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本作のイェーガーとKAIJUはそれぞれ特殊能力を持つ

溢れ出るロボ&怪獣愛「パシフィック・リム:アップライジング」監督インタビュー

2017年12月20日 17時00分更新

文● 八尋/ASCII

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「パシフィック・リム:アップライジング」のスティーヴン・S・デナイト監督にインタビュー

 巨大生命体「KAIJU」と人類が開発した人型兵器「イェーガー」が壮絶な戦いを繰り広げる大ヒットSF映画「パシフィック・リム」。その続編となる「パシフィック・リム:アップライジング」が、2018年4月に公開される。前作のギレルモ・デル・トロ監督は製作として引き続き参加し、新たにスティーヴン・S・デナイト監督がメガホンを取る。

 マーベル作品「デアデビル」のショーランナーを務めたデナイト監督だが、長編映画作品は今回が初。ロボット愛や怪獣愛にあふれる「パシフィック・リム」シリーズに相応しい人物としてデル・トロ氏が選んだ“デル・トロが認める超オタク監督”だという。

 「パシフィック・リム」といえば、日本の特撮やアニメのスピリッツを存分に味わえる作品で、イェーガーや怪獣の凝ったデザインや設定にテンションが上がった人も少なくないだろう。カッコイイロボットが怪獣をぶん殴る、その単純明快な戦いだけでもアドレナリンがマックスになる「パシフィック・リム」だが、「パシフィック・リム:アップライジング」の予告編には、新たなイェーガーとKAIJUの姿がちらっと映っている。果たして、前作から10年後の世界が舞台の本作ではどう進化しているのだろうか。今から楽しみで仕方がない。


 そして今回、デナイト監督に直接インタビューできたので、本作でのイェーガーやKAIJUへのこだわりなどを聞いてきた。

イェーガーもKAIJUも月日が経った分進化している

インタビュー部屋にはイェーガーとKAIJUのフィギュアがあり、お気に入りのご様子だった

ーーよろしくお願いします。まず、今回は巨大なセットを使って大変だった撮影が多かったと思うのですが、そんな中楽しかった出来事やエピソードはありますか?

スティーヴン・S・デナイト監督(以下、デナイト監督):大変な出来事じゃなくて楽しかった出来事か。そうだね……、本作に出演してくれているジョン・ボイエガは生命力に溢れていて、ユーモアもある人物なので、みんなが楽しくなってしまうよね。あと、学者コンビのニュートン(チャーリー・デイさん)とハーマン(バーン・ゴーマンさん)は超面白くて、彼らといるときは笑ってしまうことが多かったね。

劇中でのジョン・ボイエガの熱演に注目!

ーー学者コンビ大好きです! 今回も登場シーンはたくさんあると期待していいですか?

デナイト監督:かなりあるとおもうよ! 監督をオファーされたときから、前作から引き継ぐ部分として重要だと意識していたからね。彼らを観ていて楽しいのが、ケンカばっかりしているけど、お互いを愛しているところだよね。一番の親友で本当は仲がいい。本作では、この友情の部分を掘り下げようと思ったんだ。

ーー撮影中に印象深かった出来事はありますか?

デナイト監督:この瞬間! というのは難しいけど、撮影を取り終えた最終日あたりは印象深かったね。最終日は、初めての映画出演という役者さんも多い、若いパイロット候補生のシーンを撮影していたんだ。終わったとき、スタッフたちとここまで大きな作品をつくれたということで、胸に迫るものはあったよ。


ーー前作で色々なイェーガーが登場しましたが、新しいイェーガーはどう進化しているのでしょうか

デナイト監督:「パシフィック・リム:アップライジング」は、前作から10年たった後の世界という設定で、月日がたった分テクノロジーは進歩しているんだ。本作に登場する「ジプシー・アベンジャー」は、前作に登場した「ジプシー・デンジャー」の後継機だから、デザインは似ていて、チェーンソードやプラズマキャスターも持ち合わせているよ。

 また、新たにすべてのイェーガーやKAIJUがそれぞれ固有の特殊能力を持っているんだ。ビデオゲームでYボタンを押すと発動するみたいにね。例えば、予告に登場した「ブレイサー・フェニックス」というイェーガーは、普通の戦闘時に搭乗しているところからお腹の部分に降りて行ったら銃座があって、銃を操れるという能力があったり、「セイバー・アテナ」はツインブレードが1つに合体するし、「ガーディアン・ブラボー」はアークホイップという鞭を使うんだ。

イェーガーはそれぞれ特殊能力を持っているという

ーーこの新たなイェーガーをデザインするときに、特にこだわった部分はありますか?

