【au2016夏スマホ】HTC 10と新Qua phone登場 下り速度は最大370Mbpsに! 第11回
長期契約者向けの優遇策をより手厚く、海外利用もお手軽に
au2016年夏スマホ発表、新サービスで「auは大きく変わる」
2016年05月31日 18時00分更新
auの2016年夏スマホの発表会の冒頭、壇上に登場した田中孝司社長は「auは、大きく変わる」とスローガンを紹介。2012年には「スマホが欲しい」というユーザーのニーズがあり、auは他キャリアとの価格競争の中でキャリアとしての価値を上げるべく「auスマートバリュー」や「auスマートパス」「au WALLET」などを矢継ぎ早に投入してきたと、これまでの経緯を解説した。
例年どおりなら会の冒頭にこれまでのauの取り組みを解説し、次に新端末やサービスを紹介する流れだが、田中社長は「現在はフィーチャーフォンからスマホへの移行も一段落し、キャリア間の流動性も減少している。現在はスマホを使いこなしたいというニーズか、もうスマホはいいよ、という二極化が進んでいる。スマホに対する思いが弱まっている」と語った。「auはこのようなユーザーの声を取り込んでこれたのか、という大反省があった」と、auが考える自社の問題点に言及。
auはこの反省から2015年4月に「auお客さま体験価値改革プロジェクト」をスタート。統括責任者にコンシューママーケティング本部長の管隆志氏を据え、本社と前作の支社・支店スタッフによる“カスタマージャーニー”の総点検を開始したと解説した。
続いて発表されたau2016夏モデルの紹介順も特徴的だった。最初に紹介されたのは、auオリジナルブランド「Qua」シリーズの新スマホ「Qua phone PX」とタブレット「Qua tab PX」。田中社長は「ユーザーからの意見に、人とはちょっと違ったスマホがほしい。カメラ性能を重視したいという要望があった」とコメント。
Qua phone PXは「各キャリアから登場するスマホは同じじゃないの? という不満に応えた端末」(田中社長)。Qua phone PXは「安心、心地いい、ちょっと未来」をコンセプトにオリジナルデザインを採用、さらにカメラ機能を充実させている。タブレットとのセット運用が想定されているのは前機種と同様だ。
次に紹介されたのは田中社長が「非常に好評」と評するサムスンの「Galaxy S7 edge」。S7 edgeは既発表端末だがプレゼンで紹介されたのは、先日グローバル発表された同端末のバットマンモデル「Galaxy S7 edge Injustice Edition」。国内ではauのみが発売する。発売日・価格とも未定だが、国内100台限定でau Online Shopで販売予定。
次に既発表の「Xperia X Performance」が紹介されるかと思ったがXperiaに関する言及はなく、Android 6.0搭載の新カラバリを投入する京セラ端末「TORQUE G02」とAndroid搭載ケータイ「AQUOS K」を紹介。注目端末「HTC 10」もサラッと紹介されるに留まった。
ルーターとタブレットを含めて全10機種(既発表モデル含む)というラインアップに関して、田中社長は「これは第1弾」とコメント。追加での新端末投入を示唆している。
端末紹介は短めだったが、時間を割いて説明されたのは新サービスに関して。32の国と地域でデータ通信が日本と同様に使える「世界データ定額」は8月開始予定。海外でも980円/24時間単位で国内のデータ定額量を使える世界データ定額は、利用開始時にアプリの利用開始ボタンを押してスタート。利用時間はアプリ上で確認できる。田中社長は、日割りではなく「ボタンを押してから24時間で980円」というわかりやすさを強調。「非常にチャレンジングで、ユーザーに広く受け入れられるサービスではないか」(同)。
続けて発表されたのは新プログラム「auSTAR」だ。「お客さまはauにとってスターですよ、ということ」(同)。「auSTARパスポート」はauショップへの来店予約登録で、好きな日時に加えて「希望の対応」が選べるのが最大の特徴だ。例えばある程度スマホに詳しいユーザーの場合は説明を端折って時間短縮といった対応を選べる。
「auSTARロイヤル」は長期契約者向けの優待サービス。従来は長期優待データギフトとして3ヵ月ごとにデータ容量がプレゼントされていたが、auSTARロイヤルは長期優待データギフトに加えてデータ定額料に応じてau WALLETポイントを毎月還元するもの。16年以上契約しているユーザーの場合は、データ定額料1000円ごとにau WALLET100ポイント(10%)が還元される。
「suSTARロイヤル」が月額料金を割り引くのではなく、データ定額料からau WALLETポイントによる還元な理由に関して、田中社長は「なんで料金から引かないの? と言われるが、ユーザーの要望では料金から引くよりもいろんなことに使いたいという声が多かった」と語る。「スマホは家族での利用など、使う方と支払う方が異なるケースがある。au WALLETポイントは通信料の支払いに適用できるが、買い物などほかの用途にも活用できる」(同)。
「auSTARギフト」は適用プランや対象機種によっては利用できないという制限はあるが、基本的にauユーザー“全員”に新発表の「世界データ定額」24時間ぶんが毎月プレゼントされるほか、3ヵ月ごとに旬な映画コンテンツ1作品ぶんがプレゼントされる。さらに抽選で同社CMでお馴染みの「三太郎」シリーズのグッズをプレゼントする施策も。
昨今話題となっている2年契約更新に関しても「auSTARギフト」内で新たな施策が発表された。「誰でも割」2年契約更新期間経過後6ヵ月以内に専用サイトで申し込むと、ギフト券3000円ぶんがプレゼントされる。
「格安SIM」ことMNVOへのユーザー流出が続き、総務省のタスクフォースの関係でMNO間の流動性が低下している現在、新端末発表会で何度も強調されたのは「auは、大きく変わります」というスローガン。サービス拡充などでユーザー離れを防ぐ施策の一貫ではあるが、長らく冷遇されてきた長期契約者の優待面を充実させてきた点に注目だ。
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