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ポートフォリオ新製品としてセキュリティカメラも追加

シスコ「Meraki」日本語版を提供開始、国内市場で展開加速

2016年11月21日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 シスコシステムズは11月18日、クラウド型ネットワーク管理ソリューション「Cisco Meraki(メラキ)」の日本市場向け施策強化を発表した。Webベースの管理画面を日本語化したほか、新たにクラウド管理が可能なセキュリティカメラをラインアップした。

発表会に出席した米シスコ Meraki担当SVPのトッド・ナイチンゲール(Todd Nightingale)氏

日本市場への取り組みを説明したシスコ 執行役員 エンタープライズネットワーキング事業担当の眞崎浩一氏

新たに日本語表示に対応したMerakiのダッシュボード

 Cisco Merakiは、ネットワークデバイスのクラウド一元管理サービスを提供し、企業/組織のネットワーク運用をシンプル化するソリューション。管理対象としては無線LANアクセスポイント(Meraki MR)のほか、ネットワークスイッチ(Meraki MS)、セキュリティUTMアプライアンス(Meraki MX)、さらにモバイルデバイス管理(Meraki Systems Manager MDM)をラインアップしており、これらのデバイスをインターネット接続すればクラウドから自動的に設定データがダウンロードされる。

 Merakiは特に、IT管理者のいない多数の店舗や施設を抱える小売業やホテル、レストラン、さらに文教(学校)業界の顧客に多く利用されている。グローバルでは14万社以上の顧客が導入しており、国内ではローソンやパルコ、ホテル志摩スペイン村、東京海洋大学などがMerakiの採用顧客だ。

Merakiの導入顧客例(グローバル、日本)。小売業やホテル/レストラン、学校が中心

 今回は、MerakiのWeb管理画面が日本語表示に対応したこと、またMerakiの管理対象デバイスとしてセキュリティカメラの「Meraki MV」が追加されたことが発表されている。

 Meraki MVは、内蔵する128GBのフラッシュストレージに、およそ20日間分の録画ができるカメラ。設置した複数のMVカメラは、MerakiのWebダッシュボードから一元管理と一括監視が可能。

Merakiの新製品、MVセキュリティカメラ(屋外用/屋内用)

複数カメラの映像をWebで一括監視できる(発表会デモより)

 Web監視画面からは、特定のカメラ映像だけをクローズアップし、時間をさかのぼって録画を確認できるほか、画面中の特定箇所をマーキングすることで、その部分に変化があった(たとえばドアの開閉など)時刻の映像だけをピックアップする機能も備える。

日本市場への展開をさらに加速させていく

 日本市場ではおよそ2年前から提供されてきたMerakiだが、シスコでは今回の日本語化を機に、今後さらに展開を加速していく方針だ。

 発表会に出席した米シスコ Meraki担当SVPのトッド・ナイチンゲール氏は、日本市場においてもすでにリセラー数の増加、日本語によるカスタマーサポート提供などの取り組みを通じて、2016会計年度には前年度比4倍の売上成長を達成したことを説明した。

すでに2016会計年度のMeraki売上は前年比400%(4倍)へと急成長している

 また、シスコ日本法人 執行役員 エンタープライズネットワーキング事業担当の眞崎浩一氏は、これまでも営業組織やサポートチームの強化、販売チャネル拡大、業種別ソリューションの展開などの施策をとってきたことを説明。今回のMerakiインタフェースの日本語化は「国内の顧客やパートナーから最も望まれていた点」だと説明し、さらなる事業加速への期待を覗かせた。

日本市場におけるMerakiの事業展開

 眞崎氏は、国内導入事例として玉川聖学院、Diamond Diningのケーススタディを紹介した。玉川聖学院では、授業用タブレットが接続する無線LAN環境の管理のほか、生徒が持ち込む私物スマートフォン(BYOD)のアクセス制限/アプリ起動制限(MDM)にMerakiを利用している。またDiamond Diningでは、フリーWi-Fiサービス(Facebook Wi-Fi)をレストラン店舗に導入するためにMerakiを採用し、1カ月間に70店舗への導入を実現したという。

訂正とお詫び:初出時、眞崎浩一氏の名前が誤っておりました。お詫びして訂正いたします。(2016年11月21日)

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