このページの本文へ

元キャリアウーマンが集う業務委託サービスが信用・価格・使い勝手で好評

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

クラウドソーシングより信用できて
派遣会社より価格と使い勝手が良い

「HELP YOU」に在籍する生田目史子さん。子育て中で正社員の仕事は難しいが、ソフトメーカーに勤務していたキャリアウーマンだ

 ここ数年、働き方改革が進み、残業規制が強化されつつある。しかし、人手は不足し、業務は増えるばかり。社員たちは仕方なく仕事を持ち帰り、ますます疲労していく…。こんな悪循環に陥っている企業は多いのではないだろうか。

 新たに社員を採用するとなれば、求人広告を出し、書類審査や面接などの時間とコストが必要になる。そういった事情から、最近は業務を外部委託する企業も増えており、アウトソーシング関連のサービスが続々と現れている。

「HELP YOU」はその一つ。自社で作業する時間はないが、かといって他に頼める人がいない。社員を雇うほどの仕事ボリュームがなかったり、社員を雇用するには負担が大きすぎたりといった企業に対し、外部のスタッフがチームを組んで業務を代行するサービスである。通常、申し込んで1~2週間で稼働できるので、派遣会社に依頼するより、スピード面でも費用面でもメリットが大きい。

 リーダーとなる専属アシスタントがクライアント企業とのパイプ役となり、10人程度のアシスタントに業務を割り振って作業し、納品をする流れだ。

スウェーデン在住の宇治川紗由里さんは、人事のスペシャリスト。夫が海外赴任しているため、世界中どこにいても働ける仕事を探していた

 2015年に始まったサービスだが、現在150社のクライアントを持ち、250名のアシスタントが稼働している。スタートしたばかりのベンチャー企業から、時期によって業務量に変動がある企業など、需要は様々である。

 「起業したばかりのWEB製作会社さんからは、いろいろな業務を請け負っています。まだ社員が2名と少ないため、請求書や見積書の作成、備品の手配、出張やお礼状、贈答品の購入など、総務部門が担う業務を委託されています。おかげで本業に専念することができ、助かっているとの声をいただいています」と話すのは、HELP YOUを運営する合同会社レインボー(8月1日より「株式会社knit」に社名変更)の秋沢崇夫代表。

 SNSマーケティングを行う社員100名の会社では、提案資料や営業レポートの作成、議事録の書き起こしなどを委託している。これまでは残業に追われて社員は疲弊していたが、それが解消され、営業件数も増えたという。人事に関わる案件を依頼してくる企業も少なくない。新入社員の1次選考や面接のセッティングなども請け負っている。

元キャリアウーマンが多数在籍
採用倍率は50倍!

「私自身、起業をする以前、フリーランスをしていた時期に、海外旅行をしながらリモートで仕事をしていました。会社員時代は業務が多くて、採用や部下の面談日を設定するだけで1日が終わってしまうこともあったほど。資料作成やデータ集計も多く、誰かに手伝ってほしいと思うことが多かったんです」(秋沢代表)

 デザイナーやライター、WEBサイトの製作など、専門的なスキルが必要な業務も可能だ。チームは、企業側と綿密な相談の上、最適なメンバーで編成することができる。

「一般的なクラウドソーシングは、案件ごとに業務委託をする形なので、業務の進捗や質の担保は、依頼した企業側が管理・ディレクションをしなければなりません。しかし、このHELP YOUでは、専属アシスタントが管理業務を請け負うので、企業側の負担が少ない。また、仕事で得た個人情報の漏洩対策などのセキュリティ面でも、通常のクラウドソーシングでは個人が責任を負いますが、このサービスは運営会社である弊社が責任を負うので、企業側にも信頼していただいています」

 HELP YOUでは、アシスタントが使用するパソコンにはセキュリティソフトを完備しており、毎月状態をチェックするなど、パソコンに顧客データを残さないようにチェックしている。始まって2年だが、今のところセキュリティに関するトラブルなどは一切起こっていないという。

 業務を行うアシスタントには、独自の厳しい基準を設けており、それをクリアした人のみを採用している。倍率はじつに50倍である。

「まず履歴書等で書類審査を行い、合格をしたら、SPIテストを実施します。その後、スカイプで面談をして採用を決定します。スキルもそうですが、チームで仕事をしていくので、コミュニケーション能力も重要。そのあたりを慎重に見極めています」

 厳しい試験をパスしたアシスタントの9割は女性で、そのうち7割が地方在住の主婦だ。例えば、西東京市に住む生田目史子さん(34歳)は、3歳の子どもを育てる主婦。かつては企業向けソフトメーカーに勤務していたキャリアウーマンだ。

「自宅で子どもを見ながら働ける仕事を探していたのですが、企業に勤務するのと変わらない仕事内容でしっかり稼げると知り、応募をしました」(生田目さん)

 仕事はすべてオンラインでできるため、海外に住んでいるアシスタントも少なくない。スウェーデン在住の宇治川紗由里さん(37歳)は、大手人材採用企業で中途採用支援に携わっていたスペシャリストである。夫の仕事の都合で海外転勤が多いため、世界中どこにいても働ける仕事を探して、応募をしたという。

 他にも「クラウドソーシングでは作業の割には単価が安く、数をこなしてもまとまった金額にはならなかったが、HELP YOUでは仕事量に見合った報酬をもらっている」という声もある。

 HELO YOUで働くのは、結婚や配偶者の転勤によって、仕事を辞めざるを得なくなったキャリアウーマンが多い。高度なスキルと働く意欲を持ちながらも、育児中や地方在住ということで、相応しい仕事を見つけるのが困難な人たちだ。

 国が主導して、女性の働き方改革を進めている昨今だが、せっかくキャリアがあるのに、それを活かす受け皿が、まだまだ少ないのが現状である。女性の力を活かすプラットフォームとして、このサービスは可能性を持っていると実感した。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

カテゴリートップへ

最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