UQコミュニケーションズは、au MVNOの格安モバイルサービス「UQ mobile」の新サービスについて、記者会見を開催。新規契約時(auから以外のMNP加入時を含む)に基本料金を最大13ヵ月間、月1000円を割引し、月1980円(以下すべて税抜)でデータ通信や音声通話が使える「イチキュッパ割」を7月から開始すると発表した。
契約から1年間は月1980円で2GB&60分ぶんの通話が可能
ハンドソープスマホが新端末として追加
「イチキュッパ割」が利用できるのは、音声通話付きSIM「ぴったりプラン」の契約時。「ぴったりプラン」は本来月2980円で、月1GBの高速データ通信と月1200円ぶん(最大30分ぶん)の音声通話が利用できるプランだが、今年4月からは通信量を2倍の2GBに。さらに7月からの「イチキュッパ割」では、音声通話も2400円ぶん(最大60分ぶん)と2倍に、さらに最大13ヵ月、月1000円を割引する。
また「ぴったりプラン」では、月1000円の「たっぷりオプション」を追加することで、通信量が月3GB、音声通話が最大60分ぶんに増量されるが、こちらも7月からは2倍となり、契約から1年は月2980円で、6GBのデータ通信と120分ぶんの音声通話が利用できる計算だ。
同社は対応スマホの新モデルとして、京セラ製の「DIGNO L」を追加した。こちらはauからリリースされている「DIGNO rafre KYV36」とほぼ同じ内容で(au向けアプリなどは省かれている)、防水・防塵に対応。スマホが汚れた場合にもハンドソープで汚れを落とすことができる、入浴時など画面や手が濡れていても操作可能、といった特徴を持つ。
auとの提携で量販店での販売に力を入れる
お試しサービスも開始 端末も続々登場予定
記者会見では、UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の野坂章雄氏が登壇して、同社の戦略を紹介した。UQ mobileは2014年12月の開始。当時は別会社(KDDIバリューイネイブラ―)での提供で、“UQ”ブランドを貸与していた形だった。しかし、昨年6月からは店頭での営業協力、昨年10月の会社合併、今年2月からはセットでのプロモーションを開始するなど、結びつきを深めてきた。
同社がUQ WiMAXを展開してきた上で強味としてきたのは、家電量販店との信頼関係という。店頭のUQスタッフが、ルーターとPCをセットを勧めるなどで販売力を強め、量販店でのモバイルルーターのシェアは50%を超えている。このノウハウをスマホ販売にも横展開する。
具体的には現在200~300店舗の量販店に入っているUQのスタッフはもちろん、auとの連携を強化。auの販売スタッフにもUQ mobileを販売してもらうことを中心に、UQ mobileの取扱店舗を1000店に拡大する。
またサービス面では、主要3キャリア、格安スマホの中間となる第3極として「プレミアムなコスパ・スマホ」をコンセプトとする。価格以上の価値を提供できるサービスとして、通信品質にもこだわるほか、UQ WiMAXで好評だった15日間無料のお試しサービスを「Try UQ mobile」として開始し、実際の快適さを契約前に体験できるようにする。
またプロモーションでは、「SNSデータ消費ゼロ」をアピールする。これは他サービスのようにSNSのデータ通信だけ無料にするといったものではなく、速度制限状態でも他の格安SIMで一般的な200kbpsより少し高速な300kbpsでの通信を可能にすることで、SNSでの利用であれば十分以上という考えだ。高速通信のオン/オフも簡単に切り替えられるようAndroid/iOS用アプリの配信が開始されている。
主要キャリアと格安SIMの間を狙うとなると、どうしても最近好評なY!mobileの名前が出てくるが、「大人と幼稚園の差がある」(野坂氏)とハッキリとしたライバル視はせず、チャレンジャーとしての立場からシェア拡大を狙う。
また、ドコモMVNOやY!mobileと比べると、au MVNOでは対応周波数やVoLTE対応などの問題から、一般的なSIMフリースマホをそのまま導入することは難しく、不利な面は否めない。今回は1機種が追加されただけが、「時間を置かずに続々と提供していきたい」(同)と今後の展開を期待させるコメントが出された。