Q4 自分のカードはアップルの対応会社一覧に載っているのだが、登録できなかったのはなぜ?
A4 地銀系のカードの場合、提携先によって対応が変わります
主に地方銀行系のカード会社において、フランチャイザーとなるカード会社とFC契約を結び、元のカードとほぼ同じ基本機能を持つカードを発行しているケースがあります。この場合、元のカードがApple Payに対応しているか、していないかで対応が分かれます。
●Apple Payに対応している
・JCBグループ
・VJAグループ(三井住友カード系)
●Apple Payに対応していない
・DCカード(三菱UFJ系)
・MUFGカード(三菱UFJ系)
・UCカード(ユーシーカード)
また、流通系のカード会社の場合、自社ではポイントサービス部分に専念して、クレジットカードの基本業務は提携している専業カード会社に委託しているケースがあります。これらのカード会社も提携先のカード会社でApple Payへの対応が分かれます(セブン―イレブン「セブンカード・プラス」、髙島屋「タカシマヤカード」など)。また、ゆうちょ銀行の「JP BANKカード」もこの方式でApple Payに対応している例です。
Q5 「VISAではApple Payは使えない」というのはなんだったの?
A5 VISAではQUICPay/iD経由でのIC決済には対応しますが、アプリやウェブ経由では使えません
ここまでの繰り返しになりますが、Apple Pay対応のカギとなるのは「カード会社」です。ロゴ(国際ブランド)が「VISA」「MasterCard」「JCB」「AMEX」のどれかは直接関係ありません。
そして、Apple Payにカードを登録できると、FeliCaを搭載するiPhone 7/Apple Watch 2の場合は「QUICPay」または「iD」といった決済プラットフォームを経由して、店頭でICリーダーにタッチすることでの決済が可能になります。
しかし、「Apple Pay」自体もそれとは別に独自の決済プラットフォームを持っており、iPhoneのアプリ上などで利用できます(これはFeliCaを搭載しない、iPhone 6以降のiPhoneやApple Watchでも可能)。そして、VISAはこのApple Payの決済サービスには対応していないのです。この関係を表にすると、以下のようになります(Apple WatchはiPhone 5以降との組み合わせで用いる)。
IC決済(QUICPay またはiD) |
アプリ上 での利用 |
ウェブ上 での利用 |
Suicaへの チャージ |
|
---|---|---|---|---|
iPhone 7 | ○ | ○ | ○ | ○ |
(VISAの場合) | ○ | × | × | △(アプリで可) |
iPhone 6s/6/SE | × | ○ | ○ | × |
(VISAの場合) | × | × | × | × |
Apple Watch 2 | ○ | ○ | × | ○ |
(VISAの場合) | ○ | × | × | △(アプリで可) |
Apple Watch | × | ○ | × | × |
(VISAの場合) | × | × | × | × |
たとえばApple Payに登録したSuicaにチャージするケースを例として紹介します。WalletアプリでSuicaを選択してメニューを開くとチャージが可能ですが、ここでのチャージは「Apple Pay」の決済プラットフォームを利用するため、VISAでは不可能です。
またそれとは別に「Suica」アプリが用意されており、ここでは「Apple Pay」でのチャージか、「Suica」アプリ内で独自に登録したカードからのチャージのどちらかを選べます。前者はVISAでは不可能ですが、後者は幅広いカードに対応しているため、チャージは可能です。つまり、VISAではApple Payのフル機能が利用できないのは確かですが、現状はさほど困らないと考えて問題ないでしょう。
Q6 「QUICPay」「iD」ってなに? 違いはある?
A6 ともに10年以上の歴史を持つ、FeliCaを用いた電子マネーの決済プラットフォームでコンビニやタクシーなどで利用可能。対応店舗などに違いはあるが、それほど大きくない
QUICPay/iDはともに2005年にスタートした後払い式(ポストペイ型)の電子マネーの決済プラットフォームです。支払った金額は紐付けしたクレジットカードの支払いと合算されて、あとでまとめて請求されるため、残額を気にしたり、あらかじめチャージしておく必要がありません。
また、FeliCaを用いた非接触型IC技術が用いられているので、サイフからカードを取り出すことなく、ケータイやスマホをICリーダーにタッチするだけで支払いが完了するのも便利です。
QUICPay/iDの登場当初は、どちらかにしか対応していない店舗も多かったのですが、現在では主要コンビニチェーンの大半が両方に対応するなど、差は小さくなっています(タクシーやマクドナルドなどでややiDが有利なケースも)。
実際に店頭で利用する際は「QUICPay(クイックペイ)で支払います」「iD(アイディー)で支払います」のいずれかを店員に告げたうえで、iPhone 7ならばTouch IDに指を置いた状態で、端末の上部をリーダーにタッチすれば、特定のサウンドとともに決済が完了です。
QUICPay/iDで決済する際に注意したいのは、店員が間違ったサービスを選択するケースがある点(店員が誤ってSuicaを選ぶと、そのままSuicaで決済される可能性も!)。また、QUICPayは従来型リーダーでの利用上限額が2万円のため、それ以上の支払いの場合はクレジットカード本体を出すことになる点などがあります。