周囲の音環境に応じてオーディオを調整
音楽再生を試す前に、ノイズキャンセル機能を試してみた。ノイズキャンセルをオンにすると、エアコンや暗騒音ノイズはスッと消える。
ただしあまり強烈な効果ではなく、一般的な住居やオフィス程度では十分に静かだが、音楽再生を停止すると地下鉄のホーム内などでは多少周囲の暗騒音や近くの人の話し声は聞こえてくる。その分、ノイズキャンセル特有の閉塞感のような感じなどはなく、自然な感触だ。
面白いのがオプティマイザーの最適化。オプティマイザーを使うとちょっとした信号音が再生されて環境の測定が行なわれる。測定時間はほんの数秒で、いろいろな場所で試してみたがノイズキャンセル効果が大きく変化するのではなく、音楽の聴こえ方が変化する。
音の広がりがスムーズになり、イヤフォン特有の頭内定位の感じが緩和され、音が耳の外から入ってくる感じになる。低騒音化の効果よりも、耳穴内の不要な反響がなくなり、より自然な音になるイメージで、これはなかなか好印象だ。
音楽再生の実力もなかなかのもの。低音から高音までバランスよくまとめられた音で、芯の通った力強い鳴り方をする。
このため、ボーカルも力感や強弱の変化がよく出る。個々の音の粒立ちもよく、クリアで解像度の高い音が楽しめる。クラシックのような音数の多い楽曲を聴いても、個々の楽器の音色を鮮明に描き分けるし、やや細身ではあるが雄大なパワー感やスケール感もよく出ている。
対応するデジタル信号は48kHzなのでハイレゾ音源をそのままの音質で再生することはできない(ハイレゾ対応アプリの場合はダウンコンバート出力になる)。とはいえ、クリアで情報量の豊かな音は、十分以上の実力と言っていい。
リモコン部にあるマイクを使った通話だけでなく、例えばSiriを呼び出して音声通話で操作をできるなど、いわゆるスマホ用ヘッドセット以上の機能が実現されているのは便利だ。
音楽再生用としてだけでなく、iPhoneをより快適に使うためのアプリとしてなかなか魅力のあるモデルだと感じた。
次回はスマホや携帯プレーヤーでハイレゾ音源を
高音質で楽しみたい人向けの製品を紹介!
ワイヤレスによる快適な使い勝手や、Lightning接続で今までにない高機能を実現するなど、スマホ用のヘッドフォン/イヤフォンはなかなか面白い状況になってきている。
高音質は大事だが、より快適さや利便性を考えるならばこれらのモデルがおすすめだ。
次回はハイレゾ音源にも対応する高音質モデルを紹介する。今の携帯オーディオプレーヤーはハイレゾ対応が主流だし、Android端末にもハイレゾ対応モデルが増えている。
そして、iPhoneも専用アプリを使うことでハイレゾ再生は可能。屋外でもより高音質で楽しみたいという人ならば、屋外用のヘッドフォン/イヤフォンでも高音質モデルに注目してほしい。
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