デルからコンシューマ向け液晶ディスプレー「Sシリーズ」新製品として、27型の「S2718D」が登場した。次世代高画質技術HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応しており、一般的な液晶ディスプレーよりも幅広い明度差を表現することが可能だ。
また、極薄で洗練されたデザインの本体や、sRGBカバー率99%という色域の広さ、直販サイトで8万1864円というリーズナブルな価格も大きな魅力になっている。今回、S2718Dの実機を試すことができたので、今回は製品の基本的な特徴を紹介していこう。
極薄で洗練されたデザインを採用
S2718Dは、WQHD(2560×1440ピクセル)解像度の液晶パネルを搭載したパソコン用外付けディスプレーだ。画面サイズは27型と大きいが、同社が「Infinity Edgeディスプレイ」と呼んでいる狭額縁を採用することで、およそ幅611.8×高さ453.2mmというコンパクトな本体を実現しているのが特徴。
奥行きもおよそ180.4mmしかなく、真横から見るとパネル部分の薄さが引き立つデザインになっている。本体カラーは同社のノートパソコン「XPS」シリーズなどと同様にシルバーが基調になっており、高級感があって部屋のインテリアなどにも合わせやすいのがうれしい。
モニタースタンドは固定されており、取り外しはできないが、パネル部は前5°、後21°、左右45度に角度調節が行える。アームやヒンジ部分はぱっと見た感じは華奢だが、思った以上にしっかりつくられており、角度調節もやりやすかった。
インターフェースはHDMI端子、USB Type C端子、USB 3.0端子×2、音声ライン出力×1という構成になっている。いずれのポートも台座の背面に搭載されており、アクセスしやすく、ケーブルの取り回しも楽なのがありがたい。USB Type C端子を搭載したノートパソコンなら、本製品とケーブル1本をつなぐだけでビデオ、データ、電源のやり取りをすべてまかなえてしまうため、机周りのケーブルを減らしてスッキリさせることが可能だ。
広色域・広視野角のIPSパネルを採用
S2718DはIPS方式の液晶パネルを採用しており、視野角は上下・左右ともに178度となっている。また色域(色を表示できる範囲)も広く、パソコンの標準的な色域であるsRGBの99%をカバーする。
そのため、パソコン向けコンテンツであれば、スペック上はほぼ制作者の意図通りの色で表示可能だ。実際にさまざまな写真や映像を表示してチェックしてみたが、原色に近い色や、暗部・ハイライト付近の色もオリジナルに忠実に再現されており、写真編集や映像編集などのクリエイティブワークにも十分使える性能を備えていると感じた。
コントラスト比は1000:1(ダイナミックコントラスト比は800万:1)と標準的なスペックだが、S2718Dはパネル表面で光が拡散しにくいグレアパネルを採用しているため黒の締まりが良く、立体感や奥行きの感じられる表示が可能だった。
ちなみに画面の輝度やコントラストなどは、OSDで調節することが可能。OSDは、台座部分の前面に搭載されているコントロールボタンを押せば呼び出せる。設定項目のうち「色」では、用途に応じて画面の色合いを変更可能。S2718Dの目玉機能である「HDR」を利用する場合は、この設定画面でプリセットモードから「ムービーHDR」または「ゲームHDR」を選んでおく必要がある。
なおOSDでは、中間階調の応答速度を変更することもでき、「高速」と「通常」の2種類から選択可能。ただし通常モードで8ms、高速モードでも6msと差はそれほど大きくない。実際にテロップがスクロールする映像などを試してみたが、両モードの違いはあまり分からなかった。通常モードでも多少残像感はあるものの十分見やすくあまり気にならないレベルなので、普段は「通常」のままでも問題なさそうだ。
試用機の主なスペック | |
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製品名 | S2718D |
画面サイズ | 27型 |
表示解像度 | 2560×1440ピクセル |
視野角 | 垂直178度、水平178度 |
輝度 | 300cd/m2 |
ダイナミックコントラスト比 | 800万:1 |
コントラスト比 | 1000:1 |
入力端子 | HDMI端子、USB Type C |
インタフェース | USB 3.0端子×2、Analog 2.0音声ライン出力(3.5 mmジャック) |
サイズ/重量 | およそ幅611.8×奥行180.4×高さ453.2mm(スタンドを含む)/約10.30kg(梱包時) |
付属品 | 電源ケーブル、電源アダプタ、HDMIケーブル、USB Type-Cケーブル |