正統進化したスタンダード
「PRIME Z270-A」
PRIME Z270-Aは、今回から「PRIMEシリーズ」として展開されるスタンダードシリーズのミドルレンジモデルだ。現時点で日本市場に投入されるPRIMEシリーズの中では最上位のモデルである。
PRIMEシリーズの魅力は、ASUSならではの信頼性と使い勝手だ。その信頼性を示す要素として同社がアピールするのが「5X Protection」。今世代から「SafeSlot(Safe SlotCore)」が加わり、「5X Protection III」となっている。
Safe Slotは、PCI Express 3.0 x16スロットのハンダ固定を強化しつつ、金属シールドで補強することで、ビデオカードの荷重でスロットが変形したり破損したりすることを防ぐ。重いGPUクーラーを搭載したハイエンドビデオカードも不安なく利用できる。
なお、PRIME Z270-AはフルスペックのSafe Slot、他のPRIMEシリーズ(PRIME Z270-Kなど)は、ハンダ固定強化のみのSafe Slot Coreを装備している。
使い勝手に関するASUSの自慢の独自機能がファンコントローラーの「FanXpert 4」だ。デューティサイクル調整によるPWM制御と電圧によるDC制御、両方の制御方式に対応するだけでなく、PWM制御のファンをDCで制御することで下限を超えて低回転動作させる「Extreme Quietモード」や、ファンごとに参照する温度センサーを指定できるなど、静音を極めたいユーザーのニーズに的確に応える機能が実装されている。
さらに、水冷(液冷)ポンプ用のヘッダ、3Aの電流に対応する「High AMPファンヘッダ」、過電流や高温対策の保護チップを実装するなど、ハードウェア的な部分も強化している。
オンボードオーディオの「Crystal Sound 3」は、オーディオコーデックが従来のALC 1150から最新のALC S1220Aとなり、より高音質となった。従来同様、アナログ処理部分の基板分離、LRチャネルの配線レイヤー分離、ポップノイズ防止回路、オーディオグレードコンデンサなどを実装し、低ノイズ化/高音質化を図っている。
もちろん、Optane Memory ReadyのM.2ソケットのデュアル搭載、Type-CとType-A両方のUSB 3.1ポートの実装、SLI HBブリッジの同梱といった基本機能のトレンドもしっかりと満たしている。標準で光るのはオーディオ周辺のみと控え目だが、ROG LEDエフェクトのAURA/AURA Syncも搭載する。
スタンダードモデルらしいシンプルなデザインに、トレンド機能をソツなく盛り込んでおり、スキのないミドルレンジモデルに仕上がっている。
「Z270 Extreme4」スペック表 | |
---|---|
フォームファクター | ATX |
チップセット | Intel Z270 Express |
メモリー | DDR4-3866+(OC)対応×4 |
拡張スロット | PCI Express (Gen3) x16×3、PCI Express (Gen3) x1×4 |
ストレージ | M.2×1 (PCI Express Gen3 x4/Serial ATA 6Gb/s)、M.2×1 (PCI Express Gen3 x4)、SATA 6Gb/s×6 |
インターフェース | USB 3.1×2(Type A×1、Type C×1)、USB 3.0×6(背面4、ヘッダピン2)、USB 2.0×6(ヘッダピン6)、DisplayPort 1.2×1、HDMI×1、DVI-D×1、PS/2×1 |
ネットワーク | Intel「I219-V」 |
サウンド | 7.1ch HD Audio(Realtek ALC S1220A)「Crystal Sound 3」 |
この連載の記事
-
第4回
デジタル
VR BoostやM.2 Shieldなど独自性が光るMSIのZ270マザー -
第3回
マザーボード
LEDとサウンド、Thunderbolt 3にこだわるGIGABYTEのZ270マザー -
第1回
デジタル
新シリーズ展開、デザイン一新で攻めるASRockのZ270マザー -
マザーボード
Z270マザーどれを買う? 各メーカーの特徴を比較 - この連載の一覧へ