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私たちの働き方カタログ 第8回

ゲーム感覚で制度をハックするUZUZの企て

社員同士のコミュニケーションをちょっとリッチにする社内通貨

2017年10月19日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders 写真●曽根田元

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その会社にはその会社ならではの働き方がある。みんなの働き方改革・業務改善を追う連載「私たちの働き方カタログ」の第8回は、第二新卒・既卒・フリーターに特化した人材紹介を展開しているUZUZ(ウズウズ)。UZUZの川畑翔太郎氏に社員間のコミュニケーションを促進する社内通貨「ウズポ!」について聞いた。

UZUZ 専務取締役 川畑翔太郎氏

飲み会やランチ、誕生日プレゼント、サークルなどに使える

 「ウズポ!(UZUZポイント)」はUZUZ社内で流通している社内通貨で、経費精算の充当という形で「1ウズポ=1000円」として利用できる。

 社員がウズポ!を獲得するには、いくつか方法がある。その月でもっとも印象的だった社員を選ぶ「Most “ぶっとんでいる”Person」のランキングで付与されるほか、社員間の感謝や尊敬の気持ちを贈りあう「Thanks ウズポ!」により付与されるほか、既存ユーザーからの新規ユーザーの紹介を獲得した際にも付与される。

 あくまで社内通貨なので、社外や私用はNG。その代わり、社内の部門達成会や歓送迎会、社員の誕生日プレゼントの購入、くじびきで引いた社員間でランチに行く「クロスランチ」、サークル活動など幅広い社内活動で使えるという。UZUZ 専務取締役の川畑翔太郎氏は、「社内でウズポ!の残高をつねに公開しているので、ウズポ!を溜め込んでいるウズポ!長者みたいな社員がわかるんですよ。そういう人たちは、やっぱりハゲタカみたいにたかられます(笑)。でも、それで社員同士の飲み会が増えればいいかなと思います」と笑う。

 ウズポ!は社内で新規事業を興すためのファウンディングにも使われているという。「YouTubeのチャンネルを作ろうという事業を立ち上げるのに、照明や撮影機材が必要だったんですが、役員会で予算を通すのだとスピードが遅い。ということで、社内でプレゼンしてもらって、ウズポ!でファウンディングしてもらったんです。最終的には満額達成しましたね」(川畑氏)。

ちょっとリッチなランチや懇親会で気分を上げられる

 第二新卒・既卒・フリーターで構成される若い会社だけに、多分にゲーミフィケーション的な要素を持つウズポ!の制度。「もともと既存ユーザーからの知人紹介をチームごとに競わせるために作ったんです。でも、社内のコミュニケーションを増やすためにも使えそうということで、ほかの用途に拡がっていきました」(川畑氏)という経緯を持つ。

 ウズポ!自体は以前から付与していたが、管理部が昨年にポイント残高シートを社員全員に公開したことで、一気に利用が加速した。ウズポ!という名前を付けたことで、社内でも共通言語になった。仕組み的にはGoogleのスプレッドシートでポイントを管理し、Thanksウズポ!の受け渡し通知をチャットワークで、利用申請をSurveyMonkeyのようなフォームアプリを使って運用しているが、「極論、スプレッドシートでポイントの管理と見える化さえできれば、どの会社でも導入できると思います」と川畑氏は語る。

 ウズポ!の導入効果は、コミュニケーションに必要な金銭的なハードルが下がったことだという。「昭和の景気のいい時期と違うので、上司が飲み代を全部持つみたいなことができないんです。歓送迎会や達成会も3000円までは補助を出していたのですが、3000円で行けるところって、まあしょぼいんですよ(笑)。でも、ウズポ!を使えば、ほかの社員と1000円のランチ食べられるし、達成会もちょっとリッチなお店に行けるんです」(川畑氏)ということで、飲み会好きな社員のモチベーションアップに大きく貢献している。今後は新規事業で発生する出張や社員同士の旅行などでもウズポ!が適用できるようにしていきたいと考えている。

会社概要

株式会社UZUZは、2012年に創業し、第二新卒・既卒・フリーターに特化した人材紹介事業を行っています。求職者ひとりあたり20時間に及ぶ個別サポートを行う「オーダーメイド就活」や、研修型サポートの「ウズウズカレッジ」を運営し、「若者がウズウズ働ける世の中をつくる」というビジョン実現に向けて取り組んでいます。

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