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FeliCaが生き残るとは限らない 日本のモバイル決済が変わる日 第8回

世界トップクラスのNFC先進国、韓国・ソウル電子マネー探訪記【倶楽部】

2016年10月22日 18時00分更新

文● ちゅーやん

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 どうも。ちゅーやんです。
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 本日紹介する記事は、毎週水曜日に更新の「FeliCaが生き残るとは限らない 日本のモバイル決済が変わる日」より、9月28日に公開した「世界トップクラスのNFC先進国、韓国・ソウル電子マネー探訪記」を紹介します。

 著者である鈴木淳也氏は、NFCとモバイル決済を専門分野としており、ASCII倶楽部で更新中の連載では世界各国のNFC事情とその歴史を綴っています。10月19日に公開した記事では、アメリカのNFC事情、Apple Payの裏で起きていたことを執筆いただいております。


 NFC(Near Field Communication)関連の国際会議に毎回参加していると、必ずといっていいほどに言及されたのが「韓国はNFC先進国」という話だ。これらの話題は主に、Apple Pay登場前のモバイルNFC黎明期でのものだが、整備に時間がかかって長年使われ続けるというインフラの特性上、同国がNFCインフラの面で依然として先進国にあることには変わりはないだろう。

再建された南大門とソウル市内の市場での熱気溢れる風景

いち早くNFCインフラの展開された韓国

 本連載のロンドン編とミラノ編でも言及したが、同国のSamsung Electronicsは早い時期からモバイルNFCの研究開発を進めており、少なくとも2000年代の時期にはフィンランドのNokiaと並んで「NFCの実装技術」に関しては世界トップクラスのベンダーの地位にあった。当時はスマートフォン自体も黎明期であり、NokiaでいえばSymbian、SamsungはBadaというように、AndroidでのNFC利用は一般的ではなく、ベンダー間での実装技術の差異が大きかった時代でもあった。その後、Nokiaでは政治的事情から製品戦略が混乱してSymbianチームが解散し、噂によれば人材の多くがシリコンバレーなどライバル企業に流れたという。その意味で、Samsungは今日までNFC関連の技術を蓄え続けてきた数少ないベンダーの1つということになる。

 話を戻すと、NFCの故郷がモナコだとするなら、韓国は黎明期から今日のNFCの育ての親の1人といえるかもしれない。フランスやリトアニアでの国家プロジェクトは(その時点では)大きく芽が出ることはなかったものの、韓国は国家主導でインフラ整備が進み、実際に一定のマイルストーンに達成した数少ない国家の1つとなっている。インフラ展開の時期も早く、韓国旅行から帰ってきた米国の友人が「非接触ICカード1枚で市内どこでも移動できるインフラは日本の首都圏を上回っている」と2000年代前半に興奮気味に話していたのを憶えている。当時、東京周辺エリアはJR東日本がICカードを提供する一方で、私鉄各社は磁気方式のプリペイドカードを採用していた状況だ(最終的にICカード方式のPASMOに移行してSuicaとの相互乗り入れを開始したのは2007年)。

 現在、NFCインフラというとApple Payなどにみられるような「国際カードブランドを使ったクレジットカード決済」を想像するかもしれないが、ここでいう韓国のNFCインフラは日本の電子マネーインフラに近いものだ。「T-money」と呼ばれるこのICカードインフラは、2004年に新交通システム導入に伴って利用が開始されている。当初はソウル周辺エリアに限定されていたものの、仁川や京畿、釜山といった地域交通との相互運用を順次開始し、現在では韓国全土をカバーするような共通インフラとなっている。交通系からスタートしたT-moneyだが、すぐにコンビニ等の物販にも対応し、その使い勝手は今日の日本の交通系ICカードのそれに近いものとなっている。両者の最大の違いは、日本のシステムがFeliCa技術を採用しているのに対し、T-moneyは「Mifare」を採用したことにある。完全互換ではないものの、MifareはType-A/B系の前衛的存在であり、スタンダードな技術を採用したといえるだろう。

2013年に提供が開始されたモバイルCashbeeアプリ。現地で使えるクーポンや交通案内など、観光メインに設計されたサービスだ

 このT-moneyとは別に、日本の携帯キャリア3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)が「モバイルCashbee」というサービスを日本国内ユーザー向けに提供しており、韓国を旅行する日本人が公共交通やコンビニでの買い物といった現地のNFCインフラを簡単に利用できるようになっている。Cashbeeはロッテ系の資本が出資する電子マネーサービスで、ロッテデパートなどのロッテ資本の小売店だけでなく、T-moneyとの相互運用で各種物販や交通系サービスなども利用可能だ。これの携帯電話向けサービスが「モバイルCashbee」で、FeliCaチップを用いる通常のおサイフケータイとは異なり、SIMカード内のType-A/B方式のNFCセキュアエレメントを用いている。モバイルCashbeeはサービス開始当初は交通系には対応していなかったものの、現在では「物販」「タクシー」「地下鉄やバスなどの公共交通」をすべて利用できる。ただしT-moneyとの相互乗り入れは完全ではなく、例えば釜山の公共交通は利用不可など、主にソウル首都圏での利用が中心となる(外部サイト)。韓国旅行に頻繁に行く人ならともかく、現地通貨の韓国ウォンを大量に両替しても余ったときの使い道に困るだろう。プリペイド方式のモバイルCashbeeなら、使う分をクレジットカードから現地で都度チャージすることで無駄なく使え、小銭を財布から取り出す手間もないので便利だ。

カード利用の進むインフラ事情

 噂には聞いていたものの、長らく韓国を訪問する機会がなかなかなく「近くて遠い国」を実体験していたが、ついに2014年1月に同業者ら4人とソウル在住の友人を訪ねる形で訪問を実現できた。真冬の極寒のソウルで雨続きという悪天候ながら、同市周辺のNFC事情を調べることができた。


 続きは「世界トップクラスのNFC先進国、韓国・ソウル電子マネー探訪記」の記事本体でお楽しみくださいませ。

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