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「攻め」の働き方改革~やらされるなんてまっぴら、自分のやりたいことをやる 第3回

型にはめることで、スピーディーに思考する

なぜコンサルはロジカルに話せるか? 問題解決と働き方改革

2017年10月30日 09時00分更新

文● 平山 信彦(内田洋行 知的生産性研究所所長)

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もっとも重要なのは、とりあえず手を動かしはじめられること

 このようにフレームワークを使うメリットはいろいろ考えられますが、私は最大のメリットは、「とりあえず手を動かすことができる」ということではないかと考えています。こんなことは、どのフレームワーク本にも書いていないと思いますが、何か難しいテーマや面倒くさそうな問題に直面したときに、とりあえずフレームワークを使って状況を整理することにより、思い悩んで手がとまってしまい時間だけが過ぎていくという事態を避けることができます。

 例えば、社内のいろいろな人の思惑が絡んだ面倒な状況を切り抜け提案を通さなくてはいけないようなとき、「どうやって反対しそうな人を説得しようか」「こちらを立てればあちらが立たない」と悩んでしまうことがあります。

 そのような時は、「リレーションマップ」というフレームワークを使って関係者の立場や相互の関係を書きだしてみます。誰が決定権者で誰がインフルエンサ(影響力を持つキーパーソン)なのか、賛成派は誰で反対派は誰か、誰と誰の利害関係が対立しているのか、誰は誰の意見には耳を傾けるのか。このようなことを1枚の絵に描きだして明らかにすると、攻め口がみつかることがあります。少なくとも悶々として何も考えられない状況から一歩前に進めます。

 大切なのは、この一歩前に進むということです。難しいテーマをテキパキとこなしている人と、思い悩んで前に進めない人を比べると、テキパキ派は圧倒的に初動が早いことが分かります。初動が早いと、たとえそれが最適手でなくともトライ&エラーを繰り返しながら解決に近づくことができます。

 フレームワークを使うことで、億劫になりがちな難しいテーマに対しても「とりあえず手を動かす」習慣が身につくと、テキパキ派の仲間入りができるでしょう。もちろん、初動を早くすること以外にも、フレームワークを使うメリットはたくさんあります。「フレームワークって良く聞くけど、ちょっと敷居が高いな」と感じている人は、とりあえず試しに使ってみることをお勧めします。

 道具ですので、高度な使いこなしもできるし、簡単な使い方もできます。ぜひ気軽に使ってみてください。

平山 信彦

株式会社内田洋行 執行役員 知的生産性研究所所長。

千葉大学工学部工業意匠学科卒。内田洋行スペースデザイン室、INTERNI(米・ロスアンジェルス)、内田洋行環境デザイン研究所、同マーケティング本部等を経て現職。千葉大学大学院非常勤講師(2008年~2010年/デザインインタラクティブ論)、日本テレワーク学会理事(2010~)等、歴任。働き方変革・組織風土変革・デザインマネジメント・知識創造等に関わるコンサルティング、講演、執筆等、多数。

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