「LIFEBOOK WU2/B3」は、富士通の直販サイト「富士通WEB MART」で販売されている13.3型ノートパソコンだ。
およそ幅309×奥行き212.5×厚さ15.5mmというコンパクトなサイズで、重さも約790gと超軽量なのが大きな特徴だ。
基本的には、従来モデル「WU2/B1」シリーズのマイナーアップデートモデルという位置付け。目に見える大きな変化はないのだが、細かな点をブラッシュアップし、より使い勝手を高めている。今回は、LIFEBOOK WU2/B3になってアップデートされた箇所や、使用感を中心にまとめたい。
軽すぎるモバイルノート
LIFEBOOK WU2/B3は従来モデルと比べ、強度に影響がない範囲で筐体カバーの肉抜き加工を追加し、従来比約5%の軽量化を実現。
また、標準バッテリーを支える樹脂フレーム設計を見直し、同強度のまま従来比で約7%の軽量化を実現している。約7%、数十グラムという重量は小さな数字に思えるが、持ち運ぶ場合の多いモバイルノートでは、非常に大きな数字になる。
事実、2017年春モデルのUH90世代でも手に持った時に「明らかに軽い」という感触があったが、このLIFEBOOK WU2/B3では、さらに軽く、中身が入っていないモックアップを触っているような気分になる。
たわみにも強く、壊れにくい
UHシリーズは、従来からトップカバーにマグネシウムリチウム合金を採用しており、その堅牢性の高さも特徴のひとつだった。今回は、素材の材料組成を変更し、約25%ほど強度が高まっているという。
手にして感じられる明確な変化はないが、従来同様、硬度と同時に衝撃だけでなくたわみもすぐに受け流すような性質を持っており、かなり強くひねっても、割れたり、きしんだりすることなく、すぐに元の形状に戻った。
ひねりやたわみでなく、直線的な圧力に対しても強く反発し、へこむことがない。薄型のノートパソコンでは、内部の基盤やディスプレーなどのハードと、外装ケースのあいだに大きな隙間がなく、万一ケースがへこんでしまったりすると、それが直接致命的なダメージとなってしまうケースもある。
高硬度で、外部からの衝撃に強い素材をケースに採用している点は、LIFEBOOK WU2/B3の明確なメリットといえるだろう。マグネシウムリチウム合金は、プレス加工ができるという性質と、軽量で高い強度を実現できる点から、ノート用のケースとして採用しているメーカーがいくつか見受けられるようになった。しかし、素材を見直して、より軽量に、より強度を高めるという変更は、従来モデルから引き続き採用している富士通ならではだろう。
キーボードの打ち心地がアップ!
さらに指紋認証センサーも搭載
LIFEBOOK WU2/B3のキーボードの変化も見逃せないアップデートポイントだ。ストロークを、従来モデルの1.2mmから1.5mmへと3mm深くしている。前モデルも決して打ち心地が悪かったわけではないのだが、より心地よい打鍵感が得られるようになっていると感じた。
キーボードの改善は、キーストロークだけではない。フラットに近いトップ形状を採用していた前モデルに対し、LIFEBOOK WU2/B3では緩やかに、球面状にくぼんだ「球面シリンドリカル形状」のキートップを採用している。
これにより、打鍵時に指に吸い付くような使用感が得られ、より安定した文字入力を可能にしている、些細な差だが、長時間触っていると、「確かに打ったときの感触が違う」と感じられる。
キーボードの改善点はもうひとつある。それは、「入力を感知するタイミング」だ。従来モデルは、「キーを押し込んで、キーが底に到達したとき」に信号を発する仕組みになっている。つまり、押し込み切らないと入力ができない。ところが、LIFEBOOK WU2/B3ではキーを押し込んだ段階で入力をしたことになる。押し込んだ段階で入力としては成立しており、押し込み切らなくても信号が発せられるのだ。
これも些細な差に思えるが、実際に使ったときの違いは大きい。キーを押し込んだ段階で入力できるということは、1.5mmのストロークのうち、0.5mmでも、1mmでも、 1.5mm、つまり押し込み切ったときでも入力できるということになる。
長時間の入力をしていると、キーがそこにぶつかる際の反発により、徐々に指にダメージが蓄積されていくが、軽めのタイピングでも文字入力を受け付けてくれる仕様では、こうした「タイピング疲れ」も軽減できる。また、打鍵時の力加減や勢いは個人により大きな差があるので、この仕様は、様々な力によるタイピングで文字入力を受け付けるというユニバーサル的な発想からみても優れている。
ノートパソコンをキーボードの打ち心地で選択するという人がいるように、キーボードは、ノートにおいて最も重要な入力インターフェースであり、その使用感はノートの性能を評価する際の大きなポイントとなる。地味にも思えるが、実際に使ったときには差が感じられる部分を地道にアップデートするところに、富士通というパソコンメーカーの真面目な性質が現れているのではないだろうか。
また、指紋認証センサーを続投している点も見逃せない。「Windows Hello」によるパソコンへのログインや、パスワードの入力簡素化などは、なければないで問題ないのだが、一度使うと、なければわずらわしさを感じるようになる。これまでに生体認証を使ったことがないユーザーも、LIFEBOOK WU2/B3を入手したらぜひWindows Helloによるログインを試してみてほしい。また、デザイン的にも白い本体カラーに溶け込むようにさりげなく配置されており、自然である。
アーバンホワイトはさりげなく目立つ
本体カラーはアーバンホワイト、サテンレッド、ピクトブラック3色が用意されている。今回試用したアーバンホワイトは光沢感のある純白で、最近主流の、黄色味がかったオフホワイトや、薄っすらと輝きのあるパールホワイトとは異なり、まさに「真っ白」である。
わかりやすい例を挙げると、アップル製品のアダプターやケーブルのコネクター部のように、ほかの色味が混ざっていない白である。しかし、素材に色が付いているわけではなく、あくまでも塗装で表現しているため、なんともいえない上質感がある。
はっきりとした白い色味は、暗いデスクの上に置けばアクセントに、ガラスや白いデスクの上に置けば、周辺にうまく馴染むような印象になるだろう。最近ではゴールドやレッド、ブルーなど個性的な色のパソコンも増えたが、シンプルな色は飽きがきにくく、長い期間愛用しやすい。無駄がなく清涼感のあるデザインとこの色味は、使う人にどこか爽やかな印象を与えてくれるだろう。
LIFEBOOK WU2/B3は富士通WEB MARTで販売中。直販価格は14万8824円からとなるが、富士通ではクーポン配布による値引き販売も定期的に実施していおり、今なら12万5012円から購入できる(11月17日現在)。購入を検討してる読者は、ぜひこまめにチェックしてみるといいだろう。
試用機の主なスペック | |
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CPU | Core i3-7130U(2.7GHz) |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス 620 |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 約128GB SSD |
ディスプレー | 13.3型(1920×1080ドット) |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB 3.1(Tye-C)端子、USB 3.0端子×2、HDMI端子、マイク・ラインイン・ヘッドフォン・ラインアウト・ヘッドセット兼用端子、有線LAN端子、SDカードスロットなど |
サイズ/重量 | およそ幅309×奥行212×高さ15.5mm/約790g(25Whバッテリー選択時) |
OS | Windows 10 Home(64bit) |