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SNSにアップした写真が大問題に!?弁護士に聞く身近なNG事例

2017年08月30日 06時00分更新

文● 清談社(ダイヤモンド・オンライン

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ビジネスでもプライベートでも、コミュニケーション手段として欠かせない存在になっているSNS。様々なシーンでせっせと写真を撮って、こまめにアップしているビジネスパーソンも多いだろう。ただし、SNSは写真をアップした瞬間に不特定多数の人の目に触れるだけに、その扱いには細心の注意が必要だ。(取材・文/清談社)

「社内で気軽に写真を撮っただけ」でも
思わぬトラブルになる可能性が!

肖像権や著作権などの侵害、そして背任罪...SNSの「いいね!」欲しさに写真をあれこれアップしていると、知らない間にとんでもない法律違反を犯している可能性もある

 SNSを通じて“違法行為”が発覚するケースは少なくない。ここ最近では、電車の線路内に撮影した記念写真をSNSにアップした芸能人が、鉄道営業法違反の疑いで京都府警右京署に書類送検されるという事件があった。

 また、ある若手俳優がジェットコースター搭乗中の自撮り写真をSNSにアップし、ファンから「携帯持ち込み禁止なのでは?」と指摘され、物議を醸している。

 
 これらの炎上事例はタレントの“有名税”とも言える。しかし一般的なビジネスマンでも、不用意に撮影した画像をアップしたことでトラブルに巻き込まれたり、最悪の場合には「犯罪」となってしまうケースもあるのだ。そこで、ビジネスマンが何気なくSNSに写真をアップすることで犯罪となってしまう可能性のある行為を、弁護士法人戸田総合法律事務所の延時千鶴子弁護士にジャッジしていただいた。

 「犯罪性のあるSNS写真」といっても、その判断のタイミングは「写真を撮影する行為そのもの」、その写真を「アップロード(=公開)する行為」、そして「写真に収まっている行為の内容」に分けられ、それぞれ問題が異なってくるという。

「まず前提として、写真を撮影・アップロードする行為は、被写体の権利侵害との関係で問題となることがあります。例えば、写真の対象が人物なら肖像権、有名人の場合はパブリシティ権。対象が物品なら、その著作権や商標権が問題になりますし、建物などの写真の場合、撮影するための立ち入りが建物の管理権に抵触する可能性があります」(延時弁護士、以下同)

 何気なく撮った写真のなかに、様々な権利が内包されている可能性があるということだが、では「会社内で自撮りした写真をSNSにアップしたが、その写真に同僚や会社の資料も写っていた」という場合は何が問題になりそうだろうか?

「同僚については、撮影の承諾を受けていないと肖像権侵害になる可能性があります。会社の資料については、企業情報が漏洩する恐れがあるため、写り込んでしまったことを認識しながらアップした場合には背任罪に該当する可能性がありますね。その他、資料が著作物に該当するものである場合、著作権侵害に該当するおそれもあるため、会社内で撮影した写真のアップには注意が必要です」

 特にこの「肖像権」は素人には判断するのが難しい。「飲み会やパーティなどで来場者と記念写真を撮り、被写体の承諾なくSNSにアップする」ということは、日常的によくある行為だが?

「カメラに顔を向けて映っている記念写真ならば、SNSにアップする行為が当たり前なっている現代では被写体の黙示の承諾があると解されますので、犯罪にならないのはもちろん、民事上も肖像権侵害の問題になることは少ないです」

 では、仲間同士の集まりなどで、「知人の子どもの写真を撮り、本人及び保護者の承諾なくSNSにアップする」のは?

「このケースも犯罪には該当しません。しかし、事前に被写体がアップを拒否していたり、事後的に削除を求められたのに対応しない場合には、肖像権侵害になる可能性があります。特にお子さんについては、親御さんは写真を撮らせたからといってアップについては黙示的にも承諾していない場合が多いと考えられますので、アップする際は確認を取った方が良いでしょう」

コンビニ、レストラン、ジム…
「撮影禁止」か否かの確認は必須

 SNSで多いのが、レストランやカフェなどで食べた料理の写真を撮ってアップすることだろう。しかし、料理だけでなく「レストランで店内や店員の写真を勝手に撮ってSNSにアップする」と問題が生じる可能性がある。

「店員に対する肖像権侵害になる可能性があります。店に対する撮影については、施設管理権に基づきお店から中止を求められる可能性のある行為です。店内での撮影が禁止されていなかったり、撮影を認識しながら何も注意を受けなかった場合は黙示の承諾があると解されますので、問題になることは少ないでしょう。ただし、アップする際に店に対するネガティブな書き込みをした場合、業務妨害罪に該当する可能性があります」

 では、「コンビニで買っていない商品のパッケージの写真を撮り、SNSにアップする」のはどうだろうか?

