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拡張性に優れ後から強化も!

10万円以下でVRも動く! Ryzen&Radeon搭載ゲーミングデスクトップPC

2017年08月26日 17時00分更新

文● 山口優 編集●八尋/ASCII

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デルの「New Inspiron 27 7000」

 AMDの「Ryzen」シリーズとVR対応グラフィックスを搭載し、手頃な価格で高性能を実現した「New Inspironゲーミングデスクトップ」。そのゲーミングパソコンとしての実力はいかほどのものだろうか? また、本当にVRゲームが遊べるほどの性能を持っているのだろうか? ベンチマークソフトを実行して、気になるパフォーマンスをチェックしてみた。

 New Inspironゲーミングデスクトップは、構成の違いにより「スタンダード」「プレミアム」「プラチナ」「スプレマシー」の4つのモデルが用意されている。いずれもCPUはRyzenシリーズだが、グラフィックスは「AMD Radeon RX500」シリーズと「NVIDIA GeForce GTX 10」シリーズの2系統が用意されている。今回試したのは、そのうちスタンダードモデルで、もっともベーシックな構成のものになる。

 スペックは、CPUがAMD Ryzen 5 1400(4C/8T, 10MB キャッシュ, 3.4GHz Precision ブースト)、GPUがAMD Radeon RX570(4GB GDDR5)、メモリーが8GB(DDR4 2400MHz)、ストレージが1TB HDD(7,200回転)となっている。この構成で、どれくらいのパフォーマンスなるのか、ベンチマークソフトで性能をチェックしてみた。

CPUはAMD Ryzen 5 1400(4C/8T, 10MB キャッシュ, 3.4GHz Precision ブースト)が搭載されている

GPUはAMD Radeon RX570(4GB GDDR5)

 まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。

WinSAT.exeの結果
プロセッサ 8.3
メモリ 8.3
グラフィックス 8.5
ディスク 5.9

 グラフィックスが8.5と高いスコアになっているのが目を引くが、プロセッサのスコアもなかなか良い。ディスクはSSDを搭載したマシンに比べると低いが、HDDを搭載したパソコンとしてはマックスの値になる。CrystalDiskMarkで確認したところ、シーケンシャルリードが210MB/s程度で、HDDとしては高速な方だった。

WinSATの結果

CrystalDiskMarkの結果

 続いてパソコンの総合的なパフォーマンスを見るPCMarkを試したところ、PCMark 8 Home Acceleratedが「4050」、PCMARK 10が「4186」という結果になった。ストレージの性能も影響するのでSSDを搭載するパソコンに比べると不利だが、それでも4000を超えており、一般的なデスクトップパソコンやノートパソコンに比べると高めのスコアだ。

PCMARK 8 Home Acceleratedの結果

PCMark 10の結果

 「CINEBENCH R15」を試したところ、CPUのマルチスレッドが691cbとなった。Ryzen 5は4コア8スレッドなので、マルチスレッドのスコアは4コア4スレッドのCore i5より有利で、実際、同クラスのCore i5-7400より30%ほど高いスコアが出ている。

CINEBENCH R15の結果

 次にグラフィックスの性能を見るため3DMARKを試してみたところ、次の結果になった。

3DMarkスコア
Time Spy 3249
Fire Strike 8502
Sky Diver 20956
Cloud Gate 23379
Ice Storm Extreme 112846
Ice Storm 121849

 ゲーミングパソコン向けの「Fire Strike」が8502、DirectX 12を使う「Sky Diver」でも3249となった。エントリー向けのRadeon RX560に比べると倍近いスコアで、本機が搭載するRadeon RX570の性能の高さがうかがえる。

3DMarkでは、Fire Strikeで8502というスコアになった

 ゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」は次のようになった。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア
グラフィック設定 解像度 スコア 評価
低品質 1920×1080 17066 すごく快適
標準品質 1920×1080 16624 すごく快適
最高品質 1920×1080 16373 すごく快適

