いまや日本国内で志願者数も学生数もナンバーワンとなった近畿大学。首都圏や関西の有名大学の滑り止めというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、それはひと昔前の話です。
近畿大学水産研究所の近大マグロや英会話学校のベルリッツと組んで強制的に英語を叩き込まれるうえに海外留学までさせられる国際学部など、さまざまな取り組みがメディアに取り上げられたことで知名度が急上昇。現在では近畿大学で学びたいという学生が増えているとのこと。そんな近畿大学の生協がMacBookシリーズを推奨PCとして新入生に販売するということを聞きつけて、関係者に話を聞いてきました。
取材したのは大阪・東大阪市にある近畿大学のメインキャンパス。キャンパスに足を踏み入れてびっくりしたのは「ここは新設大学か?」というほど建物が新しいこと。関係者に話を聞いたところ、東大阪のキャンパスの土地を拡張するのは限界に達しており、学生数の急増に対応するために古い建物を壊して新たに高層の建物を建築しまくっているとのこと。なんと少子高齢化の現在でも学生数が増え続けており、絶賛建設中の建物もありました。ちなみに近大は東大阪のほか、広島に工学部、大阪・狭山市に医学部、奈良に農学部のキャンパスがあります。
取材日はちょうど、4月に入学する新入生向けのオリエンテーションの日で、多くの新入生と親御さんがキャンパスに訪れていました。いまは親がくるのは当たり前なんだそう。会場の一角に生協推奨PCの相談コーナーが設けられており、13インチのTouch BarなしMacBook Proと12インチMacBookが展示されていました。大学生協推奨PCとしてはもはやおなじみのマシンですね。
もちろん、MacBookと2大勢力になっている、パナソニックのLet's note SZ6もありました。意外だったのは、富士通のLIFEBOOK UH90が推奨PCに含まれていたこと。アップルとパナソニックの2強状態を打ち破るべく、良コスパでサポートを充実させたモデルを投入して攻勢をかけているようです。
近大生協の場合、プログラミングのガチな講義がある一部の学部を除いて、学生が使うパソコンは「MacでもWindowsマシンでもいい」という緩いルールです。BYOD(Bring Your Own Device)という言葉とともに推奨PCを展示しており、決めるのはあくまでも学生というスタンス。会場では、新入生に向けて有志の学生がPCの必要性について経験を基にした具体的な事例を交えて説明したのが印象的でした。
さて、大学生協の推奨PCが量販店で販売されているPCと最も大きく異なるのは、そのサポート体制。大学生協推奨PCの場合、4年間の手厚いサポートが標準で付くのが特徴です。アップルでいうところのApple Careみたいな保証で、さまざまなハードウェアトラブルを無償もしくは少ない修理代で対応してくれます。13インチMacBook Pro用のApple Careだと、プラス税別2万5800円を支払うことで保証期間は3年に延びますが、近大の生協推奨PCとして販売されている同モデルだと自動的にメーカー保証が4年となり、通常の自然故障の場合はこの期間の修理代金は無償です。
4年間の動産保証も付帯しており、MacBook Proの場合だと免責額が5000円で、1年目は15万円、2年目は12万円、3年目は10万円、4年目は6万円の保証限度額が設定されています。不注意でキーボードの上に飲み物をこぼしたり、地面に落としてしまったりしても、前述の保証限度額を超えなければ自己負担金はずっと5000円です。
さらに有償の「近パソサポートパック」に加入すると、修理時の代替機の貸し出しやOSのバックアップやアップデート、アプリの各種設定などの面倒な作業まで専門スタッフに無償で任せられます。
この手厚い4年間サポートなどはほかの大学生協でも提供していますが、近大生協がほかと違うのはMacのアップグレードプログラムを用意している点です。具体的には、本体価格を月々の分割払いで支払いつつ、2年後に新しいマシンへ安価に乗り換えられるというプログラム。2年後に分割支払いの残債を払ってマシンを買い取るか、残債を払わずに新しいマシンに交換することを選べるのです。
どこかで聞いたサービスだとなと思ったら、近大の大学生協がソフマップと組んで提供しているサービスなんだそう。つまり、ビックカメラやソフマップが一般ユーザー向けに提供している同様のプログラムを大学生協で使えるというわけです。大学生協と家電量販店が連携するというのも珍しい話ですね。
さらに近大生協では、大学生協としては珍しく大学キャンパス外に店舗を構え、推奨PCのサポートカウンターまで設置するという力の入れようです。サポートカウンターでは、Macはもちろん、Let's noteやLIFEBOOKについても相談できるのですが、こちらもソフマップと連携しているだけあって、アップルの認定プロバイダーのようなインテリアで統一されていました。
さて、取材のあと近畿大学のキャンパスを案内してもらいましたが、24時間利用できるうえセキュリティーカードで入室する自習室や、蔦屋書店のように分野ごとに陳列されている図書館など、とにかく施設の充実度がすごいと感じました。
近大マグロや、ベルリッツと連携したスパルタ教育な国際学部など話題に事欠かない近畿大学。生協だけでなく、キャンパスもスゴイということを思い知らされました。
お詫びと訂正:近畿大学生協の店長のお名前に間違いがありました。お詫びして訂正いたします(3月29日11:30)。