このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第486回

2016年に登場したさまざまなデジカメで撮った猫

2016年12月02日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

フルサイズセンサー搭載一眼レフ
ペンタックス「K-1」

さすがフルサイズの一眼レフだけあって基本性能が高い。きれいにボケるし描写もいいし。で、ベランダでくつろいでる猫をその隙間から。高低差がある土地だったのでこの角度から撮れたのである(2016年6月 ペンタックス K-1)

さすがフルサイズの一眼レフだけあって基本性能が高い。きれいにボケるし描写もいいし。で、ベランダでくつろいでる猫をその隙間から。高低差がある土地だったのでこの角度から撮れたのである(2016年6月 ペンタックス K-1)

 一眼レフもいろいろと発売されたが、一番ユニークだったのが、ペンタックスのフルサイズ一眼レフ「K-1」。背面モニターがくねくねとフレキシブルに動くのだ。この発想はなかったレベルのユニークさとデジタルならではの多彩な機能と、老舗一眼レフメーカーならではのしっかりした作りが印象的だ。

横長ボディーが特徴的な
シグマ「sd Quattro」

狭い道の真ん中で猫発見。カメラを向けたら、気配を察して振り向かれた瞬間。前後がきれいにボケているのは、50-100mm F1.8なんていうすごいレンズ(重いけど)のおかげだ(2016年10月 シグマ sd Quattro)

狭い道の真ん中で猫発見。カメラを向けたら、気配を察して振り向かれた瞬間。前後がきれいにボケているのは、50-100mm F1.8なんていうすごいレンズ(重いけど)のおかげだ(2016年10月 シグマ sd Quattro)

 ミラーレス機も個性的なカメラが続々と登場した。

 筆頭はシグマの「sd Quattro」。独自設計の描写力が高いイメージセンサー、ユニークな横長のデザイン、同社一眼レフ用レンズをそのまま使える設計などかなり面白いカメラである。

 その実力を引き出せるかどうかは難しいところだけれども、引き出せたときの写りは抜群によい。

一眼レフに負けないミラーレス
富士フイルム「X-T2」

カメラを縦位置にしてモニターを開いて猫目線で撮影。座ってる猫は縦位置だときれいにおさまるのだ。縦位置猫写真を撮りたいときはこのカメラが欲しくなる(2016年10月 富士フイルム X-T2)

カメラを縦位置にしてモニターを開いて猫目線で撮影。座ってる猫は縦位置だときれいにおさまるのだ。縦位置猫写真を撮りたいときはこのカメラが欲しくなる(2016年10月 富士フイルム X-T2)

 各社ともハイエンドのミラーレス機は「もう一眼レフはいらない。これからはミラーレス一眼の時代だ」と言いたげに、思い切り性能を上げてきて、ミラーレス好きとしてはたまらん展開に突入したのである。

 その1つが「X-T2」。

 ファインダーは大きくて見やすいし、背面モニターは通常のチルトに加えて、横にも開く(つまり縦位置ローアングル撮影にも対応する)し、AFが速くなって動体の撮影にも対応できるし、連写も強いし。惜しむらくはタッチパネルに未対応なことだ。

 X-T2らしく縦位置で低い位置から撮った猫写真を。

ミラーレス機の大本命
キヤノン「EOS M5」

白い車の上でくつろいでた猫を発見。黄色い目でぎろっとニラまれた。寝たままったら単なる黒いふわふわした固まりでどこが顔だかどっち向いてんだかわからなくなるところであった……それはおおげさだけど(2016年11月 キヤノン EOS M5)

白い車の上でくつろいでた猫を発見。黄色い目でぎろっとニラまれた。寝たままったら単なる黒いふわふわした固まりでどこが顔だかどっち向いてんだかわからなくなるところであった……それはおおげさだけど(2016年11月 キヤノン EOS M5)

 いよいよ本格的にミラーレス一眼が、と思えるのはキヤノンが「EOS M5」を出したから。EOS Mシリーズは数年前からあったけど、今度はとうとう本気を出したぜ、的な気合いの入ったカメラなのである。

 最上位モデルとまではいかないが、ミドルクラスの一眼レフとタメをはれるレベル。小さいのに使い勝手はいいし、ファインダーもチルト式の背面モニターも自在に使える。

 これがヒットしたらいよいよミラーレス一眼の時代がはじまるかも。

 まだまだたくさんカメラは出たしこれからも出るのだがまずはこの辺で。

 猫って、

 遠くからそっと撮りたい→望遠が欲しい

 動いてる猫を撮りたい→高速AFが欲しい

 室内の飼い猫や夜に出会った猫を撮りたい→高感度が欲しい

 ふわっとゆるふわに撮りたい→明るいレンズが欲しい

 と、欲張るほど高性能なカメラが欲しくなる被写体なのだ。ああ恐ろしい。恐ろしい。

■Amazon.co.jpで購入


筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン