米HPは11月2日(米国時間)、国際宇宙ステーション(ISS)で利用するためのインクジェットプリンター「HP ENVY Zero-Gravity Printer」を開発した。
ISSに設置されている既存プリンターを置き換えることを目的としたもので、既存製品「HP OfficeJet 5740プリンター」をベースに開発。無重力状態でも給排紙ができるほか、廃インクの処理に関しても問題ないという。
NASAではISSで利用する機材には細かな条件を付けており、難燃性プラスチックの使用やガラスを使っていないこと、漏洩電磁波や減圧してもガスを出さないこと、さらにISSの供給電力に合わせるなど細かな改良を施す必要があったという。HPでは部品を3Dプリンターで造形するなどしてすべての要件を満たした製品を開発した。
ISSでは緊急時用のドキュメントや帰還軌道といったミッション情報、予定表や個人的な手紙などを印刷しているという。HP ENVY Zero-Gravity Printerは2018年2月に打ち上げられるSpace-X 14号機でISSに運ばれる予定。