スマートフォンメーカーの数は、いまや世界中に何百社以上もあります。海外へ行けば見たことも聞いたことも無いようなメーカーの製品が大手家電量販店で売っていることも珍しくありません。
ところが、中小メーカーにとって、大手メーカーの製品と自社製品を差別化して、消費者に売り込むことはなかなか難しくなっています。
そこで、スマートフォンには欠かせないオマケをパッケージの中にセットにして販売するメーカーもでてきています。
エントリークラスのスマホで、価格も中身もおトク
アメリカなどでSIMフリースマートフォンを販売しているEnvic Mobileは、パッケージにモバイルバッテリーとスマートウォッチをセットにして製品を販売しています。
スマートフォンを買ったら必需品と言えるのがモバイルバッテリー。それを後から買う必要がないのは、便利と言えるでしょう。さらにはスマートフォンとも連携できるスマートウォッチまでもがセット。こんなおトクな製品を販売するなんて、なかなかおもしろい試みです。
スマートフォンのスペックはエントリークラス。5型HD(720×1280ドット)ディスプレーに、SoCはMediaTek製で1.3GHzクアッドコア。メモリーは2GB、ストレージは16GB。
カメラは背面が1200万画素、正面が800万画素。2000mAhのバッテリーを搭載します。本体サイズは143×71.4×6.65mm。製品はブラックボディーが「ASH」、ホワイトボディーが「ROGUE」で、それぞれ付属品が異なります。
モバイルバッテリーはBluetoothヘッドセットが内蔵
2G対応スマートウォッチも付いてくる
それでは、付属品を見ていきましょう。まずはASHに付属するバッテリー。6000mAhとコンパクトサイズでUSB出力はひとつのみ。
しかし、よく見ると本体にBluetoothアイコンが見えますよね。実は本体の左側にあるパーツ部分が外れて、Bluetoothヘッドセットになるのです。つまり、ふだんこのモバイルバッテリーにヘッドセットをはめ込んでおけばつねに充電された状態になるワケです。
実は、このバッテリーは数年前に中国の深センあたりでちらほら見かけたもの。最近は、超小型のBluetoothヘッドフォンが流行で、収納ケースが充電バッテリーにもなっています。このモバイルバッテリーはその先祖ともいえる存在でもあるのです。
そして、ASHとROGUEどちらにも付属するスマートウォッチはGSMのモデムを内蔵する2G対応品。SIMカードを入れることで、単体での通話も可能なのです。
スマートフォンと連携してSNSの通知や着信などを受けることも可能。Envicのスマートフォンは、買ったその日からスマートウォッチまで楽しめてしまうのです。
ディスプレーは1.54型240×240ドット、260MHz駆動のシングルコアCPUに、メモリー16MB、ストレージ8MBを搭載します。
対応するスマートフォンは、Envic以外のAndroid端末やiOS端末。さらには、30万画素カメラも搭載しているので、メモ程度ですが写真を撮影することも可能。
わざわざ買うほどの製品ではありませんが、スマートフォンを買って付属してくるのならばちょっと使ってみようと思えますよね。
さて、ホワイトボディーのROGUEのほうには、別の形のモバイルバッテリーが付属します。容量は6600mAhで、Bluetoothスピーカーも内蔵した製品。
microSDカードスロットも備え、保存されている音楽ファイルの再生もできます。ASHが通話に便利な製品なら、ROGUEは音楽や動画を楽しみたい人向けをターゲットにしているのでしょう。
そして、このスピーカーは表側にある「Envic」のロゴの書かれた部分のパーツが外れるようになっています。それを裏返すと吸盤が隠されており、吸盤を表に出して装着すればスピーカーをガラス面などに貼り付けできるというアイデア商品なのです。これもなかなか便利そう。
ASH、ROGUEどちらもアメリカのアマゾンなどで販売されており、価格は300ドル弱、3万円程度で購入可能です。スマートフォンのスペックはやや低いながらも、多機能なモバイルバッテリーと2Gのスマートウォッチがいっしょに手に入るとなれば、ちょっと欲しくなりませんか?
このアイデアは、ぜひほかのメーカーにもマネしてほしいもの。豊富な周辺機器やアクセサリーを誇る、シャオミあたりからハイエンドスマートフォンのセット商品が出てきたらヒットするかもしれませんね。
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