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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第159回

「iPhone 7」登場ーーイヤフォンジャック廃止の勇気

2016年09月14日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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Apple Watchは再び勢いを取り戻すことができるか

 Appleが発表したのはiPhone 7/7 Plusだけではない。そう、2015年4月に登場以来、2世代目となるスマートウォッチ「Apple Watch 2」だ。

 Apple Watchを別イベントで発表しなかったところに意図を感じるが、市場をチェックしておくとApple Watchは期待されていたほど成功しているとはいえない。IDCが発表した2016年第2四半期のウェアラブルデバイス市場調査でAppleのシェアは7%。これは、発売直後を含む前年同期の20.3%からの56.7%の縮小となり、出荷台数は56.7%減少している。順位も、2位の座をXiaomiに譲って3位に下がった。なお、Appleは今年春にSportエディションの値引き(50ドル)を行なっているが、その効果が出ていないのかもしれない。

 1位は、日本でも本格展開がはじまったFitbit。シェアは前回から0.5ポイントアップの25.4%となり、前回は4ポイント差に詰め寄られたAppleとの差をしっかり開いた格好だ。なお、スマートウォッチでAppleに先駆け、IFAでも新作(Tizenベースの「Gear S2」)を披露したSamsungは、上位5社に入っていない。

 FitbitもXiaomiもあくまでフィットネス重視のリストバンドであって、Apple Watchのような多機能さを備えていない。だが、メリットが明確である点が売れている理由だとIDCは分析している。IDCではウェアラブル市場の現状として、スマートウェラブルは早期段階としている。過去に使っていたが、充電が面倒な割に明確な用途が見いだせないという層は多そうだ。実際、Forresterのデータでは、北米市場のウェアラブル(スマートウォッチとフィットネスバンドなどを含む)利用は2015年の21%から14%に減少しているとのことだ。

 Apple Watch 2は防水、GPSなどの機能を持つが、全体として初代とあまり変わっていない。スマートウォッチがいよいよ離陸という予感はあまりしないが、どうなるだろうか。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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