール系が混ざると分離したりシール類がダメージを負ったりするので、ハンヴィーではDOT5以外を使用することはできません。

 DOTは数字が高いほど沸点が高くなっていて、ブレーキが熱くなっても沸騰しにくくなっています。沸騰して気化すると配管内に気泡ができてしまい、いくらブレーキをかけても気泡が圧縮されるばかりで圧力が伝わらず、ブレーキが効かなくなってしまいます。DOT5ではそういうトラブルが起こりにくいということになりますが、シリコン系という特殊な成分のため、一部のレース車両や軍用車両でしか使われていないそうです。ただ現在ではDOT5をクリアできるグリコール系も開発されたそうで、混用しないようにDOT5.1と呼ばれているとのことです。

 ブレーキフルードを交換するときも、沸騰と同じように気泡が入ってしまうとブレーキが効かなくなってしまいます。そのため交換時にはエア抜きと呼ばれる作業が必要になります。

ブレーキフルードのエア抜き

 交換を自分でやったことがないので確かなことは言えませんが、基本は各ブレーキから古いフルードを抜きつつ、タンクから新しいフルードを追加するという感じです。エアコンプレッサーを使って負圧でフルードを吸い出すという、エア抜き専用ツールがあるそうです。

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