このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

Apple Payで使えるクレカは結局どれ? Q&Aで簡単解説

2016年11月20日 12時00分更新

文● 二子/ASCII編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Q4 自分のカードはアップルの対応会社一覧に載っているのだが、登録できなかったのはなぜ?

A4 地銀系のカードの場合、提携先によって対応が変わります

 主に地方銀行系のカード会社において、フランチャイザーとなるカード会社とFC契約を結び、元のカードとほぼ同じ基本機能を持つカードを発行しているケースがあります。この場合、元のカードがApple Payに対応しているか、していないかで対応が分かれます。

●Apple Payに対応している
・JCBグループ
・VJAグループ(三井住友カード系)

●Apple Payに対応していない
・DCカード(三菱UFJ系)
・MUFGカード(三菱UFJ系)
・UCカード(ユーシーカード)

北海道銀行系のカード会社での例。VJAグループとUCカードグループのカードを発行しているが、Apple Payに対応しているのは前者のみ

 また、流通系のカード会社の場合、自社ではポイントサービス部分に専念して、クレジットカードの基本業務は提携している専業カード会社に委託しているケースがあります。これらのカード会社も提携先のカード会社でApple Payへの対応が分かれます(セブン―イレブン「セブンカード・プラス」、髙島屋「タカシマヤカード」など)。また、ゆうちょ銀行の「JP BANKカード」もこの方式でApple Payに対応している例です。

Q5 「VISAではApple Payは使えない」というのはなんだったの?

A5 VISAではQUICPay/iD経由でのIC決済には対応しますが、アプリやウェブ経由では使えません

 ここまでの繰り返しになりますが、Apple Pay対応のカギとなるのは「カード会社」です。ロゴ(国際ブランド)が「VISA」「MasterCard」「JCB」「AMEX」のどれかは直接関係ありません。

 そして、Apple Payにカードを登録できると、FeliCaを搭載するiPhone 7/Apple Watch 2の場合は「QUICPay」または「iD」といった決済プラットフォームを経由して、店頭でICリーダーにタッチすることでの決済が可能になります。

 しかし、「Apple Pay」自体もそれとは別に独自の決済プラットフォームを持っており、iPhoneのアプリ上などで利用できます(これはFeliCaを搭載しない、iPhone 6以降のiPhoneやApple Watchでも可能)。そして、VISAはこのApple Payの決済サービスには対応していないのです。この関係を表にすると、以下のようになります(Apple WatchはiPhone 5以降との組み合わせで用いる)。

  IC決済(QUICPay
またはiD)
アプリ上
での利用
ウェブ上
での利用
Suicaへの
チャージ
iPhone 7
(VISAの場合) × × △(アプリで可)
iPhone 6s/6/SE × ×
(VISAの場合) × × × ×
Apple Watch 2 ×
(VISAの場合) × × △(アプリで可)
Apple Watch × × ×
(VISAの場合) × × × ×

 たとえばApple Payに登録したSuicaにチャージするケースを例として紹介します。WalletアプリでSuicaを選択してメニューを開くとチャージが可能ですが、ここでのチャージは「Apple Pay」の決済プラットフォームを利用するため、VISAでは不可能です。

Walletアプリでカードを選択してチャージする場合は、Apple Payの決済システムを使うので、VISAは使用できません

 またそれとは別に「Suica」アプリが用意されており、ここでは「Apple Pay」でのチャージか、「Suica」アプリ内で独自に登録したカードからのチャージのどちらかを選べます。前者はVISAでは不可能ですが、後者は幅広いカードに対応しているため、チャージは可能です。つまり、VISAではApple Payのフル機能が利用できないのは確かですが、現状はさほど困らないと考えて問題ないでしょう。

「Suica」アプリからでは、Apple Payでの決済のほか、アプリ内で新たにカードを登録して、そこからチャージすることも可能です

Q6 「QUICPay」「iD」ってなに? 違いはある?

A6 ともに10年以上の歴史を持つ、FeliCaを用いた電子マネーの決済プラットフォームでコンビニやタクシーなどで利用可能。対応店舗などに違いはあるが、それほど大きくない

 QUICPay/iDはともに2005年にスタートした後払い式(ポストペイ型)の電子マネーの決済プラットフォームです。支払った金額は紐付けしたクレジットカードの支払いと合算されて、あとでまとめて請求されるため、残額を気にしたり、あらかじめチャージしておく必要がありません。

 また、FeliCaを用いた非接触型IC技術が用いられているので、サイフからカードを取り出すことなく、ケータイやスマホをICリーダーにタッチするだけで支払いが完了するのも便利です。

どんなお店で使えるかはそれぞれの公式サイトでチェックするといいでしょう

 QUICPay/iDの登場当初は、どちらかにしか対応していない店舗も多かったのですが、現在では主要コンビニチェーンの大半が両方に対応するなど、差は小さくなっています(タクシーやマクドナルドなどでややiDが有利なケースも)。

 実際に店頭で利用する際は「QUICPay(クイックペイ)で支払います」「iD(アイディー)で支払います」のいずれかを店員に告げたうえで、iPhone 7ならばTouch IDに指を置いた状態で、端末の上部をリーダーにタッチすれば、特定のサウンドとともに決済が完了です。

カード会社ごとにQUICPayかiDのどちらをサポートするかは決まっているので、ユーザーが選べるわけではありません。画面のクレディセゾンの場合はQUICPayです

実際に利用する場合は、決済方式を伝えてから、Touch IDに指をつけたまま、ICリーダーにかざします

 QUICPay/iDで決済する際に注意したいのは、店員が間違ったサービスを選択するケースがある点(店員が誤ってSuicaを選ぶと、そのままSuicaで決済される可能性も!)。また、QUICPayは従来型リーダーでの利用上限額が2万円のため、それ以上の支払いの場合はクレジットカード本体を出すことになる点などがあります。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中