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旅人から複業家、そしてコミュニティマーケティングの伝道師へ

AWSだった小島英揮さん、パラレルキャリアの道をただいま爆走中

2017年03月10日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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マーケティングの教科書では「良質なコンテンツの作り方」を教えてくれない

大谷:こうしたコミュニティマーケティングって、最近流行のマーケティングオートメーション(MA)とある意味逆の流れに捉えているんですけど、どうなんでしょうか?

小島:マーケティングの教科書には「良質なコンテンツを届けましょう」と書いてありますが、実際書かれているのは届け方の施策ばかりで、良質なコンテンツの作り方は教えてくれないんです。一方で、カスタマーボイスは良質なコンテンツであり、マーケットから得られるもの。そして、コミュニティはそれらを吸い上げやすい仕組みです。コンテンツをタイムリーに届ける方法として、マーケティングオートメーションは効くと思います。でも、コンテンツがないのに、届ける手法にフォーカスするのは、本末転倒です。

「マーケティングの教科書では良質なコンテンツの作り方は教えてくれないんです」(小島)

大谷:逆にわれわれメディアとして、コンテンツは作るんですけど、クライアントさんのランディングサイトが正直いまいちなことあります。

小島:コミュニティは良質なコンテンツを生成する仕組みとして有効です。だから、人によってはコンテンツマーケティングそのものだし、エンゲージマーケティングやファンマーケティングと呼ばれるモノと同義です。でも、キモはほかのお客様に響く情報をどのように生成するかだと思います。

CMC_Meetupではコミュニティを盛り上げるための「オフラインファースト」「コンテキストファースト」「アウトプットファースト」の原則は必ずお話しします。これを満たしているかをチェックすることで、うまく回っているかわかると思います。

大谷:みなさん、どこらへんに困っているんでしょうか?

小島:コミュニティリーダーを見つけるところですかね。本人はやる気満々なんですけど、そうでない人の見極めや巻き込み方、権限の委譲に困っている感じかなと。そのやり方が、まだ十分に「言語化」できていないのが課題だと思っています。なので、みなさんがコミュニティマーケティングを実践した結果をフィードバックしてくれれば、「言語化」が進み、実践に対する敷居が低くなってくると考えています。

今後はコミュニティマーケティングというのが、マーケティングの一分野になるといいなと思います。一子相伝なやり方だと思われていると拡がらないので、CMC_Meetupは自分が体験したことを、みんなで使えるようにする「言語化」するプロセスです。そして、もっとブラッシュアップをかけて、自分が担当している会社で実践するというフィードバックループを構築したいですね。

大谷:最後に今後の野望をお聞きしたいです。小島さんって、自らスタートアップを起こした玉川さん、別の大企業で新しいことにチャレンジしている砂金さんと異なった、パラレルキャリアという新しいロールモデルを切り開く役割が課せられたのかなと思っています。

小島:残念ですが、私がそういう役割に切り込むことになりそうです(笑)。

でも、どうせやるなら、パラレルキャリアが現実的な選択肢になることを証明したいですね。もちろん、当初はそんなことは考えていなくて、インプットを増やそうとしたら、結果的にパラレルキャリアになったというのが現実です。でも、大谷さんがおっしゃったみたいに、確かにロールモデルがいない。悪い働き方ではないので、これをきちんと成功させて、あわよくば後に続く人のロールモデル的な存在になれるといいなと思っています。

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