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「HP Spectre x360 13」 - 重さ1.31キロで約15時間動作! 性能とデザインをさらに極めた2in1

2017年03月27日 11時00分更新

文● 山口優 編集○ハイサイ比嘉

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日本HPの「HP Spectre x360 13-ac000」シリーズ

 日本HPから、360度回転する13.3型液晶ディスプレーを搭載した2in1 PC「HP Spectre x360 13-ac000」(以下、「HP Spectre x360 13」)シリーズが発売された。2015年11月に発売された「HP Spectre 13 x360 Limited Edition」の後継モデルで、アルミ削り出しの高級感あふれる筐体はそのままに、狭額ベゼルなどの採用で一層の小型軽量化がはかられているのが特徴だ。また、新たに4Kディスプレーを搭載したモデルが追加されるなど、ラインアップの拡充もはかられている。

 今回は、そのうちCore i7-7500UとフルHD液晶ディスプレーを搭載した「スタンダードモデル」を試すことができたので、製品の特徴や実際の使い勝手を紹介していこう。

上質で耐圧性に優れた筐体を採用

 日本HPの「Spectre」(スペクトル)は、先進性やデザイン性を重視して開発されている個人向けノートパソコンのプレミアムブランド。360度回転するディスプレーを備えた2in1コンバーチブルの「Spectre x360 13」と、クラムシェルノート型の「Spectre 13」の2製品がラインアップされている。

 「Spectre x360 13」は搭載するCPUやストレージ容量、液晶ディスプレーの解像度などで「ベーシックモデル」、「スタンダードモデル」、「パフォーマンスモデル」の3モデルに分かれている。今回試したのは、そのうち、上級機の性能を備えつつもストレージ容量や画面解像度などを抑えて購入しやすいHP Directplus価格を実現した「スタンダードモデル」だ。Core i7-7500U、16GB RAM、512GB SSD(PCIe NVMe M.2)、フルHD(1920×1080ピクセル)13.3型液晶ディスプレーという構成で、直販サイトでは15万9800円から(税別)というHP Directplus価格で購入することが可能。ボディカラーは従来からあるアッシュブラックと、今回新たに追加されたナチュラルシルバーの2色が用意されている。今回試したのはアッシュブラックの方だ。

ボディカラーは従来からあるアッシュブラックと、今回新たに追加されたナチュラルシルバーの2色が用意されている。今回試したのはアッシュブラック

アッシュブラックは、温かみのある黒とゴールドを基調にした高級感のあるデザインが印象的だ

 実際に「Spectre x360 13」を手にして、まず印象に残ったのが、その薄さと軽さ。前モデルは厚みが約15.5mm(最厚部約17mm)、質量が約1.45kgあったが、「Spectre x360 13」はそれぞれ約13.9mm(最厚部約14.9mm)と約1.31kgに薄型軽量化がはかられている。さらにナロー(狭額)ベゼルの採用で本体幅が2cm近く短くなっており、フットプリントは12.5インチクラスのノートPCとほぼ同じ。バッグにもスッキリ収納することができる。

本体の厚みは約13.9mm(最厚部約14.9mm)、質量は約1.31kgと薄型軽量設計

 しかも「Spectre x360 13」は、これだけコンパクトなのにもかかわらず約300kgfの天面加圧試験をクリアしており、本体の剛性は非常に高い。実際、ディスプレーを開け閉めする際も天板がたわんだりきしんだりすることなく、使っていても安心感があった。

約300kgfの天面加圧試験をクリアしており、本体の剛性は高い

 「Spectre x360 13」試用機の液晶ディスプレーはフルHD(1920×1080ピクセル)のIPSパネルで、画素密度は約166ppiとなっている。上位機の「パフォーマンスモデル」が搭載する4K UHD(3840×2160ピクセル)液晶ディスプレーの約331ppiほど細かくはないが、それでも肉眼だと液晶にかなり近づかないと画素を識別できない程に精細だ。グレア(光沢)パネルのため映り込みはあるが、黒が引き締まって見え、静止画も動画もくっきり見栄えのする表示で楽しめた。色再現性や階調表現力も高く、彩度の高い赤・青などの潰れやすい色や、グラデーション、人肌なども綺麗に表現された。

