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三菱自V字回復は本物?カギ握る「社風一新」の改革

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photo:DW

 燃費不正発覚で赤字転落した三菱自動車の業績が急回復している。

 2017年度第1四半期(4~6月期)の連結決算は、営業利益が前年同期比4.5倍の206億円となり、当期損益を前年同期1297億円の赤字から230億円の黒字へ転換した。

 北米や中国でスポーツ用多目的車(SUV)「アウトランダー」の販売が好調に推移し、もともとシェアの高い東南アジアでは全体需要の伸び以上に販売が拡大。日本でも燃費不正問題以前の水準まで回復したことが好業績の主因だ。

 さらに今秋以降、新型SUV「エクリプス・クロス」を、欧州を手始めに全世界で発売し反転攻勢を強める。月次収益管理の徹底や部品の共同購買によるコスト削減など、傘下に入った日産自動車との提携効果も表れており、三菱自の池谷光司副社長は「昨年後半から今年前半にかけて会社のモメンタムが変わった。これを愚直に続けてV字回復につなげたい」と意欲を示す。

外部人材を積極採用

 三菱自はこのまま“V字回復”軌道に乗るのか。そのための課題も山積する。

 まず米国では各社の競争が激化し販売費の積み増しが重荷となる中、三菱自は北米全体の小売台数を前年同期比で5%減らしている。アウトランダー以外の車種の販売が伸び悩んでおり、今後のてこ入れが欠かせない。

 こうした北米での苦戦は他社も同様だ。そうなれば各社の主戦場は新興国に移る。三菱自が強い東南アジアでも中間所得層が増えて車の嗜好は多様化しつつあり、安住してはいられない。新車を開発するためのコストは今後増大していくことになる。またタイ通貨の為替影響も不安要素の一つだ。

 だが何よりも最大の課題は、過去の不祥事を生んだ社風を一新し、まともな会社に変われるかどうかにある。そのための社内改革が今、進行中だ。

 マネジメントの権限明確化や日産との人事交流に加え、同社が急速に進めているのが外部人材の積極採用だ。本社ではこの1年間、異業種を含めて100人以上を中途採用した。

 また課長級以上は固定給の比率が高かった給与体系を改め、目標の達成度合いに応じた業績連動を強化した。池谷副社長は「二度と燃費不正がないよう、会社全体を変えながら目標を達成するバランスが重要」と語る。

 三菱自は今秋、19年度までに小売台数を125万台(16年度92.6万台)、営業利益率を6%以上(同0.3%)とする中期経営計画を策定する方針だ。

 かなり高い目標をクリアし、スリーダイヤを名実共に完全復活させるためには、変化する市場への対応と、いまだ途上にある社内改革の両輪を早く、着実に進める必要がある。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 重石岳史)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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