ゲーミング特化のミドルレンジ
「ROG STRIX Z270F GAMING」
今回から本格展開される「ROG STRIX」シリーズは、上位の「ROG MAXIMUS」同様のゲーミング向けの機能や演出を備えつつ、OC関連機能を若干省くことでリーズナブルな価格で提供するゲーミング特化のシリーズだ。
従来でいえば「PRO GAMING」シリーズの後継にあたる存在といえるだろう。ここでは、Z270チップセット搭載のATXモデル「ROG STRIX Z270F GAMING」を取り上げる。
一見して目に留まるのが、スタイリッシュなデザインだ。オーディオ部分以外モノトーンで統一したカラーリング、シャープなラインで構成したヒートシンクなど、実に洗練された印象だ。デザインコンセプトは「刀」、特徴的な基板のパターンは「刃文」をモチーフにしたものだという。
このデザインをより引き立てるのが光の演出。ROG LEDエフェクト機能「AURA」もグレードアップ。マザーボードだけでなく、周辺機器を同期させて同じように発光する「AURA Sync」機能が導入されている。
対応製品は同社製ビデオカードやキーボード、マウスのほか、他社製品のPCケースやメモリーなども含まれる。システム全体で統一感のある光のコーディネートが可能だ。
本製品を含めた同社のZ270マザーはすべて、M.2ソケット(PCI Express 3.0 x4対応)をデュアルで搭載する。オープンワールドのゲームやMMOではストレージ速度が重要になるだけに、ゲーミング体験も向上するという。このM.2ソケットは新世代メモリー技術「3D XPoint」を採用した「Optane Memory」にも対応する。
従来のNVIDIA SLIブリッジより広帯域でリンクできるNVIDIA SLI HBブリッジを標準で同梱するのも今世代からの特徴。このSLI HBはGeForce GTX1000シリーズから可能になったもので、単体で購入するとシンプルなデザインのものでも3000円前後するだけに、デュアルグラボでパワーアップを図りたいユーザーには朗報だ。
ROGブランドの製品は、従来より独自ソフトウェアも充実している。ROG STRIXシリーズも上位のROG MAXIMUSと同等の独自ソフトウェアが付属する。
具体的には、ゲーム内で発生した音を可視化することでゲームの進行を有利に進められる「Sonic Radar III」、音響管理ソフトウェア「Sonic Studio III」、RAMディスク作成ツール「RAMCache II」、SSD/HDDのクローンが作れる「CloneDrive」などがある。
Optane Memory ReadyのデュアルM.2ソケットやフロントUSB 3.1といったIntel 200シリーズならではの先進機能に、洗練されたデザインとAURA/AURA SyncによるRGB LEDエフェクトといったゲーミングマザーらしい演出、楽しめる要素がいっぱい詰まったゲーミングマザーだ。Z270マザーボードの定番的な存在として活躍しそうな製品である。
「ROG STRIX Z270F GAMING」スペック表 | |
---|---|
フォームファクター | ATX |
チップセット | Intel Z270 Express |
メモリー | DDR4-3866+(OC)対応×4 |
拡張スロット | PCI Express (Gen3) x16×3、PCI Express (Gen3) x1×4 |
ストレージ | M.2×1 (PCI Express Gen3 x4/Serial ATA 6Gb/s)、M.2×1 (PCI Express Gen3 x4)、SATA 6Gb/s×6 |
インターフェース | USB 3.1×2(Type A×1、Type C×1)、USB 3.0×6(背面4、ヘッダピン2)、USB 2.0×6(ヘッダピン6)、DisplayPort 1.2×1、HDMI×1、DVI-D×1、PS/2×1 |
ネットワーク | Intel「I219-V」 |
サウンド | 7.1ch HD Audio(Realtek ALC S1220A)「ROG Supreme FX」 |
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