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セブンが値下げ戦略でファミマ、ローソンに見せつけた規模の力

2017年04月10日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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セブンは値下げの背景について「グループのスケールメリットを生かして仕入れ体制を強化した」と説明している Photo by Hiroyuki Oya

業界王者がスケールメリットを生かして競合に宣戦布告──。

 コンビニエンスストア大手のセブン-イレブン・ジャパンは、4月19日から日用雑貨を値下げする。洗剤やシャンプー、オーラルケア用品など61品目が対象で、値下げ幅は平均で約5%だ。

 今回の値下げの特徴は、セブンが自社開発したプライベートブランド(PB)商品ではなく、大手メーカーが展開するナショナルブランド(NB)商品であることだ。

 例えば、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)の「除菌ジョイ コンパクト詰替」は30円値下げして248円(税込み)に、ライオンの「システマハブラシ」は30円値下げして235円(同)になる。

 NB商品の日用雑貨の値下げは、2009年に47品目の価格を変更して以来、8年ぶりとなる。

 セブンの石橋誠一郎商品本部長は、「消費環境は厳しくなっている。NB商品を実勢価格に合わせていくことで“値ごろ感”を感じてもらいたい」と狙いを語る。

 コンビニの日用雑貨はスーパーやドラッグストアよりも割高だった。

 今回の値下げは、こうした価格差を縮めることで、スーパーやドラッグストアから主婦層などの顧客を奪いたいという思惑が透けて見えるが、業界関係者は、「セブンの真の狙いは競合の体力を低下させること。特に苦しくなるのはローソンではないか」とみる。

メーカー交渉で差

 最大手のセブンが値下げを行えば、ファミリーマートとローソンも追随せざるを得ない。加盟店オーナーから「セブンのように値下げできないのか」と声が上がるからだ。

 このメーカーとの交渉で、ものをいうのが規模の力である。セブンの約1万9000店、ファミマの約1万8000店に対し、ローソンは約1万2000店と差をつけられている。

 さらに、セブンはイトーヨーカ堂、ファミマはユニーと、それぞれグループ内に日用雑貨の取扱量の多い総合スーパーを抱えている。このため、ローソンよりも有利な条件を出しやすいのだ。

 ローソンも昨年6月から、洗剤や飲料など約90品目について「地域別価格」を本格的に導入。全国を7エリアに分け、地域ごとに地元のスーパーなどでの販売価格を調べ、価格差があった商品については値下げを行っている。

 ただ、ローソンの玉塚元一会長は「地域によって割高過ぎる価格は調整するが、安売り合戦の流れになってしまえば誰も幸せにならない」と、セブンの戦略とは一線を画す構えだ。

 とはいえ、再編が進み、3強時代に突入したコンビニ業界において、業界王者が規模の力で値下げに踏み切ったことで、3強の過酷な生存競争が激化することだけは間違いない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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