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たった6秒で沸騰する怒りを抑える5つのワザ

2015年12月03日 06時00分更新

文● 加藤 力(ダイヤモンド・オンライン

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 駅など公共施設での暴力事件、職場でのパワハラ、キレる高齢者――。不安感に包まれた社会を象徴するかのような、暴力的なニュースが飛び交っている。厚生労働省の労働局に寄せられた職場における「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は、2002年度には6627件だったが、10年後の11年度には約7倍の4万5939件に増えた。

怒りはエネルギーの表現であり、必ずしも悪いものではない。しかし、暴力に訴えたり、人間関係を破壊する類いの怒りは、上手にコントロールする必要がある

 こうした流れを受け、厚生労働省では今年12月から、ストレスチェック制度を設けた。この制度は、事業主に従業員のストレスチェックと面接指導の実施等を義務付けるもの。会社内のストレス軽減は、もはや社会的な要請のひとつとなっている。

 そんな中、怒りを効果的に鎮める手法としてアンガーマネジメントが注目されている。アンガーマネジメントは、1970年代後半にアメリカの介護業界で採用されたのがはじまり。その後、スポーツやビジネスなど様々な分野に広まっていった。

 今回は、日本アンガーマネジメント協会公認のファシリテーター、瀬戸口仁氏に怒りを効果的に鎮める基本テクニックを伝授していただいた。瀬戸口氏は、スポーツジャーナリストとして1993年に渡米。主にメジャーリーグを取材しながらアンガーマネジメントの効果を目のあたりにしてきた。

「メジャーリーガーは乱闘も多く、ゲーム中いかに怒りをコントロールするかが、重要なテーマでした。NFLもリーグ全体で取り組み、ルーキーイヤーはアンガーマネジメント講座の受講が必須となっています」と瀬戸口氏。

 では、アンガーマネジメントとは何か。その名の通り怒りをコントロールする技術ということになるが、決して怒りを否定しないという点がポイント。「怒りはエネルギーの源ですから、必要なもの」(瀬戸口氏)なのだ。ただ、良い怒りと悪い怒りがあり、アンガーマネジメントは悪い怒りを溜めずに、うまく抜いていくための技術だ。

「良い怒りとは、自分のモチベーションにつながる怒り。自分を高めようと発奮する動機付けですね。悪い怒りは、恨み辛みなど、他人を貶めようとする怒りです」(瀬戸口氏)。他人を貶めようとする怒りの典型が、暴言など相手への攻撃といえる。

たった6秒で悪い怒りを忘れられる!
プロが伝授する5つの技

 上司に嫌味を言われついカッとなったり、妻との口喧嘩で暴言を吐いたり。お互いの関係が悪化するのは目に見えているのに、噴出する怒りを抑えることができない。そんな経験のある方も多いことだろう。そこで、アンガーマネジメントの基本とも言える、怒りを抑えるテクニックを紹介する。

瀬戸口仁氏。野茂英雄氏がドジャースに入団するより2年早く渡米し、メジャーリーグを取材してきた瀬戸口氏は、スポーツにおけるアンガーマネジメントの効果を目のあたりにしてきた

 瀬戸口氏によると、怒りというのは基本的に瞬間的なもの。どんなに持続しても6秒間なんだそう。つまり、6秒間我慢すれば怒りの噴出を抑えることができる。その簡単テクニックを挙げていただいた。

1.カウントバック
「頭の中で、100から98、96、94と2つずつ数を減らしていくテクニックです。カウントに集中することで怒りを意識の外に追い出す。別にカウントでなくても、何でもいいんです。好きな野球チームの選手オーダーを1番から挙げていってもいい。集中して怒りを忘れることが目的です」

2.呼吸リラクゼーション
「呼吸と感情というのは密接に関連しています。怒りや緊張時は呼吸が浅く速くなっているのです。怒りが沸いてきた、と思ったら深呼吸してください。ゆっくり鼻から吸って口から出す。3回繰り返すと、だいたい6秒経過しています。さらに、怒りや緊張時は肩が自然と上がっているんです。深呼吸時に上がっている肩をもっと上げてみる。空気を吐き出すと同時にゆっくり肩を下げていきます。これで、すっきりしますよ」

3.ストップ・シンキング
「その名の通り、考えるのをやめる。やめ!とめ! ストップ!考えるな!というように自分に命令する感じで強く念じるのがコツ。頭を空洞にしていくイメージを抱くといいでしょう」

4.グラウンディング
「目の前の人に怒りを感じた時、他の何かに意識を集中させます。例えば、上司に理不尽な非難を浴びている時、上司の向こうに見える時計に意識を集中させる。とにかく6秒間意識を集中させてください」

5.タイムアウト
「その場を離れる。頭に血がのぼって制御不能になる前に、とにかくその場を離れてみる。廊下に出たり、トイレに行ったりしてもいいでしょう。要は流れを変えることです。やってはいけないことは、自動車の運転、激しい運動、飲酒。怒りを助長させる可能性がありますから」

 いずれも、会社や家庭で誰もが簡単にできるアンガーマネジメントの基本テクニックだ。一度、試してみてはいかがだろうか。

 (加藤 力/5時から作家塾(R)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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