「この場合も商品の撮影を禁止しているお店や、購入しない商品を撮られることを良しとしないお店だと、店の営業権や施設管理権に基づき注意を受ける行為です。例えば写真撮影をやめるよう強く求められているのにもかかわらず、撮影を続けて、店に留まり続けた場合などには、不退去罪に該当するおそれがあります」

 これもSNSに多いパターンのひとつである「イベントやアーティストのライブに行き、ステージを写真に撮ってSNSにアップする」は?

「チケット購入時の契約内容などで撮影を禁止されている場合には、民事上の損害賠償責任が生じる可能性があります。また、写真のアップについてはパブリシティ権の侵害になる可能性があります。いずれにせよ、契約内容で写真のアップが禁止されていない場合には問題になることは少ないと考えていいと思います」

 ステージを写すつもりで、他の観客が写り込んでしまっている場合は?

「大人数が集まるイベントに来場している場合、写真を撮られることは想定内といえます。ですから、写真に映ることに黙示の承諾があると解されるので、問題になることは少ないと思います。もっとも、SNSにアップされることまで承諾しているといえるかはケースバイケースですので、個人が特定できる形で写り込んでいる場合には、ぼかしをかけるなどの配慮が必要です」

 スポーツジムやトイレなど、プライバシーが尊重される場所で自撮り写真を撮ってアップしている人も多い。「トイレやロッカールームなどで自撮りした写真をSNSにアップする」場合は?

「他に誰も写り込んでいない場合は肖像権侵害の問題は生じませんが、その施設が施設内での写真撮影を禁止している場合には施設管理権の侵害になります。犯罪にはならないとしても、場所の性質として、いつ他者が入ってくるか分からず、プライバシー保護の要請が高い場所ですので、写真撮影は控えた方が良いと思いますね」

火事場撮影で刑事事件沙汰に!?
法律をナメてはいけない

 いままでに挙げた例は、基本的に民事上の損害賠償責任が発生するかどうかの問題になるが、下手をすれば刑事犯罪となってしまう可能性が生じる行為もある。例えば、「区立公園に行き、花壇に生えていた花を摘んで、その写真をSNSにアップした場合だ。

「公園の花を摘む行為が器物損壊罪に、それを持ち帰る行為が窃盗罪に該当する可能性があります。これは行為そのものが問題であり、写真をアップすること自体が違法なのではありません」

 実際に行ったことがある人も多いと思われる、「廃墟や廃線跡を巡り、その敷地内で撮った写真をSNSにアップする」という行為も要注意だ。

「これも、写真のアップ行為が問題なのではなく、廃墟であっても所有権者・管理者が存在している可能性があり、立ち入り行為自体が建造物侵入罪に該当する可能性がありますね」

 前述した線路内での撮影も同様だが、権利がハッキリしない場所には不用意に立ち入らないほうがいいだろう。またこれもやりがちなのが、「たまたま交通事故や火事などの事件に遭遇し、その現場写真を撮ってSNSにアップする」という行為だ。

「場合によりますが、事件現場にいる方を撮影した場合、被害者・加害者・関係者それぞれの肖像権侵害になる可能性があります。また、これは極端な例ですが警察や消防隊を押しのけるなどして撮影した場合、撮影行為自体が、公務執行妨害罪や威力業務妨害罪に該当する可能性もゼロではありませんので注意が必要です」

 フォロワーからの賞賛を集めたいがために、様々な写真をアップすることを楽しんでる人も多いだろう。しかし、ひとつ間違えば社会的信用を失ってしまうような犯罪行為の動かぬ証拠を、自ら開示してしまうことになる。社会人なら、写真を撮る前、そしてその画像をアップする前に、法律に抵触していないかどうかを落ち着いて確認するクセをつけておいたほうがいいかもしれない。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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