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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第84回

超絶リアルな1/12徹甲弾を去年のワンフェスで手に入れました

2017年07月17日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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去年の夏のワンフェスで買ったモノ

 今年もいよいよ夏のワンフェスの季節がやってまいりました。ガレージキットの祭典ワンダーフェスティバル、通称ワンフェス。造形好きの方々にはいまさら説明の必要もないですが、プロアマを問わず自作のキットを展示・販売できるイベントです。毎年夏冬の2回開催されていて、この夏もワンフェス2017[夏]の開催が決定しています。

 ワンフェスでは当日版権という形で既存キャラクターの立体化が可能なため、版元の審査を通ったフィギュアやメカ、コスプレ用小物などがズラリと並びますが、オリジナルの造形物やミリタリー系、ドール衣装、1/12アクションフィギュア用小物など版権もの以外もたくさん展示・販売されています。

 去年の夏のワンフェスで購入したモノもそんなアイテムのひとつ。ミリタリー系であり1/12アクションフィギュア用小物であり実用品でもある88mm徹甲弾型消しゴムです。

去年の夏のワンフェスで買った88mm徹甲弾型消しゴム。サイズは1/12

 ワンフェスにはずいぶん前から行っているのですが、遊びに行ったりディーラーをやったりというのではなく、いつも取材のお仕事です。以前は個人ディーラーのブースで気になった物を紹介したりしていましたが、ここ数年は企業ブースの取材をしているため、個人ディーラーの方は駆け足で見て回れたらラッキーという感じ。途中で時間切れになることも多いです。

 去年の夏も個人ディーラーの卓は半分ほどしか見られなかったのですが、ササッと見ながら回っている最中、目に飛び込んできたのがこれでした。

 88mm徹甲弾というのは旧ドイツ軍が使用していた砲弾で、88mmというのは弾の直径を表わしています。この徹甲弾を撃つ砲は、88mm砲と呼ばれます。

 88mm徹甲弾型消しゴムは、その88mm徹甲弾を1/12に縮小し、先端に消しゴムを内蔵した物。制作されたのは(旧)和室工房さんで、初出は2015年夏のコミケでした。

パッケージもソレっぽい仕上がり

15-08-14は2015年夏のコミケの日付

見た目も消しゴムもこだわりまくり

 8がドイツ語でアハトなのでドイツ兵からアハト・アハトと呼ばれた88mm砲は、元々高射砲だったのですが、その性能の高さから対戦車砲など地上目標への砲としても使われ、さらには改良されて戦車に搭載されるようにもなりました。そのひとつが56口径88mm KwK36 L/56。ドイツの戦車、ティーガーIの主砲です。

 口径が56? 口径って砲の直径だから88mmじゃないの? と思われるかもしれませんが、これが砲のスペックのややこしいところ。

 拳銃の場合、たとえば.38口径といったら弾丸の直径が0.38インチ、つまり約9.65mm。45口径といったら0.45インチ、約11.4mmを指します。

 これが大砲になると砲弾の直径はうしろの88mmになります。では56口径というのは何かというと、砲身が砲弾の直径の何倍あるのかという値、つまりかけ算の係数であり、砲身の長さが88×56mm=4928mmということを示しています。

 口径という言葉が拳銃と大砲で違う意味になるのはややこしいし、2文字が3文字でもたいして変わらないから口径長でいいじゃんと思うのですが、なんで口径って略すんですかね。

 まぁ口径の話はさておき、砲弾の直径が88mmなので1/12サイズのこれは直径約7.3mm。3本セットで、替えの消しゴムが5個とディテールアップ用の水転写デカールが2種類付属しています。

3発入り。替えの消しゴムやデカールも付いています

 素材は弾頭部がジュラルミンの削り出しに黒アルマイト処理。ジュラルミンはアルミニウムと銅やマグネシウムなどからなる合金で、純粋なアルミに比べて強度が高くなっています。アルマイト処理というのはアルミニウムのメッキ加工です。

 薬莢と底部に付いている信管は真鍮の削り出し。真鍮は銅と亜鉛の合金で、実物の薬莢でも使われる素材です。

弾頭は消しゴム+ジュラルミン、薬莢は真鍮製

直径約7.3mm。底部にはリアルな信管がセットされています

 弾頭の消しゴムは、食べ物や動物、キャラクターものなどのおもしろ消しゴムで有名なイワコー製。同社の消しゴムはJISの消字率試験を受け、規格値80%のところを87.7%と楽々クリアしているとのこと。昔のスーパーカー消しゴムやキャラクター消しゴムなどは消しゴムとは名ばかりでゴシゴシすると汚れが広がるばかりでしたが、この88mm徹甲弾型消しゴムはちゃんと消すこともできます。

 既製品を流用したのかと思いきや、イワコーで金型を製作し成形してもらったとのことで、気合いの入りっぷりが半端じゃありません。

消しゴムはおもしろ消しゴムで有名なイワコー製。よく消えます

金型から作った消しゴム。すごいなぁ

 砲弾のマーキングを再現するデカールは水に浸けて貼り付ける水転写式。2種類用意されているので、好きな方を選んで貼り付けます。用意する物はお皿に入れた水とティッシュ、ピンセット、綿棒、ハサミ。まずは必要なデカールを切り取ります。

水転写デカールが付属。2種類のマーキングを再現できます

貼りたいデカールを切り取ります

 次に切ったデカールを水に入れます。時間は10秒ほど。裏返して入れると台紙に水が染み込んでいく様子がわかります。取り出したデカールをティッシュにのせて水気を切り、15秒ほど待ってから指先でそっとスライドさせると台紙からデカールが剥がれて動きます。動かないときはもう少し待ってみて、それでもダメならもう一度水に数秒入れてみます。

 スライドさせつつそのまま貼り付けてもいいんですが、デカールが小さいとやりにくいので、ピンセットでつまんで貼り付けました。最後に水を付けた綿棒で微調整し、乾いた側で水分を吸い取れば完成!

デカールを裏返して水に入れて10秒待ちます

水から取り出してティッシュで水気を切ります

15秒ほどすると台紙から剥がれてスライドさせることができます

水を付けた綿棒で微調整し、乾いた側を押し付けるようにして水分を取ります

完成!

 消しゴムとして使えるのはもちろん、1/12サイズのアクションフィギュアの小物としてもピッタリ。1/12の88mm砲が欲しくなってしまいそうです。

 (旧)和室工房さんでは7月30日のワンフェス2017[夏]のほか、8月のコミックマーケットC92や7月23日(日)に都立産業貿易センター台東館で開催されるビクトリーショーに出展予定とのこと。出品物についての最新情報は現在準備中で、近いうちにウェブサイトに掲載する予定だそうです。気になりますね!

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