デナイト監督:イェーガーのデザインや武器は、一目見たらすぐに区別できるように設計することにはこだわったかな。

イェーガーは外観だけでなく機体の内部もカッコイイですよね。新世代のイェーガーはどのようになっていますか?

デナイト監督:パイロットたちがいるコムポッドは、10年という時間をかけてどう進化したのだろうという観点からアプローチしたんだ。前作のイェーガーの腕をケーブルでつないで、足を固定してという設定は好きだったんだけど、それだと可動域が限定されてしまうんだよね。今回はマーシャルアーツ戦をさせたいなと思って、それだとパイロットのインターフェースから変えなくてはいけないと考えたんだ。

 今回のイェーガーは、首の後ろがケーブルとつながっていて、床が電磁式なので、床が消えて浮遊した状態みたいな感じで操作できる。これによって、前回できなかった回し蹴りのような動作も可能になっているんだ。役者さんのアクションも増えるしね。

今回のイェーガーは内部のインターフェースも進化している

ーーイェーガーの内部をデザインするにあたって、参考にした作品はありますか?

デナイト監督:例えば、J・J・エイブラムス版の「スター・トレック」に登場するエンタープライズ号などからの影響はあると思うよ。よりSFっぽくなっているからね。

ーーでは、KAIJUへのこだわりも教えてください

デナイト監督:KAIJUもイェーガーと同じコンセプトで、10年の間に割れ目の向こうで異星人たちもアップグレードしてくるだろうということで、地球の攻撃のために長い時間をかけて準備したんだろうなというのがわかるデザインや設定にしたんだ。予告には出てきてないけど、KAIJUたちもそれぞれ特殊能力を持っているよ。

ウルトラマンのストーリーすべてが好き

ーー監督はデル・トロ監督と同じくらいメカなどに詳しいとお聞きしていますが、メカや怪獣が登場するジャンルで印象深い作品を教えてください。

デナイト監督:ウルトラマンだね。ストーリーのすべてが好きで、最初にテレビ放映で出会ったのもウルトラマンなんだ。ハヤタ隊員が命を落としそうになったときにウルトラマンが命を分け与えて一心同体になるっていうのは、ステキな物語だよね。怪獣はキングギドラかな! 異星人が滅ぼすために送り込むという設定は、子供の頃でも今でもワクワクするよね。

ーー日本だと、中には可愛くて人気の高い怪獣もいますが、前作のKAIJUはとても怖かった印象があります。本作ではどんな感じでしょうか。

デナイト監督:怖さや脅威を感じさせつつも、小さな子供が観ても怖すぎず気持ちが行くようなバランスを大切にしようと考えたんだ。子供の頃に観たウルトラマンやマグマ大使、ゴジラなどでも、敵役に感情移入して観ることが多かったからね。あと、前作でKAIJUが登場するシーンはほとんど雨が降っていたりと暗かったんだけど、本作はほとんど白昼の戦いなので、印象は和らぐかもしれないよ。

ーー最近VRが流行っていて、イェーガーが操作してみたいなと思います。もしそういうゲームが登場したらやってみたいですか? また、好きなゲームもあれば教えてください。

デナイト監督:もちろん、パイロットも体験してみたいし、KAIJUも操作できるのであれば最高だね。ゲームは「Halo」シリーズが登場した当初に新しいと感じて、それ以来ずっとプレーしてるよ。また、第三者視点のアクションアドベンチャーで質のいい作品は全部好きだね。スター・ウォーズのゲームもほとんど遊んだかな。今は映画が忙しくてできていないけど、「Star Wars バトルフロント II」ははやくプレーしたいよ。

VRと同じように、「aibo」のようなロボットの時代も来ています。監督は将来ロボットがほしいと思いますか?

デナイト監督:それは是非ほしいと思うよ。それこそまさに今のテクノロジーが向かっている方向だからね。最近、4つ足で後ろにバク転するロボットを作ったアメリカの会社が開発した新しいロボットの映像をみたんだけど、あれはスゴイね。ロボットが家事をするくらいテクノロジーが進んだ時代まで生きていたいと思うよ。あとはまあ、誰だってR2-D2やC-3POはほしいと思うよね!

ーーありがとうございました

 パシフィック・リム:アップライジングは、2018年4月に公開予定。前作から10年経った世界を描く本作で、イェーガーは、KAIJUはどんな進化を遂げているのか、いったいどんな戦いが繰り広げられるのか、ぜひ劇場に足を運んで、その目で確かめてほしい。

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