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの結果

 同様に「ファイナルファンタジーXIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編」と「FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルド(DirectX 11)」、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮の解放者」も試してみた。

ファイナルファンタジーXIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編
1920×1080 標準品質(デスクトップPC) 17663 非常に快適
1920×1080 高品質(デスクトップPC) 12518 非常に快適
1920×1080 最高品質 11951 非常に快適
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(DirectX 11)
1920×1080 標準品質(デスクトップPC) 17663 非常に快適
1920×1080 高品質(デスクトップPC) 12518 非常に快適
1920×1080 最高品質 11951 非常に快適
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮の解放者 ベンチマーク
解像度 品質 スコア 評価
1920×1080 標準品質(デスクトップPC) 11022 非常に快適
1920×1080 高品質(デスクトップPC) 8875 非常に快適
1920×1080 最高品質 8137 非常に快適

ファイナルファンタジーXIV:A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編の結果

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド(DirectX 11)の結果

ファイナルファンタジーXIV:紅蓮の解放者(リベレーター)の結果

 スコアを見てわかるように、DirectX 11対応の「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮の解放者 ベンチマーク」のフルHD最高品質でも「非常に快適」に遊べるという結果になった。

 標準的なVR体験ができるかどうか、「VRMark Orange Room」を実行してみたところ「5711」という結果だった。VRMark Orange Roomでは、5000スコアがVR Readyの目安になるので、それはクリアしていることになる。ただし、ハイレベルなVR体験を楽しむにはもう少し性能に余裕がほしいところ。その場合はGPUにRadeon RX580やNVIDIA GeForce GTX 1060を搭載した上位モデルを選んだ方がよさそうだ。

VRMark Orange Roomの結果

10万円を切る価格が魅力的なゲーミングPC

デルの「New Inspironゲーミングデスクトップ」。拡張性の高さと、VR対応のゲーミングパソコンとしてはリーズナブルな価格が魅力的

 ここまで見てきたように、デルのNew InspironゲーミングデスクトップはRyzenシリーズとVR対応グラフィックスを搭載し、ゲーミングパソコンとしては比較的リーズナブルな価格で高性能を実現した製品だ。今回試したスタンダードモデルなら10万7978円という価格で購入できる。ちなみに、執筆時点では15%オフクーポンも使用可能で、適用すると9万1781円と10万円を切る価格になる。

 個人的には、Ryzen 7 1700X(8C/16T, 20MB キャッシュ, 3.8 GHz Precision ブースト)とNVIDIA GeRorce GTX 1060(6GB GDDR5)を搭載した最上位の「スプレマシー」モデルも魅力的に感じた。こちらも17万2778円(15%オフクーポン適用で14万6861円)と、ゲーミングパソコンとしては比較的値頃。もっとも、New Inspironゲーミングデスクトップは拡張性が高くアップグレードしやすい設計になっているので、必要に応じてグラフィックスやストレージなどを換装していける。そのため、予算に合わせて現時点で必要な性能のモデルを選んでも後悔はしないだろう。その意味でも、パソコンでゲームを楽しみたいけれど、導入価格はできるだけ抑えたいという人には特にオススメできる製品だ。

試用機の主なスペック
製品名 New Inspironゲーミングデスクトップ(スタンダード)
CPU AMD Ryzen 5 1400 (4C/8T, 10MB キャッシュ, 3.4 GHz Precision ブースト)
グラフィックス AMD Radeon RX 570(4GB GDDR5)
メモリー 8GB
ストレージ 1TB HDD
光学ドライブ Tray Loading デュアル Layer DVD Burner
ディスプレー なし
インターフェイス USB 3.1(Type-C)端子、USB 3.0端子×6、USB 2.0端子×4、有線LAN端子(10/100/1000BASE-T)、ヘッドセット/マイクコンボジャック、オーディオライン入力/出力×5、メディアカードリーダー、HDMI端子、DisplayPort×3
OS Windows 10 Home(64bit)

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