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アスクル・大塚商会がのまれる?アマゾンビジネスの猛威

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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炊飯器やパソコン、辞書など2億種類もの豊富な品ぞろえがアマゾンビジネスの武器だ Photo by Hiroyuki Oya

 オフィス向け通販の王者アスクルも、アマゾンの猛威にのまれてしまうのか──。米インターネット通販大手のアマゾンは9月20日、法人向けの通販サービス「アマゾンビジネス」を国内で開始した。オフィス向け通販の王者アスクルも、アマゾンの猛威にのまれてしまうのか──。米インターネット通販大手のアマゾンは9月20日、法人向けの通販サービス「アマゾンビジネス」を国内で開始した。

 アマゾンビジネスの最大の武器は、圧倒的な品ぞろえだ。オフィス向けの事務用品や家具に加え、工場向けの電動工具や飲食店向けの調理器具、さらには研究機関向けの実験用品など、約2億種類もの商品を用意した。アスクルの商品数約370万点と比べ、まさに桁違いのラインアップである。

 豊富な品ぞろえを可能にしたのが、数十万社に上る外部事業者からの出品。そして、同じ商品を複数の事業者が出品することもあるため、ホームページ上で価格などの比較が簡単にでき、調達コストの削減につなげられるのが売りだ。

 これに加え、法人会員向けにまとめ買いによる割引に対応するほか、配達日時指定などの配送サービスも期間限定で無料にし、利便性をアピールする。

米国で100万社が利用

 2015年3月に米国でサービスを開始して以降、初年度の売上高は10億ドル(約1100億円)に上ったといい、今や米国で約100万社が利用する巨大サービスへと成長した。その後、ドイツや英国へサービスを拡大しており、日本は4カ国目となる。

 アマゾンのスティーブ・フレイザーバイスプレジデントによれば、ドイツのシーメンスやヘンケルといった大企業がサービスを使う理由は、購買担当者の時間節約。ワンストップで必要な商品がそろうほか、部門ごとの数値を一元管理できる利点もあり、「節約した購買時間を本業のビジネスに充てることができる」(フレイザー氏)。

 今回の日本での展開に当たり、月末締めの請求書払いや、社内承認用の見積書の無料ダウンロードなどといった日本の商習慣に合わせた新機能も付加。今年3月から試験サービスを始めており、既に国内で数千社が利用したという。

 国内の法人向け通販市場で先行するのはアスクルや大塚商会だ。16年度のアスクルのBtoB事業の売上高は2919億円で、大塚商会の「たのめーる」の売上高は1460億円に上る。

 後発となるアマゾンは、アスクルなどが提供する商品カタログやファクス注文などには手を付けず、ネット注文1本に絞る。それでも脅威を反映してか、アマゾンビジネスの発表から1週間で、アスクルの株価は約9%下落した。

 アマゾンビジネスの世界展開に当たり、ジェフ・ベゾス・アマゾン最高経営責任者(CEO)がフレイザー氏に出した指示は、「顧客の声を聞き、顧客のために動け」。

 豊富な品ぞろえと使い勝手の良さから、消費者向けネット通販で国内の1強へと上り詰めたアマゾンの勢いは、法人向けでも止まらなそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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