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忘新年会が1人3000円で済む「宴会の穴場」とは

2017年12月18日 06時00分更新

文● 松崎のり子(ダイヤモンド・オンライン

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最近のカラオケは酒も料理も値段が安めの居酒屋と遜色なく、「忘年会コース」を設定しているところもあるようだ(写真はイメージです)

 この時期、毎晩宴会続きで「酒の話は読みたくない」という人にはお目汚しだが、ちょっと心配なニュースを目にした。どうも居酒屋の景気が良くないというのだ。

 その根拠たる所以は、経済産業省(以下、経産省)が発信している「経済解析室ニュース」の「フード・ビジネス・インデックス(FBI)(*)」にあった飲食サービス業指数(2017年11月28日)に注目したからだ。

 この指数は2010年を100とした場合の数値で表しているが、飲食業界全体では、2017年は第3四半期(7-9月期)までの推移を見るに「まあまあ」ということらしい。2017年第3四半期は103.5。前期比より-0.2%と若干低下したものの、2016年と比較すると高水準を維持している。

 私たちの身近な飲食業に関しては、めでたく景気回復は実感されているということだろうか。

 では、いろいろある飲食業態のうちどこが儲かっていて、どこが儲かっていないかというと、なんと「パブレストラン、居酒屋」が一人負けの模様なのだ。

居酒屋は飲食業界の負け組、
さて忘年会はどうなる?

 好調な順から挙げていくと、「ファーストフード店及び飲食サービス業」「食堂、レストラン、専門店」「喫茶店」などの他業態の指数は軒並み100を超えているのに、「パブレストラン、居酒屋」だけが73.3と、最低値を更新してしまった。

 前言撤回、私たちが仕事の憂さを晴らす居酒屋では、未だ景気回復の実感はなかった。

 経産省にまで「是非、今年の年末はクリスマス・パーティーや忘年会で、飲食サービス業が盛り上がって欲しいものです」と文章を締め括られてしまっている。

 では、実際に盛り上がっているかについて、別の調査を見てみよう。

*第3次産業活動指数や鉱工業生産指数等のデータから、飲食料品関連のデータを集め、飲食関連産業の動向を指標化したもの

 リクルートライフスタイル「ホットペッパーグルメ外食総研」が12月8日に発表した今シーズン(2017年12月~2018年1月)の忘新年会の動向調査によると、忘新年会の参加予定回数の見込みは「昨年と変わらない」が79.4%で最多だという。ちなみに前シーズン(2016年12月~2017年1月)の忘新年会の参加回数平均は、忘年会1.16回、新年会0.68回だそうで、案外少ない(首都圏・関西圏・東海圏合計)。会社員なら職場と取引先を1回ずつ、で終わるような数字だ。これだけを見ると、経産省の期待には応えられそうにない。

 次に予算。想定予算額では、1回あたり「5000円~6000円未満」(3圏域計29.2%)と「3000円~4000円未満」(同25.6%)が2つの山だが、首都圏だけでは「5000~6000円未満」が3割を超えている。逆に関西では「3000~4000円未満」が若干多い。忘年会を行う相手は、「会社・仕事関係」が43.5%でトップ、次に「友人・知人関係」が37.9%と続く。この調査結果を乱暴に当てはめれば、会社関係は予算5000円プラスアルファ、友人知人とは4000円までといったところかもしれない。

 いろいろある業種のうち、コスパのいい宴会をどこでやれば満足できるのか。まずは飲み放題付き3000円までの条件で考えてみた。

安い宴会は
居酒屋だけではない

 居酒屋は、どこもデフレとレッドオーシャン(激しい競争が行われている市場)の真っただ中にいる。以下は別の業態の宴会コースに注目してみた(なお、以下に出てくるメニュー内容や価格は店舗により異なるところもあること、ご了承いただきたい)。

 まず、コーヒーチェーンの「プロント」では飲み放題がセットできるパーティプランの予約ができる。もっともスタンダードなコース(料理のみ)は、生ハムにパンチェッタ、シーザーサラダ、チキン&フィッシュなどにポップコーンの食べ放題、さらにお腹に溜まるピザとパスタを含む全7品がついて1980円。飲み放題プランはなんと980円からあり、しかもザ・プレミアムモルツも含まれている。スタンダードコースに飲み放題をセットにすれば2960円。3000円払って40円のおつりがくるというわけだ(以上すべて税込)。

