皆さんはEC、SNS、ゲーム、音楽、ニュースなど、どのようなインターネットサービスを利用していますか。21世紀を生きる我々には、普段の生活の中に役立つインターネットサービスは欠かせません。
そのようなインターネットやアプリを利用している際に、サービスの中だけで発生している「独自ルール」を見かけたことがあると思います。今回は前々から気になっていた、「独自ルール」について考えてみました。
メルカリで使われている「○○様専用」
3000万ダウンロードを超えている大ヒットフリーマーケットアプリ「メルカリ」では、よく見かける「独自ルール」があります。それは「○○様専用」という文字です。
この「○○様専用」は2つの意味を持っています。
1つ目は決済機能だけ利用するパターンです。
決済機能がないメールやSNSなどで取引されたものを、メルカリで取引専用ページを作成して決済だけする場合です。
2つ目のパターンは、メルカリ内で商品について取引交渉している際に、ほかの人に買われないように利用する場合です。
このような現象はYahoo!ショッピングやラクマなどでも見受けられますが、運営会社側がルールを作ったのではなく、自発的にサービスの中で作られた「独自ルール」で、ユーザーに広がったものです。
インターネット上で個人が売り買いをしたくても、決済方法が難しかったり、交渉中に他の人に商品が買われてしまったりと、ユーザーがサービスを利用する際「不便」と感じる部分を解消するために、自然発生的に広がったのではないかと考えられます。
SNSでの定番は「#」を使った独自ルール
Twitter、Facebook、Instagramなど様々なSNSで定番となっているのが「ハッシュタグ」の利用です。ハッシュタグとは、「#(ハッシュマーク)」の後に自由にキーワードを続けた#からの一語(一文)のことで、ハッシュタグがあると検索しやすくなります。
世界中の人が自由に使い無限に存在するハッシュタグの中でも、1億回以上も使われているのが「#f4f」です。
「#f4f」とは「follow for follow(フォローしてくれたらフォローし返すよ)」という意味を持ちます。
さらに、キーワードに意味はありませんが、とにかくフォロワーを増やしたい際に利用するのが「#instagood」というハッシュタグです。
このような現象は、フォロワーが多いSNSアカウントは素人でもマネタイズにつながる可能性があることから、フォロワーを集めたいユーザーが増えたことにより、このようなハッシュタグが生まれたのではないでしょうか。これも1つのSNSで繰り広げられる「独自ルール」です。
ゲームのユーザー名が謎の暗号に…
スマホゲームは「独自ルール」の宝庫です。
例えば、テレビCMでもお馴染みの300万ダウンロードを記録している、スキル乱射×対戦パズルゲーム「エレメンタルストーリー」で対戦相手を探す際に、謎の暗号のような文字が目に入ります。
ユーザー名が、「ケン@イシス99のみ」という名前とは思えないものになっています。
1つずつ読み解くと、
- ケン=名前
- イシス=キャラクター名
- 99=ソウルの最上レベル
という意味を持ちます。さらにアイコンが火のマークとなっているので、まとめると、
「火のステージの対戦で、ソウル99レベルのイシス(火のステージに強いキャラ)を持っている人!攻略を手伝ってください」
というメッセージが、アイコンとたった10文字で表現されているのです。
このような現象は「エレメンタルストーリー」に限らず、さまざまなスマホゲームで見受けられます。ユーザー同士で、「どのようにしたらよりゲームを楽しめるか」を追求した結果生まれた「独自ルール」ではないでしょうか。
まとめ
上記の3つの例の共通点は、
- サービスの運営側がサポートしきれていない問題を解消する
- よりサービスを楽しむ
という、2つがあげられます。
利用ユーザーが自発的に生んだ「独自ルール」によって、周りのユーザーもより使いやすくなり、サービスの穴を埋めている側面もあるでしょう。
「独自ルール」がメディアの個性にもなる場合もある一方で、ユーザービリティの悪さになる場合もあります。「独自ルール」には否定的な意見もありますが、独自ルールがあった方が気持ちよく利用できるユーザーが一定数いることも否めません。
サービスの成熟につなげるためにも、サービス提供側としてはしっかり対応していく姿勢が大切でしょう。