独自の3層構造から得られる優れた解像感で、一部のカメラマニアからは熱狂的に支持されてるいる“FoveonX3センサー”。搭載機種はレンズ固定式のdpシリーズとレンズ交換式一眼レフのsdシリーズのラインナップだったが、今回sdシリーズをミラーレス機に進化させた最新モデルが登場。早速その画質をチェックしてみた。レンズはキットになっている『DC30mmF1.4HSM』を使用した。
何でいきなり夜景が作例?と思うかもしれないが、以前から細部まで精細に解像する“Foveon”は夜景撮影に向いていると感じていた。事実この画像を拡大して見てもらえばわかると思うが、建物の輪郭部分の再現は、もはや肉眼を超えた精細感。一度この画質を見てしまうと“Foveon”の魅力にハマること間違いなし。
(ただし頑丈な三脚によるブレ防止や厳密なピント合わせ、適格な露出など丁寧に撮影する必要はあるけど……)
ついでに同じ画像で感度別の画質を検証。個人的には高感度画質には寛容だと自負しているが、それでも実用的なのはISO 800程度まで。おそらく“Foveon”ファンのほとんどが感じていることだと思うが、この撮像素子の画質を最大に発揮するには夜景でもISO 100で撮影すべき! そのために三脚を持っていく労を惜しんではいけない! などと思いますがどうでしょう?
ボディーとレンズを最適化し製造されるdpシリーズに比べ、レンズ交換式のsdシリーズでは使用するレンズの性格を把握することも大事じゃないかと思い、試しにキットレンズの『DC30mmF1.4HSM』で絞り値を変えて撮影したときの描写の違いを調べてみた。
開放のF1.4ではやや描写が甘いが少し絞ると急に解像感が向上。F4~8あたりがピークで、それ以上絞ると回折現象でぼやけてくる。これをみるとボケ味と解像感を両立するならF2.8前後、とにかく解像感重視といういならF5.6前後など、撮りたいイメージによって絞り値を選択するのがよさそうだ。
周辺部の描写も開放F1.4ではやや光量低下があり、F2で解消するが像は乱れてたまま。画面全体をクッキリと写したいときはF5.6~8程度まで絞るのがいいかも。