 それでボリュームが足りるのかという疑問も出てくるだろう。筆者はこのコースでの集まりに参加したことがあるが、10人近い宴会で男女ほぼ半々だったにもかかわらず、料理が結構余ったことを覚えている。また、居酒屋宴会とは違い、他はすべてコーヒーをたしなむ客ばかりだったため、騒々しさや酔客とは無縁の穏やかな会ができた。プロントのHPによると、パーティ予約ができる店舗は全国で202店中201店(2017年12月11日時点)。ほぼ全店で可能だ。

 また、ファミレスのぺーティプランもお手頃だ。ジョナサンの「カジュアルプラン」は料理4品にデザート・ドリンクバー付きで1500円。2時間飲み放題セット(生ビール、ハイボール、ワイン、サングリア)は1400円なので、これをセットするとトータルで2900円。お酒は乾杯だけでいいという女子会向けには、料理5品にチョコフォンデュ・ドリンクバー付き1400円コースに、乾杯用アルコール(グラス生ビール、ハイボール、グラスワイン)200円をつければもっと安くなる(以上すべて税込)。

 バーミヤンの中華「お気軽コース」は2人分2998円で、全7品。1名追加ごとに1499円、プラス999円で100分間飲み放題(生ビール、ハイボール、紹興酒、ワインなど10種)がつけられる。100分間限定なので宴会にはちょっと尺が足りないが、1人1699円で「火鍋しゃぶしゃぶ食べ放題」コースもあり、牛・豚・鶏に加え水餃子やワンタン・肉団子も食べ放題。これに、先ほどと同じ999円で飲み放題をセットにできるから、しめて2698円で済む(以上すべて税別)。

 宴会専用コースがないとしても、そもそもファミレスはアルコールが安いのだ。ビール(スタンダードなサイズ)は、サイゼリヤ369円、ジョイフル399円、デニーズ399円、ジョナサンは499円(2杯目以降は100円引き)。ワインはガスト99円、サイゼリヤ93円、バーミヤン100円。ハイボールはジョイフル299円、他はおおむね345~399円。ちなみにサイゼリヤのボトルワインは、飲み残しを持ち帰ることもできる(以上すべて税別)。

 宴会に求めるものは人ぞれぞれだが、幹事が最も恐れるのは「値段の割にしょぼかった」と言われることだ。普段利用しているカフェやファミレスは味の上では大きなハズレはない。気の置けない知人たちと3000円を切る飲み放題付き宴会をやりたいなら、選択肢の1つに入れてもいいのではないだろうか。

気兼ねせず騒ぎたいのに
個室が取れない悩みには……

 幹事が頭を痛めるものの一つに、個室問題がある。周囲に気兼ねなく飲みたいが、この時期はちょうどいい大きさの個室が取れないことも多い。コースの価格を安く抑えても個室料金が高いのは困るだろう。そういう時は、全室個室化されていて、大声を出しても誰も気にしない「カラオケ」を選択する方法もある。

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 カラオケは二次会利用だけではない。単に手頃なサイズの個室を借りて宴会をするという使い方でもよく、何も歌う必要もない。筆者も一度8人程度の忘年会をしたことがあった。3時間在室したが、BGMとして音楽を流していただけで最後まで誰もただの一曲も歌わなかった(もちろん、別に好きな人は歌ってもいいと思う)。

 最近のカラオケは酒も料理もイマドキの値段が安めの居酒屋と遜色なく、忘年会コースを設定しているチェーンもある。シダックスの忘年会コースは室料2時間込みで2800円から。飲み放題は別途1000円なので3000円は超えてしまうが、マイクもあるし、コスプレ衣装も借りられるし、実に忘年会向きではないか(以上、すべて税込)。

 なお、最近のカラオケでは昼間の個室を有効活用すべく、ビジネスプランにも力を入れ出しており、Wi-Fi完備、ドリンク付き、電源貸し出しのサービスもある。ミーティングをカラオケで行っているケースもあるようだし、筆者もインタビュー取材のために利用したこともある。カラオケの最大の強みである完全独立の個室は、発想を変えれば、様々なケースで使える穴場スペースともいえるのだ。

 前述の経済解析室ニュースでは、アルコール離れについても触れている。居酒屋の盛り下がりの原因の一端は、そこにもあるのではないかとの分析だ。今回ご紹介した場所は、あまり酒を好まず、雑然とした酒席の雰囲気が苦手という人も参加しやすいという面もある。飲み過ぎない、節度ある宴会を目指すなら、会場候補の1つに加えてみてはどうだろうか。

(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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