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お腹が弱い社員が開発!空き状況が一目で分かる「IoTトイレ」の実力

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お腹が弱い人は意外に多い!
苦労するサラリーマンたち

お腹が弱い人にとって、駆け込んだトイレが満室という事態は正に悲劇だ。そんな人を救うべく、やはりお腹の弱い社員が開発した「IoTトイレ」とは…?

 街中でも乗り物の中でも会社の中でも、ほとんどの人間が腹を痛めて「ヤバい!」とトイレに駆け込んだ経験はあるはずだ。

「そんな目には一度も遭ったことはない。腹が痛い、すぐにトイレに行きたいという気持ちがわからない」という人間を、私は生まれてからただの1人も知らない。

 それどころか自身のトイレに駆け込むスピードがあと一歩遅ければ大惨事になっていたという旨の話を、まるで「元不良中年が若い頃の武勇伝を話すかのように語る人」もいる。顧客との大事な商談中にトイレに駆け込もうとしたが個室が「全て満室」で、トイレにも間に合わず大事な商談もパーにして、ただただ「絶望と虚しさ」だけを自社に持ち帰った人もいる。

 ストレス社会のこの現代、お腹の弱い人は増えているらしい。今回はそんなお腹の弱い人、そしてお腹の弱い人の強い味方になりそうな製品に光を当ててみたい。

 東京都内のコンテンツ制作会社で働く渡部士郎さん(44歳・仮名)が自身のお腹の弱さにまつわるエピソードを語ってくれた。

「うちの会社は奇数フロアには男子トイレの個室がないのです。よって、催した時は、すぐ下の階から『2フロア』ずつ階段をダッシュで駆け下ります。2フロア降りて満室ならもう2フロア……。もう生きた心地がしないですね。いつも空いているフロアというのもあるのですが、そこには社長室があって、個室から出たらいきなり社長とバッタリということがありました」

「私の場合は、最低でも朝と昼休み後の1日に2回は個室に行くので、何度か1日に2回社長とトイレで出くわしたことがありますよ。さすがに気まずかったですね(苦笑)」

お腹の弱い社員が開発した
IoTトイレとは?

 通勤時の各駅のトイレの場所、何両目に乗るべきかを全て把握しているという渡部さん。それでも朝の通勤時は自身のお腹との戦いだという。苦労がひしひしと伝わってくる。常にお腹の具合と戦っている渡部さんだが、失敗してしまったことはないのだろうか?

 「ありますよ…。飲み会の帰りに急に催しまして…。大きな駅というのはトイレの場所が分かりづらいことがあるんです。駅員さんに訊いてやっと辿り着いたのですが、満室で『あきらめの気持ち』に負けました。もし街中や乗り物の中なんかで『失敗した人』を見かけたとしても、バカにして笑ったりせずやさしく見守ってほしいですね。明日は我が身です」

 笑いながら話してくれた渡部さんの瞳の奥にある一点の憂いが印象深かった。

IoTトイレの空き状況が分かるスマートフォンの画面。フロアごとのトイレ個室が一目瞭然で確認できる

 2016年秋、そんなお腹の弱い人間への救世主とも言えるような製品が誕生した。それは、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が開発した、トイレの空き状況を確認できる「IoTトイレ」だ。個室にセンサーが設置されており、空室状況がPCやスマートフォンで確認できるのだ。

 同社プロジェクト統括部で課長を務める寺西努さんが、開発当初のことを話してくれた。

 「この『IoTトイレ』は、当社の『まさにお腹の弱い社員』が中心となって開発したものなんです。元々IoTとは大袈裟なものではなく『自分自身の身近にあるもの』を便利にするものなのではないかと思います」

 「自分自身お腹が弱いのなら、そこを解決できるような製品を作ろう! ちょうど開発当初、お役立ちツールコンテストというプログラミングコンテストがありました(2016年1月)。社内のイベントということで、肩の力を抜いて自由な発想で取り組むことができたのでしょう。コンテストで『IoTトイレ』は見事に優勝し、製品化はトントン拍子に進み、10月には販売を開始しました」

 開発をした人が、自身もお腹が弱い人間だったのだ。自分の苦労を解決し、それから世の中のお腹の弱い人たちの助けになろう! 「IoTトイレ」はそんな開発者の思いが詰まった製品だった。では現在、2016年秋から1年ほど経つが「IoTトイレ」は、どのような顧客からの引き合いが来たのだろうか?

 寺西さんは語る。「ITなどデスクワークを行う人の割合が多い企業様が多いですね。長時間オフィスにいるわけですから。トイレの混み具合は単純に人数だけでは計れません。同じ人数でも外回りの営業の方が多いフロアは空いているとか、あと従業員の男女比でもトイレの混み具合にはバラつきが出ます。混雑状況の傾向を知ることができるだけでも、お腹の弱い人間にとっては助かるものなのです」

電車や商業施設...
IoTトイレの拡大に期待

 では、今後は「IoTトイレ」をどのように展開していきたいのか?寺西さんに聞いてみた。

「オフィスビルに限らず、公共の機関に利用してもらいたいですね。交通機関のトイレなどです。朝の電車の中で『マズい!』と思う時ありませんか?(笑)また商業施設にも利用用途はあります。カスタマイズが必要となりますが、電子表示のフロア案内図に出せたら便利ですよね。いずれにせよ付加価値をつけていきたいですね」

 人間の集まるところには必ずトイレあり。開拓すべき販路はまだまだたくさんありそうだ。ちなみにこの「IoTトイレ」のお値段はどのくらいするのだろうか?

「センサー(個室ごと)が1本月間880円から、センサーを統括する装置(トイレごと)が1台月間2870円からです」

 今回は「IoTトイレ」を中心に取材を進めていったが、「IoTトイレ」に限らずお腹の弱い人間への救世主となる商品がどんどん世の中に普及してほしい。お腹が痛い苦しみから1人でも多くの人を救うために。

(ジャイアント佐藤/5時から作家塾(R))


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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