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超高速試作モデル作成でものづくりの現場を革新

HP、従来比10倍速い新3Dプリンターシステムを発表

2016年05月19日 16時55分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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HP Jet Fusion 3D 4200 Printerと3Dマテリアルカートリッジ

 米HPは5月19日、従来型3Dプリンターに比べて10倍の速度と半分のコスト、カラーにも対応する新たな3Dプリンティングソリューションを発表した。

 「HP Multi Jet Fusion technology」と呼ばれる技術で、インクジェットプリンターのように液状の素材を噴射し、熱で硬化させる技術と思われる。従来の熱溶融積層方式(家庭用として販売されている一般的な3Dプリンター)よりも10倍高速、粉末焼結積層(製造業など業務用途で用いられている方式)の半分以下のコストで済むとしている。

HP Multi Jet Fusion technology利用のイメージ

 同社の得意とするインクジェットプリンター技術を使っているだけあって、解像度は1200dpi(平面方向)と非常に細かな造形が可能。また、噴射するインクをドット単位での彩色や、異なる素材(軟質樹脂/硬質樹脂など)にも容易に対応できるという。

プリンター本体と製造システムパッケージ「HP Jet Fusion Processing Station with Fast Cooling」、Fast Coolingとあるように製造時プロセスで生じる熱を冷却する必要があるようだ

 「HP Jet Fusion 3D 4200 Printer」と「HP Jet Fusion 3D 3200 Printer」の2モデルが用意され、制作可能なサイズは幅406×高さ305×奥行き406mm。解像度や本体サイズは同一ながら、4200のほうがより縦方向の解像度を高く、印刷速度も速い。サイズは幅2178×高さ1238×奥行き1448mm、重量は約730kg。

出力サンプル

導入風景(ガラスの向こうに設置、かなり大きい) 

 価格は3200が13万ドルより、製造業向けのコントローラー「HP Jet Fusion Processing Station」は15万5000ドルより。さらに、各種システムが一体化された「HP Jet Fusion Processing Station with Fast Cooling」なども用意される。

 米国では注文受け付けを開始しており、2017年後半には日本でも展開するという。HPでは、BMWやナイキとパートナーシップを結んで製造現場における普及を推進するとしている。

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