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スピードだけではないHANAの魅力とは、マーケティング担当幹部に聞く

「SAP HANA 2」発表、創業時からの目標を実現しつつあるSAP

2016年11月29日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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HANA 2の新しい機能、開発者向け無料版の「Express Edition」も

 それでは、HANA 2にはどのような特徴があるのだろうか。グッデル氏は、「データ管理」と「アプリケーションの開発」という2点にスポットを当てて説明する。

“イノベーションにフォーカスしてITを再構築する”ためのHANA 2と発表された(写真提供:SAP)

 データ管理では、ソフトウェア/ハードウェアのリソース利用を効率化する機能強化を図っている。その一例が、データベースをアクティブ-アクティブ構成にすることで、読み込みを高速化するというものだ。これまで待機(スタンバイ)しているだけだったセカンダリデータベースを有効活用することができ、もちろんプライマリデータベースのフェイルオーバーにも備える。決算期に多数のレポート処理を動かすなど、処理集中時の利用を想定しているという。

 また、データを異なる層(Tier)に保存するダイナミック・ティアリング機能も強化した。重要なデータはインメモリに、過去のデータなどはディスクに保存するものだが、HANA 2ではビジネスルールに基づいてデータをメモリ/ディスク間で移動できる。

 「テキストファイル、ソーシャルコンテンツを含むWebログ、メディアファイル、センサーデータなど、データベースには格納しないものの、スキャンして重要な内容が含まれないかどうかを見たいというデータが増えている。重要な部分を取り出してインメモリに格納し、さらなる洞察を得て、終わったら戻す。これにより、リソースの使用効率を改善し、重要なことにインメモリのパワーを注ぎながら、古いデータやすぐに使わないデータも保持できる」(グッデル氏)

 もうひとつのアプリケーション開発では、HANAを含むアプリケーション開発環境プラットフォームに、開発者が自分の好きな言語を利用するためのフレームワークを導入した。HANAそのものはJava、JavaScript、Node.js、C++などをサポートしているが、このフレームワークによって、開発の自由度が一気に広がる。

 HANA 2は11月末にリリースの予定だ。SAPでは、HANA 2のリリースにあわせ、その無料版「Express Edition」も用意する。グッデル氏は、ユーザーからの「もっとHANAにアクセスしやすくしてほしいというニーズ」に応えるものだと、その位置付けを説明する。

 Express Editionは、HANA 2導入前のPOCだけでなく、SIパートナーがExpress Editionを用いてアプリケーションを試作し、顧客に提案するという利用シナリオも考えられる。開発者がPC上でHANA環境を構築することも可能だ。Express Editionは、メモリ容量が32GBまでは無料、追加料金を払えば最大128GBまで利用できる。

 Express Editionは、約1カ月前に開催されたラスベガスでの「TechEd」で発表された。初代HANA版のExpress Editionのダウンロードは、すでに1万件を超えているという。

「ビジネスのラン・ライブ」を実現するプラットフォームとして

 データベースという新たな技術とビジネスをSAPにもたらしたHANA。グッデル氏は、「分析系」から「処理系」へと進化/拡大してきたHANAによって、分析系/処理系の両方の処理を1つのデータでできるため、DWHの必要がなくなり、以前なら時間がかかったレポートも短時間で取得できるようになったことを説明した。こうした特徴を、グッデル氏は「ライブデータ」「ビジネスのラン・ライブ(Run Live)」と表現する。

 Hadoopなど新しいデータへの適用も進んでおり、アプリケーション開発側も構造化/非構造化データの両方をサポートする。テキスト検索、位置情報が得られる空間分析、ソーシャルグラフ分析、マシンデータやセンサーデータなどのストリーミングデータのサポート、製造業の異常検出などに利用されるタイムシリーズ分析など、活用の可能性は広がっている。

 HANAの今後の方向性についてグッデル氏は、高度な分析を活用する革新的なアプリケーション向けの機能強化を進めていくと述べた。これに加えて、既存のSAP顧客向けに業界固有のアプリケーションのHANA対応も進めるという。

 ラン・ライブにより、企業はリアルタイムな情報に基づいた経営意思決定ができるようになった。プラットナー氏がSAP創業時から思い描いていたリアルタイムエンタープライズが、HANAによって現実のものになりつつある。

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