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ちょっと気になる! 小便利そうな周辺機器レビュー 第74回

テキトーに撮ってもそれっぽくキレイな写真になる! ソニーのフルサイズ対応中望遠レンズ「SEL100F28GM」

2017年05月10日 12時00分更新

文● 林佑樹、撮影協力●北見えりさん

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「SEL100F28GM」。今回は「α7RII」でテストしている

「SEL100F28GM」。今回は「α7RII」でテストしている

 近年デジタル一眼カメラは人気である。読者諸君らの中にも、えさほーいと撮影している人も多いハズ。

 ボディーだけでなく、レンズ選びも楽しさひとつであり、レンズを変更するだけで、大きく描写が変化するため、広大な沼が広がっている。

 というわけで、今回は久しぶりに登場したソニーのSTFレンズ「SEL100F28GM」(Eマウント、実売価格18万6000円前後)を見ていこう。成長した気になりたいなら、この1本だ。

保持はしやすく、そこそこ軽い

T5.6~8間がSTFゾーン。またその下にあるのがマクロ切り換えリング

T5.6~8間がSTFゾーン。またその下にあるのがマクロ切り換えリング

 SEL100F28GMはSTF(Smooth Trans Focus)レンズで、アポダイゼーション光学エレメントを採用し、滑らかなボケ味を実現しているのが特徴だ。

 アポダイゼーション光学エレメントとは、特殊効果フィルターのことで、合焦部はシャープでありつつ、前ボケ・後ろボケを滑らかなで美しいボケ味にする点で大きく寄与している。

 構成を見ていくと、10群13枚、11枚羽根円形絞り、焦点距離100mm、フィルター径72mm、光学手ブレ補正機構内蔵、最大径85.2mm、全長118.1mm、重量約700g。

 同社のフルサイズ一眼「α7RII」にセットした場合、軽くも重くもなくで気楽に振り回せる重量感といったところになる。

レンズ左側面

レンズ左側面にはフォーカスリング、フォーカスホールドボタン、絞りリング、フォーカスモードスイッチ、手ブレ補正スイッチ、マクロ切り換えリングがある

右側面

右側面には各リングのほか、絞りリングクリック切り換えスイッチがある

専用ケースも付属する

専用のソフトキャリングケースが付属する

 最短撮影距離と最大撮影倍率はマクロ切り換えリングを使用することで変化する。レンズ側で「0.57m-1.0m」「0.85m-∞」の切り換えが可能で、「0.57m-1.0m」時は最短撮影距離約57cm、最大撮影倍率0.25倍、「0.85m-∞」時の最短撮影距離約85cm、最大撮影倍率0.14倍となる。

合焦部まで約57cmからの状態で、左からT5.6、T8、T11。合焦部の解像がいい意味でキモい。イエスな解像だ。また、背景の溶け具合もわかるはず。寄ってT5.6で撮影すると合焦部以外はほわわーである

被写体から離れた場合の前ボケと後ろボケは滑らかなもので、扱いやすい

丸ボケもキレイで、年輪もない。T5.6の場合は独特なボケ具合となる

丸ボケもキレイで、年輪もない。T5.6の場合は独特なボケ具合となる

前ボケも思いっきりほわわーとなる

前ボケも思いっきりほわわーとなる

 また「F」ナンバーではなく、センサーが受け取る実際の明るさを示す「T」ナンバー表記となっている。これはアポダイゼーション光学エレメントを採用しているため。レンズの明るさはF2.8。なおEXIFではF5.6と表記される。

合焦部以外は大きくボケるため
初級者でも“それっぽい”写真が撮れる

スナップとして考えると、気になったものを楽に強調できるのでお手軽だ

スナップとして考えると、気になったものを楽に強調できるのでお手軽だ

 使用時は基本、開放であるT5.6でよく、奥行きのある小物を撮るときにT8に変更するくらいで、絞りに関してはあまり考えないでいい。

 ケラレについては、T5.6でも目立つほど確認できず、また解像についても、端までシャープだ(中央部から見るとやや劣るが、気にならないと思われる)。

 そのため、撮影に集中しやすく、お手軽。合焦部以外は大きくボケると覚えておくだけでよく、中望遠ではあるが、カメラに不慣れな人でも“それっぽい”写真を撮れるため、案外、オススメかもしれない。

 近年のデジカメは高感度に強いものが多く、T5.6スタートだとしても、場所をあまり選ばないからだ。

 留意点としては、遠くにあるものをAFで撮影しようとするとき、システム上のAF観測点ではOKそうに見えても、撮影データではピンぼけというシーンと多く遭遇した。

 体感的なものになるが、6m以上離れているターゲットを狙う場合は、MFのほうがいいかもしれない。

 といった点から、全身を入れるようなポートレート用としては、ちょっとフットワークに難があるし、動体を狙う場合も事前のテストは必須だ。

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