本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第26回は、追記した注釈やフォームのデータだけを送り返して合体させてみる。
注釈やフォームデータだけを送信する方法
受け取ったPDFに注釈を入れたり、フォームに入力したあと、通常はそのファイルを保存し、メールやクラウド経由で送り返すことになる。しかし、外出先で携帯通信で作業している場合、ファイルサイズが大きいと返信を躊躇してしまうこともある。そんなときは、注釈やフォームデータだけを送信すればいい。相手の手元には元のPDFファイルがあるので、差分だけで済ませようというわけだ。
PDFファイルに注釈を入れたら、「・・・」をタップし、「すべてをデータファイルに書き出し」をクリックする。もし、特定の注釈のみを書き出したいなら、あらかじめ選択しておき、「選択内容をデータファイルに書き出し」をクリックする。すると、「.fdf」という拡張子のファイルを保存するダイアログが開くので、ファイル名やフォルダーを確認して「保存」をクリックする。あとは、作成されたファイルをメールなどで送信すればいい。
今回作業した元のPDFファイルのサイズは3.58MBだが、12ヵ所分の注釈のデータファイルサイズはなんと10.9KB。これなら、外出先から返信するのも簡単だ。
注釈のデータファイルを受け取ったら
注釈のデータファイルを受け取ったなら、ダブルクリックすれば自動的に注釈が取り込まれて元のPDFファイルが開く。もし、以前と同じ場所にない場合は、手動でファイルを指定する。あとは、ファイル名を変更して保存すればいい。
フォームの書き出し方
続いて、フォームを書き出してみよう。まずはPDFファイルのフォームに入力し、「ツール」から「フォームを準備」を開く。右ペインの「その他」メニューから「データを書き出し」をクリック。すると「.fdf」ファイルの保存ダイアログが開くので保存する。あとはこのファイルをメールなどで送り返せばいい。12項目のフォームに記入した状態でファイルを書き出したところ、ファイルサイズは960バイトと1KB未満だった。
受け取った側は、「.fdf」ファイルをダブルクリックすればいい。セキュリティー機能によりブロックされると、画面上部にメッセージが表示される。その場合は、「オプション」から「文書を信頼する」を選べばいい。これでフォームのデータが書き込まれる。あとは、ファイル名を変更して保存すればいい。
相手が元ファイルを持っていない場合
もし、元ファイルを持っていない相手に送る場合は、「Adobe Document Cloud」からダウンロードリンクを送信すればいい。そうすれば、注釈やフォームを書き出した「.fdf」ファイルだけをメールで送るだけで済む。
「Adobe Document Cloud」にファイルをアップロードしていないなら、直接送信するしかない。その場合は「第25回 画像が多いPDFのファイルサイズを小さくしてみる」で紹介した方法で、ファイルサイズをコンパクトにしてみよう。
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