スマホの魅力やセールスポイントと言えば、これまではSoCのコア数、バッテリー容量、画面サイズ、薄さなどが発表会でプッシュされることが多かった。しかし、これらの要素はミドルクラスのスマホでも当たり前になってきて、今では画面占有率や解像度などが重視され、単純なスペック推しではなくりなってきている。また、メーカーがこぞって力を入れているカメラについても、性能だけならほぼ横並びで各社のチューニングが自分の好みに合うか合わないかという状況だ。
それでは端末に対する付加価値はなんなんだという話だが、少し前から「ハイレゾ」がキーワードになり、高音質をウリにするスマホもいくつか登場した。そんな状況下で出てきたのが、ONKYOの「GRANBEAT」。音楽再生に特化した端末である。今回はこのGRANBEATをチェックしていく。
本体はゴツいが所有感マシマシ
GRANBEATの優れた音楽再生能力の代償となっているのが、サイズと重量だ。5型(IPS、フルHD)を採用し、サイズは72×142.3x11.9mm、重量は約234gと、2016年以降に登場したスマートフォンの中では、最高クラスに分厚く重い。これはオーディオ専用基板(ESS ES9018K2M、SABRE 9601K、それぞれ2基ずつ実装)を搭載したことや、ノイズガードをガッツリと導入しているためだが、ひと目で「GRANBEAT」とわかるのは、ある意味で強みともいえる。
外観は一部を除いてほぼフルフラットで、その分厚さもあり自立可能。特徴ともいえる大型ボリュームノブを備える左側面のみ、指で操作しやすいように複雑なカーブを描いている。本体頂部には、3.5mm4極出力端子と2.5mm4極出力端子を備え、2.5mm4極出力端子はバランス駆動にも対応、右側面には誤操作防止用のホールドスイッチもアリと、音楽視聴前提の仕様が目立つ。
スペックはSoCがSnapdragon 650、メモリー3GB、内蔵ストレージ128GB、バッテリー容量3000mAhとまずまずのもの。ウェブブラウズやSNS、写真加工、3Dなどを使わない軽いゲームについては特に問題ない。またDSDSにも対応しており、対応バンドはスペック表を見てほしい。
ポイントとしては、microSDXCスロット(最大256GB)がSIMスロットと独立して用意されており、内蔵ストレージ128GBに加えmicroSDXCカードを利用すれば、ノートパソコン顔負けのストレージ容量を使える。WAVやFLACなどのハイレゾ音源はファイルサイズが大きいため、ポータブル音楽プレイヤーとしては大容量で困ることはない。
カメラについては、アウトカメラは1600万画素でイメージセンサーにはSONY IMX298を採用しているので描写はそこそこいい。目立った味付けはないが、無難な描写をしてくれるため、スマホ的な運用でも十分使える(下のサンプル写真は実寸で掲載しているのでパケット量に注意)。
「DP-CMX1」の主なスペック | |
---|---|
ディスプレー | 5型液晶(1080×1920ドット) |
CPU | Snapdragon 618 1.8GHz+1.4GHz(ヘキサコア) |
メモリー | 3GB |
ストレージ | 128GB |
カメラ | アウト:16メガ(F2.0) イン:8メガ(F2.2) |
SIMスロット | nanoSIM×2 |
対応バンド | LTE:1/3/8/19/26 3G:1/5/6/8/19、4バンドGSM |
無線LAN | IEEE 802.11ac |
Bluetooth | 4.1 |
DAC | ESS「ES9018C2M」×2 +「SABRE 9601K」×2 |
音声出力 | 2.5mm4極バランスヘッドフォン 3.5mm4極アンバランスヘッドフォン |
実用最大出力 | 75mW×2(アンバランス)、150mW×2(バランス) |
S/N比 | 115dB以上 |
再生周波数帯域 | 20Hz~80kHz |
ボリューム | 61ステップ(0含む) |
L/Rバランス調整 | ○ |
バッテリー | 3000mAh |
サイズ/重量 | 72×11.9×142.3mm/約234g |
この連載の記事
-
第517回
スマホ
安く買えて普段使いに問題なし! バランスが良いオススメのミドルレンジスマホ3選 -
第516回
スマホ
カメラやAIの性能に違いはあるのか? Xiaomi 14Tと14T Proを使い比べてみた -
第515回
スマホ
日本発売が決定した可変絞りカメラ搭載のハイエンドスマホ「nubia Z70 Ultra」速攻チェック -
第514回
スマホ
2人同時に音楽を楽しめる青春スマホ「nubia Music」に新しい可能性をを見た -
第513回
スマホ
4万円で買えるゲーミングスマホも! コスパに優れたデザインスマホ「realme 13」シリーズがアツイ! -
第513回
スマホ
100倍望遠が実用的なスマホ「vivo X200 Pro」はカメラ性能が変わらず最強だった -
第512回
スマホ
ツァイスカメラ搭載のスマホ「vivo V40」は可変色LEDライトでポートレート撮影も得意 -
第511回
スマホ
価格も性能も妥協したくない人にオススメの王道ハイエンドスマホ3選 -
第510回
スマホ
スマホは高くない! 2万円台で買えるオススメ格安エントリースマホ4選 -
第509回
スマホ
着せ替えスマホ「CMF Phone 1」はカスタマイズが楽しいが実用面での弱点もあり -
第508回
スマホ
たたんでも極薄9.2mm! 世界最薄折りたたみスマホ「HONOR Magic V3」を試す - この連載の一覧へ