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錦糸町ラブホ街にマリオットが開業する新業態ホテルの勝算

2017年09月20日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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ラウンジでは、DJパーティー以外にも、クラフトビールの試飲会など、多彩なイベントが計画されている

「モクシーに泊まった外国人旅行者が、錦糸町のディープな通りにある居酒屋に行って、熱かんを飲んだりする風景が見られるようになるなど、街が変わっていけば面白い」

 東京・錦糸町の活性化に携わる坂井ユカコ墨田区議会議員は、11月1日、錦糸町にオープンするマリオット・インターナショナルの新ブランド、モクシー・ホテルに期待を寄せる。

 モクシーは、2014年にイタリアのミラノでスタート。スタイリッシュな雰囲気を売りにし、欧米の主要都市を中心に、現在11店舗を展開している。国内では、錦糸町と同日に、大阪の本町でも開業予定だ。マリオットのブランドだが、経営は不動産投資会社パシフィカ・キャピタルが手掛ける。

 モクシーでは、スタッフが宿泊者同士の橋渡しをする役割を積極的に担う。モクシー東京錦糸町を統括する生沼久キャプテンは、「ホテル業界での経験より、お客さまに楽しい時間を過ごしてもらえるコミュニケーション能力を重視し、キャラクターの濃いスタッフを集めている」と明かす。100人ほどを収容できる共用のラウンジでは、DJパーティーなどさまざまなイベントを企画しているという。

外国人を魅了する錦糸町

 モクシー東京錦糸町の斬新さは、その立地にもある。錦糸町のラブホテル街に立っていたオフィスビルを改装し、始業するのだ。

 パシフィカ・キャピタルのセス・サルキン代表取締役社長は、「ターゲットは訪日外国人。宿泊客の半分以上を狙っている」と語る。同氏によれば、訪日外国人に人気の都内エリアは新宿。その理由は、きらびやかな表舞台から混沌とした裏社会まで何でもあるから。錦糸町も似た雰囲気を持っているので、外国人に受けるはずだという。

 錦糸町は戦後、バラック街として始まり、娯楽街としての歴史を歩んできた。北口では2000年代に再開発が進み、ファミリー層向けの商業施設が並ぶ。一方で南口は、ラブホ街、風俗街などがあり、清濁併せのむ街。モクシー東京錦糸町では地元の居酒屋などと組み、外国人旅行者が街へ出ていく仕掛けも計画している。

 同ホテルの1室当たりの想定宿泊料金は、税別で1万4500~1万7500円。前出のサルキン氏は、「日本には、快適だけれど高いラグジュアリーホテルと、安価だが無味乾燥なビジネスホテルの2種類しかなく、その間がない」と分析する。モクシーはリーズナブルな価格で魅力が詰まった、「ブティックホテル」を目指す。

 海外では、ブティックホテルとは小規模で個性のある上質なものを指す。しかし、日本では、ブティックホテルは、ラブホのおしゃれな別称でもある。モクシー東京錦糸町は、錦糸町ラブホ街の一味違ったブティックホテルとなりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 森川幹人)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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