液晶ディスプレーは視野角の広いIPSパネルを採用。グレア(光沢)パネルなので映り込みはあるが、黒が引き締まったメリハリのある表示だ

 キーボードはバックライト付きで、キーピッチが約19mm×18.7mm、キーストロークが約1.3mmとなっている。ストロークがやや浅めだが、カチャカチャした安っぽさはなく、打鍵感はなかなか良い。homeキーやpg up/dnキー、endキーなどが省略されず、独立して搭載されているのもユーザーによっては嬉しいポイントだろう。

キーピッチが約19mm×約18.7mm、キーストロークが約1.3mmのアイソレーションキーボード

キーボードはバックライトが内蔵されており、暗所でもキートップの文字が見やすい。バックライトはオフにすることも可能

 インターフェイスは、本体左側面にUSB3.1 Gen1(Type-A)、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート、電源ボタンを搭載。また、右側面にはUSB Type-C 3.1 Thunderbolt 3×2と音量ボタンを装備している。USB3.1 Gen1(Type-A)のおかげで、すでに所有しているUSB機器にまったく困ることなく対応でき、しかもUSB Type-C 3.1 Thunderbolt 3×2により将来登場するであろう最新機器もサクッとつなげられるというわけだ。USB Type-Cのみ搭載のモバイルノートの場合、変換アダプターが必要になり結局荷物が増えることになりかねないため、この配慮をありがたく感じる方は多いはずだ。

本体左側面にUSB 3.1 Gen1(Type-A)、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート、電源ボタンを搭載。USB 3.1 Gen1(Type-A)のおかげで、すでに所有しているUSB機器などをつなげやすい

本体右側面にはUSB Type-C 3.1 Thunderbolt 3×2と音量ボタンを装備している

 このほか「Spectre x360 13」には、液晶ディスプレーの上部にフルHD動画撮影に対応した200万画素のWebカメラと、Windows Helloの顔認証に対応した赤外線(IR)カメラ、デュアルマイクが搭載されている。最近は狭額縁ベゼルのノートが増え、Webカメラをディスプレー下部に搭載している製品もあるものの、実用上はディスプレー上部にWebカメラが配置されているほうが使いやすいと感じる。

液晶ディスプレーの上部にフルHD動画撮影に対応した200万画素のWebカメラ、Windows Helloの顔認証に対応した赤外線(IR)カメラ、デュアルマイクが搭載されている。写真はWebカメラ使用時の状態

BANG & OLUFSENとの共同開発によるクアッドスピーカーも魅力的だ

 「HP Spectre x360 13」には、キーボード奥と本体底面には、海外高級車にも採用されている高級オーディオブランドのBANG & OLUFSENとの共同開発によるクアッドスピーカーが内蔵されており、低域から高域まで豊かなサウンドを再現してくれる。キーボード奥のフロントスピーカーと、本体底面のボトムスピーカーにより、「HP Spectre x360 13」を、後述する4モードを活かしさまざまなスタイルで利用しても違和感なくサウンドを楽しめるのだ。

 特にクラムシェル型ノートとして利用する「ノートブックモード」(後述)の場合、直接耳に届くフロントスピーカーと、デスクに跳ね返って届くボトムスピーカーとでサラウンド効果を得られることに注目だ。実際に木製の机の上で使用したところ、底面のスピーカーからの音もこもることなくしっかりと低音を再生してくれた。「Spectre x360 13」はノートPCの内蔵スピーカーとは思えないほど大きく音量を上げられるのだが、大音量でも音が割れにくいのも好印象だった。

キーボード奥と本体底面にBANG & OLUFSENとの共同開発によるクアッドスピーカーが内蔵されている

スピーカーは好みに合わせてチューニング可能

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