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中国と日本がサッカーで主導権争い…アジア五輪「ゲーム」競技で

2017年11月29日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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「ウイニングイレブン」のeスポーツ世界選手権では、半年かけて予選が行われ、世界に動画配信された

 最近、ゲーム業界で成長の柱として注目されているのが「eスポーツ」だ。

 シューティングや格闘技など対戦型のゲームを実際のスポーツのように観戦するもので、決勝戦ともなれば大きなホールや体育館で派手な照明に実況中継が付き、プロレスさながらだ。

 実は、日本ではあまり知られていないが、2022年に中国・杭州で開かれるスポーツの祭典、アジア大会(アジア五輪とも呼ばれる)で、eスポーツが正式競技として認められたのだ。

 その結果、ゲーム業界がざわついている。アジア大会でのゲームの種類や試合の方法はまったく決まっていないが、市場拡大が加速するのは間違いなく、すでに主導権争いが始まっているのだ。

 現状、eスポーツで先行するのは米国、中国、韓国だが、それらの国のゲーム会社は世界中でeスポーツのイベントを実施し、アピール合戦を繰り広げている。

 ある米国人のイベント関係者は、「アジア大会での採用のため、そうしたアピール合戦は、ますます派手になるだろう」と予測する。

 中国にとっては、自国のオンラインゲームを世界標準にするチャンスでもある。新興国では、ゲーム専用機よりもオンラインゲームの方が普及しやすいという背景があり、専用機のシェアを持たない中国にもチャンスがあるからだ。

巻き返しはできるか

 日本勢は出遅れているが巻き返すチャンスはあるのだろうか。

 一つの可能性は将来のオリンピック。国際オリンピック委員会(IOC)は10月の会合でeスポーツを議題にしたが、「五輪では、シューティングゲームは戦争を想起させふさわしくないとの声が上がるかもしれない」(欧州系イベント会社幹部)といわれている。

 そこに目を付けているのがコナミデジタルエンタテインメントだ。同社はサッカーゲームの「ウイニングイレブン」シリーズで累計9880万本を販売している。UEFA(欧州サッカー連盟)と組み、eスポーツ選手権を開催するとともに、eスポーツの運営企業であるeフットボール・プロとの提携も決めた。

 同社の創設者はFCバルセロナのピケ選手だ。プレイステーション4向けゲームはプロのサッカー選手も遊ぶほどで、何とか商機につなげたいところだ。

 もちろんそこにはライバルがいる。世界大手のゲームソフト会社、米エレクトロニック・アーツ(EA)はFIFA(国際サッカー連盟)と提携している。FIFA自体もeスポーツに熱心だ。

 これまでも国内では「ストリート・ファイター」などのゲームで競う、ソフトメーカーが主催するリアルの対戦ゲーム大会があったが、どちらかといえばファンサービスのイベントだった。今度は世界全体で成功させることができるだろうか。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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